睡紫庵文庫

身辺雑記をまじえた読書雑記です。

尾瀬沼~チーズフォンデュで満喫しすぎ~

8月上旬に尾瀬沼に行ってきた。

G県民の私にとって、尾瀬の玄関口と言えば、鳩待峠。そこから、尾瀬ヶ原を一周するのが近年の定番コースだった。

しかし、今回は久しぶりに尾瀬沼方面にトライしてみた。何でも、今年はニッコウキスゲが7月の終盤が最盛期らしく、ということは、8月上旬でも大江湿原には咲いているに違いない、と期待しての決定だ。

登山口は福島県側の沼山峠初めてだ。Googleさんに道を聞いてみたところ、G県東部からは4時間以上かかると言っている…。

めっちゃ遠い…。

ちなみに鳩待峠なら、2時間半くらいだ。

鳩待峠と沼山峠の間は歩いて行ける距離(ただし、1日以上かかるが…)なのに、車では簡単に行き来できない。なんだか不思議な気もするが、山にに囲まれているのだから、それが当たり前なのだ。富士山の山梨側と静岡側の登山口だって、相当離れている。

 

4:30 登山口まで遠いことを承知の上で、だいたい日の出と共に出発。朝日がまぶしい。

今回も山の相棒、ノムさんに同行していただく。ノムさん尾瀬沼に行くのは5年ぶりくらいかもしれない。いや、もっとか?

あの時は、鳩待峠から入り、尾瀬ヶ原尾瀬沼を抜けて、大清水に出る、という大縦断コースを日帰りで敢行した。

とにかく疲れて、最後の方は無言だった。この私たちがしゃべる気力を無くしてしまったのだ。通常、1泊2日のコースだからねえ…。

思い返せば、当時は、本当に何もわかっていなかったので、無茶をしまくりだった。

大清水に着いたはいいけど、バスがすでに終わっていて、自力でタクシーを呼んで、なんとか帰った。大失敗。

失敗を重ねて、人は成長していく生き物なのだ、きっと。

 

那須で高速を下り、そこからはひたすら下道を2時間ごんごん走る。

9:30 ようやく、駐車場の御池に到着。途中、サービスエリアやコンビニに寄ったりしていた時間もあるが、5時間かかった。

やっぱり、遠い。本来は泊が必要だったかもしれないと、ちょっと思う。

私とノムさんのコンビは、成長したつもりになっているだけで、案外、昔とかわらない無茶をずっとしているのかもしれない。成長したと勘違いしているあたり、昔よりもタチが悪いではないか…。

 

バスに乗り、沼山峠を目指す。

しっかりと最終バスの時間17:10を心に刻み込む。毎回、このチェックだけは怠らない。これが、ぺーぺー時代からの成長の証だろうか。

 

10:00 沼山峠着

登山口を入ると、最初は樹林帯の登り。尾瀬なので、きっちり木道が整備されていて、歩きやすい。階段激登り箇所もあるが、段差が少なく、揃っているので、それほどキツくは無い。でも、ぜーぜー息は切らしてしまうが…。

しばらく登ると、今度は下りとなる。

どうせ下るなら、登らなくてもいいじゃんね…。なんてことを毎回思うあたり、進歩のカケラもない私…。

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安心の木道

 歩いていると、毎度登場するアブがぶんぶんと、まわりを回り出す。もう、慣れているので、アブくらいでで動揺したりはしない。うっとうしいけど。

特にノムさんは妙に好かれているので(体温高い?)、腐れ縁の友達のような感覚になっているようだ。

あぶさん、やっぱり来るのか。もー、来なくていいって言ってるのに」

ノムさんを歓迎しての、よろこびの舞だよ!久しぶりだねって!」

そんなにわたしが好きなの?あぶさん。しょうがないなー」

ノムさんツンデレ

 

1時間ほど、あぶさんと共に樹林帯を歩くと、ニッコウキスゲの群生地で有名な大江湿原へ出る。

ニッコウキスゲは私たちが行く前の週末くらいが最盛期だったようなので、まだ咲いているだろう、と期待していた。

道の両脇の樹木が無くなり、一気に視界が広がった先には、背の高い草の揺れる湿原が黄色に染まる光景が…ということは全く無く、ニッコウキスゲはあまり咲いていなかった…。

1週間でみんな咲ききってしまうのか。シーズンが短い花なのね。だからこそ、一気に咲いて、黄色い絨毯になるのだろう。短期集中型。

ちょっとがっかり。しかし、肩を落として歩いて行くと、両脇にだんだんと黄色の花が増えてきた。

おや、まだそこそこ咲いているのかしら?

沼に近づくにつれて、ニッコウキスゲの花数は増えていき、黄色の絨毯とまではいかないが、かなり見応えのある景色に。

そのほか、コオニユリやコバギボウシ、ワレモコウなども咲いていて、百花繚乱だ。

「ひゃっぽう。極楽のようだねえ」

一気にテンションのあがる私たち。

私は従来「花よりも、観葉植物が好き」などとスカしたことを言うタイプだが、やっぱり花が咲いていると、楽しくなってしまうのだ。

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ニッコウキスゲ。最盛期は、一面真っ黄色になるそうな。

11:30 尾瀬沼のほとりの長蔵小屋着。

さて、今回はニッコウキスゲだけを目当てに来たのでは無い。

もう1つのミッションとして「山ごはんの充実」を掲げてきたのだ。

尾瀬なら、あちこちにベンチはあるし、何回か来ていてコースタイムも読みやすいので、一歩進んで、話題の「山ごはん」のレベルを上げることにしたのだ。

当初はノムさんの「ホットサンドが食べたい」との希望があったのだが、「ホットサンドメーカー重いよね…」という状況を前にして、折衷案(?)でチーズフォンデュで手を打つことにした。

これなら、家で具を切って持って行くだけ。後は、チーズフォンデュの素(?)を暖めるだけ。とても簡単!

あれ?あまり料理らしいことをしていないな…。チーズを暖めるだけと、お湯湧かしてラーメンにそそぐだけと、たいして違わない気もする。

「山ごはん」として、一歩前進したのかどうか、若干疑義はあるといえばあるが、かんたん、おいしいで最高の選択だったと思う。

ちなみにノムさん提供のミニトマトが、意外においしくて感動した。オクラも美味。

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あらかじめアルミホイルを巻いておくのがポイント。

長蔵小屋前ベンチで、舌鼓を打つ時間は至福の時間。

のんびりご飯を食べ、お腹がふくれたところで、活動を再開する。

この時点で時間は12:30過ぎ。

「とりあえず尾瀬沼を一周しようか」と、念のため地図を取り出し、コースタイムを確認する。

「ううむ。だいたい2時間半くらいかかる計算だけど、どうかな?そこから、沼山峠までの時間を考えると、割とギリギリの時間だけど

…多分、大丈夫。行ってみよう」

「そうだよね、大丈夫だよね。沼まわりたいもんね」

私とノムさんのコンビは、いつも最終バスやらロープウェイの時間に迫られて行動しているが、一向に改まらないのは、二人とも能天気な性格だからだろう。類は友を呼ぶのだ。

数年前の、大清水でのバスもう無い事件が一瞬頭をよぎったが、コースタイムから考えても大丈夫だろうと強気の判断をする。

大丈夫だ。最終バスの時間はきちんと抑えている。

 

尾瀬沼ヒュッテの望遠鏡で燧ヶ岳の頂上に立つ人々を眺めたりして、尾瀬沼一周に出発したのは12:45くらい。

尾瀬沼山荘手前で、沼の対岸の燧ヶ岳の撮影会をしているあたりから、空には黒い雲がだんだんと立ちこめてきた。

「やばい。これは降るね

撮影している燧ヶ岳の上の方にも雨雲が迫っている。

夏だから、午後になると雨が降る確立が高いことは承知してはいたのだが、今回はなんとなく大丈夫なような気がしていたのだ。

「どうにか保ってくれないかな」と空を見上げて祈るが、今回は頼みの綱(?)である晴れ守を持ってこなかった。(かわりに雷除け御守を持っていた)

だめかもしれない…。

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対岸の燧ヶ岳。雨雲接近!

13:15 尾瀬沼山荘に着いたあたりから、ぽつぽつと雨粒が落ちてきた。

まだ、たいしたことはないが、今後の状況に少し不安を覚える。が、どんどん進む。

この先の道は木道の整備不良箇所が多く、また、木道がない通常の道もかなり多い。行き交う人の姿もほとんどない。

「おかしいねー。また、人が全然いなくなっちゃったよ

「みんな、もう帰っちゃったのかなー」

「この会話、毎回してるよね

失敗から学ぶはずなのだが、私たちは全然学んでいないようだ。

「余裕のある行程」か…。

 

沼岸をしばらく歩いていると、急にざざーっという激しい音と共に、ついに、樹木の屋根ではカバーしきれないほどの強い雨脚になった。

これはもう、観念して、カッパとザックカバーを装着する。

前回、立山に行った時に新調したカッパは2回の山行で2回登板することになった。100%の稼働率だ。これは縁起が良いのか、悪いのか…。

 

雨が降りしきる中、スピードを緩めず歩いていると、雨宿りをしている方に出会う。

彼は今日は宿泊組なのだろう。私たちも、出来るものなら、少し雨宿りをして、小雨になったあたりで再スタートしたいところだが、何しろ、最終バスの時間という大きな制約がある。

ノムさん。最終バスがあるから、私たちは雨でも歩き続けなくちゃいけないよね」

との私の言葉に、ノムさんは力強い台詞を返してくれた。

「大丈夫。間に合わなかったら、泊ればいい

おお!ノムさんは常にスバラシイ名言で私を導いてくれるなあ。さすがだ、友よ。

「そうだよね。間に合わなければ、泊ればいいんだ」

尾瀬の山小屋は完全予約制だが…)

一気に気持ちが楽になり、雨の中、楽しく沼まわりを歩く。

それにしても、尾瀬沼南岸コースは木道がボロボロである。いっそのこと、無しでもいいのではないだろうか。

 

14:40 沼尻到着。雨だったが、だいたい予定通りの到着。これなら、なんとか最終バスに間に合いそう。雨もほぼ上がった。

休憩所(売店有り)で、尾瀬沼を眺めて写真を撮ったりしていると、売店のお兄さんに「今日はどこ泊るの?」と声を掛けられる。

「今日、帰ります!」と私が言い切ると、「帰るの!?最終バスの時間はわかってるの!!」と非常に驚かれる。

「沼山峠17:10です!」と答えると、少し安心したようで「大清水って言われたら、どうしようかと思ったよ。沼山峠でも、結構、ギリギリだよ。急いだ方がいいよ」とアドバイスをいただく。

やっぱり、ギリギリだったか…。そして、数年前、大清水でバスもうない事件を私たちは経験しているのだよ…。そんなことは、今、ここで口にはできないが…。

ノムさんと二人、苦笑を交わし、早々に沼尻を後にした。

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沼尻から。本当はもう少しゆっくり休憩したかった…

沼尻から大江湿原まではだいたい1時間くらい。

急に気持ちが焦ってきて、やや早めに歩く。途中、人にはほとんど会わず。

尾瀬沼山荘あたりから、全然、人に会わない。天下の尾瀬だというのに。

「お兄さんは急げって言ってたけど、多分、間に合うと思うんだけどねえ」

「しかし、不安になるくらい、誰にも会わないねえ…

出会うのはカエルばかり(雨が降ったので、たくさん出てきた)の道を、黙々と歩く。

 

15:40 大江湿原到着。

私は、ここを15:30に通過すれば大丈夫だ、と計算していたので、大分安心する。

さきほどまで、無人の道を歩いていたのに、ここに来たら、急にたくさんの人が現れた。よく見ると、皆、ザックを背負っていない軽装である。本日、宿泊組が散歩しているのか…。

大江湿原を沼山峠方面に進むにつれ、人影はどんどん減っていき、前を行くお兄さん1人になってしまった。

ノムさん、あの第一村人だけが、友みたいだよ」

「でも、私たちの他にも帰る人がいるというのは心強いねえ

時間が読める場所に来ているので、私たちの会話も再び余裕が出てきた。

 

16:40 沼山峠到着。30分も余裕を持って到着できた。

「なんだ。やっぱり大丈夫だったじゃん」

「しかも、かなりの余裕だよ」

全く反省のない私たち。

売店で買ったコーラを飲みながら、最終バスの到着を待つ。

周りを見回すと、大江湿原から一緒だった第一村人さんの他7名がバスを待っている。

最終バス乗車は私とノムさんを含めて9名だった。

…ラスト10人に入ってしまった…。

これは、本当に最後に残った人たちだ。

次回はもうちょっと余裕のある行程にしなければいけないと思う。人間は学べる生き物であるはずだ、多分。

ついでに、駐車場から那須までの2時間の下道が、夜だと街灯も無く、ご飯を食べる場所も無いので、やっぱり、泊付きの方がいいかもしれない、と強く思った。

那須までずっと腹ぺこ。早く帰れば、多分、ご飯にはありつけたのだろうなあ…。

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こちらはミズバショウ。夏になると巨大化する。

<コースタイム>

9:30御池…10:00沼山峠…11:00大江湿原…11:30長蔵小屋(昼食1時間)…13:15尾瀬沼山荘…14:40沼尻…15:40大江湿原…16:40沼山峠…17:40御池

 

「さかなクンの一魚一会」さかなクン

私は以前から、さかなクンのことを尊敬している。

魚が好き」というだけのことを、とことんまで突き詰め、その想いでご飯を食べていける地位にまで上り詰めた人物だ。なかなか、好きという想いだけでそこまでいける人はいない。

 

あの魚への愛情はホンモノだ。

彼は魚を心から愛している、真の魚人だ。半漁人…はちょっと違うか。

そんな私の勝手なリスペクトに、ある日、衝撃が走った。

ぼーっとテレビを見ていたところ(内容は全く記憶に無い)、さかなクンが釣りをしていた。さかなクンはどうやら釣りが趣味らしい。ここで、何か小さなひっかかりを感じたのだが、その後、さかなクンの口から「このお魚ちゃんはとってもおいしいですよ」との発言があり、釣った魚を食べている姿を見て、私は本当に驚いた。稲妻に打たれた様だった。ぎょぎょっ!

さかなクン魚、食べるんだ!

共食い…!?

何故か私は、さかなクン愛すべき魚を食べたりなんかしない、と勝手に思い込んでいたのだ。

名前も「さかなクン」だし、身も心も魚に捧げてしまった人で魚族に近い存在になっているので、友達として飼ったり、海や水族館で眺めているだけだと思っていた。イメージとすると、竜宮城の乙姫様みたいな感じ。乙姫様は浦島太郎をごちそうでもてなしたけれど、多分、お刺身とかは出していないはずだ。

 

いやいや、よく考えれば、そんな訳ない。一体、何故そんな思い込みをしていたのか、バカな私め。

以前、朝日新聞に掲載されたさかなクンのエッセイ「いじめられている君へ」の中でも、いじめにあっている同級生と一緒に釣りに行った、という話が書かれていたではないか。(この文章は、今は教科書にも載っているらしい)

むしろ、お魚をおいしく頂けるというのは健全な魚好きだ。お刺身も焼き魚も煮魚もおいしい。私も大好きだ。寿司ももちろん大好物。

魚が好きすぎて、サンマもサバも鮭も食べられない、なんて人はちょっと行き過ぎだなあ、と思う。でも、さかなクン行き過ぎの人の様な気がしていたのだ…。勝手に思い込んでいて、大変申し訳ない。

 

しかし、さかなクンの自叙伝「さかなクンの一魚一会」を読むと、私の思い込みに近い、幼魚期のさかなクンのエピソードが書かれている。

幼魚期のさかなクンタコに夢中になっていた。

友達のおじいちゃんがタコとり名人であると聞き、夏休みにタコ釣りに連れて行ってもらう。さすがは名人のおじいちゃんだ。見事なタコ釣りで、さかなクン念願のタコをゲット!

さかなクンは生まれて初めて見る、ホンモノのタコに飛び上がって大喜び。

すると、おじいちゃんはタコをすかさず捕まえ、胴体に指を入れて、タコの胴体をひっくり返して内臓を引きちぎり、ビシビシと石にタコをたたきつけたのだった。

「ぎゃあああああ。やめてー」とさかなクンは叫ぶけれど「なに言ってんだ、こうしなきゃ旨くなんねーんだよ」とおじいちゃんはビシビシを続行。

幼魚のさかなクンはタコに恋い焦がれていただけに、残酷でショックな出来事として、しばらく引きずったそうだ。

幼魚だとね。やっぱりね。

 

こういう体験から、「もう嫌だ」とならないのがさかなクンの凄いところだ。その後もタコへの愛情は全く冷めず、千葉のいとこの家に行き、近くの海岸でタコを探しに出かける。

いろいろ苦労して、またもやタコゲット!

今度こそ、水槽で飼う気満々で、タコをバケツに入れたまま、しばらく昼寝をし、バケツを覗いて見ると、タコはすでに白くなっており、足も力なくでろーんと伸びきったままになっている。

おばさんは「炎天下ですっとバケツの中にいたら、そりゃあタコだって死んじゃうわよ。今日はやっぱりたこ焼きパーティね」と、タコを台所に運ぼうとする。

さかなクンは「まだ生きてるもん!」とタコを海水につけてみるが、すでに死んでしまったタコの足はだらーんと伸びたまま。

結局、タコはおばさんに渡され、冷凍されたそうだ。

多分、たこ焼きになったのだろう。(そこまでは書かれていない)

 

その後、ウマヅラハギに恋したさかなクンは、料亭の生け簀で泳いでいるウマヅラハギちゃんを発見。

ウマヅラハギを飼いたいさかなクンは、お母さんにおねだりし、料亭で「表で泳いでいるウマヅラハギちゃんをください」とお願いする。

しばらくして、さかなクンの目の前に現れたのは、ウマヅラハギちゃんの活け作り…!!料亭だからね!

そのショックな姿にさかなクン思わず泣いてしまう

しばらくめそめそしていたさかなクンだったが「気持ちはわかるけど。でもこれ、もうお作りにしちゃったから食べてみなよ。ウマヅラハギの命をムダにしたくないだろ。うまいぞー」との板前さんの言葉に、お刺身を口に運んでみる。

すると、あまりのおいしさに涙はピタッと止ったという。

 

今風に言うと、食育だ。

人は魚を始めとした、いろいろな命ある生き物を食べ物にしているのだ。

やっぱり、さかなクン健全な魚好きだと思う。

魚好きが高じて、魚を食べないなんて思い込んでいたことが本当に申し訳ない。再度、謝らせていただきたい。ごめんなさい。

 

ちなみに、私も子どもの頃、スーパーで売られていたドジョウ(多分、柳川鍋とか唐揚げ用)を水槽でしばらく飼っていた。割と長生きした。

「食べるのなんて、かわいそう。うちの水槽で飼う!」という子どもの気持ちは、私もさかなクンも多分同じだっただろう。

さかなクンはそのまま魚に対する「好き」の気持ちを純粋に育てていって、今のお魚博士、大学の名誉助教授にまで成長させたのだ。やっぱり、すごい。好きこそものの上手なれ、という言葉を体現している。

私はその後、特に何かに打ち込むことも無く、ドジョウは食べるもの、という認識の普通の大人になってしまった。ちょっと寂しい…。

「これが好き」と胸を張って言えるものがあり、その好きなもののことをずっと考えたり、調べたり、そして、それを職業にできたりすることは、とてもうらやましい。

私も何かに打ち込んでいれば、今とは違った生き方をしていたかもしれない、などど夢想してみたりする。

 

ちなみに、この本は、今年の人間ドックお供本だった。(検査の合間に読む本)

とても読みやすく、ぐいぐい読んでいたので「●●番さ~ん」と自分の番号が呼ばれていることに気づかない事態が数度発生した。名前では無く、その日限りの番号で呼ばれるので、本に夢中になっていると気づかないのだ。

うーむ。分量的には最適だったのだが、ちょっとお供本には向かなかったようだ。

やはり、写真やイラストが多く掲載されていて、章立てが細かい本が人間ドックには合う。来年はまた、山ガイドとかにしようかな。

 

さかなクンの一魚一会 ~まいにち夢中な人生!~

さかなクンの一魚一会 ~まいにち夢中な人生!~

 

 

立山(2日目)~白き地獄の頂~

2日目である。今日は立山に登る。

雄山 大汝山 富士の折立を縦走し、大走りから下山する予定だ。残雪状況によっては、大走りではなく、ピストンの下山も視野に入れている。

 

みくりが池温泉にて、5:00起床。

前日、ここから日の出を見るのもいいね、などとノムさんと話をしていたが、無理であった。外に出て、空を見上げると、日はとっくに昇っていた。(日の出の時刻はだいたい4:30くらい)

天候は、雲多めながらも、まあまあ。山がキレイだ。

さすが、登山指数(?)Aである。

行けそう。

スキップでその辺を走り回りたいところだが、ぐっと堪え、小さくガッツポーズを決めるに留まる。

「極楽立山へ期待が持てそうだ。

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朝の風景。もくもくあがる煙が「地獄」の所以。

 バイキング形式の朝ご飯をいただき、準備を整えて、みくりが池温泉を出発。だいたい7:00。

室堂ターミナルで、不要の荷物をコインロッカーに預けたりしていたので、立山に向けて歩き出したのは、8:00くらいになっていた。わりと時間がかかってしまった。

でも、まだ、バスの始発が到着していない時間なので、登山客の姿はまばらである。

 

室堂山荘を過ぎると、残雪に覆われたルートが現れる。室堂ターミナルの掲示板情報によると、一ノ越までのルートの8割が残雪あり、だそうだ。

8割って、ほとんど雪ということではないか。気をつけて行こう。

そして、歩くにつれて、周りはだんだん白いガスに覆われ始める。

おかしい。この景色は2年前に来た時にも見たような気がする。

足下は残雪で、どこを見渡してもガスがただよう薄ぼんやりとした白い世界で「これが立山の地獄の世界か…」と途方にくれたような気持ちになる。

梅雨ど真ん中だもんなー。無念。晴守りの力もこのあたりが限界か。

ノムさん、確かときめきトゥナイト」の魔界って、霧がたちこめているんだよね…」

「そうだ!確か、サンドは霧になって出没するのよね!」←マニアック

そうか、やはりここは魔界か。

ノムさんと2人、同世代にしか通じないマンガの話に花を咲かせながら、だらだら歩いていると、真っ白世界もなかなか楽しい。アロン様、どこかにいないかな。

 

9:30 一ノ越山荘着。

途中、休憩を大分とったので、かなり遅いペース。まあいいのだ、マイペースで。

前回来た時は、真っ白のガスと強風により、ここから引き返した。

今回は…またもや、真っ白のガスと強風に包まれている。雨も降っていた2年前よりはましだが。

またなのー!!立山って、本当はいつ来てもガスに覆われている山なのか!

一ノ越山荘は鞍部の風の通り道にあるので、他の場所よりは強風を感じるようだ。それにしても、この先の岩場もかなりの強い風が吹いていると思われる。

山小屋の中でホットコーヒー(200円)を飲みながら、ううむ、と考えを巡らせたが、今回の答えは1つだった。

行こう、頂上目指して!

一緒に休憩していた皆さんも、みな、そのまま山を登るルートに進路をとっていた。私たちもとりあえず、行けるところまでは行ってみよう。

2連続敗退はなんとしても避けたい。行かせてくれ、おっかさん!

 

今回手袋を忘れた私は、ここで軍手(200円)を購入し、レベルアップ。素手だと、霧で手がびしょびしょになって寒かったのだ。これで岩場もどんとこいだ。

昨日、アルペンルートを巡っているときに、お土産の雷鳥さん軍手」が欲しくなったのだが、あのとき、買っておけばよかった。多分、軍手が必要になるぞ、という虫の知らせだったのに。欲望には従っておくべきだったのだなあ。

 

一ノ越山荘からの道は、むき出しの岩場だ。森林限界を突破したガレ道。残雪はない。

晴れならば、多分、最高の景色に包まれて登山ができるのだろう。

しかし、今、私たちを覆うのは白いガス…。先の見えない地獄の階段…。

風上に岩が無いと、吹きっさらしの強風にさらされ「風、つえー」とついつい大声で叫んでしまう。自然の感情の発露。叫ばすにはいられない。

でも、意外とよろけたりはしない。人間って、自分で思っているよりもしっかり大地に立てるものなのだ。

 

岩場に可憐な花が咲いていたりしたのだが、強風と戦って登っていたので「今、花に気持ちをさいている余裕がない!すまん、花!」と写真も撮らずに、ひたすら頂上を目指して登る。

何が咲いていたんだろう。下山した今はちょっと気になるが、もはやわからない。黄色いのと白いのが咲いていた…。

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白き道を登る人々。

 岩場を登ること、およそ1時間半。

11:00少し前に、ついに雄山山頂着。

ガスの水分でびしょびしょ、よれよれの汚い姿ではあったが、ついに憧れの山頂に着いた。苦労して登っただけに、喜びもひとしお。感無量!

さっそく、雄山神社のご祈祷をうける。ちょうど11時のご祈祷に間に合った。

神主さんのお話を聞いている途中、2年越しの登頂への感動がわき上がり、うっかり涙しそうになる。

立山は古くから、修験道霊場であり、もくもく煙が立ちこめる地獄と頂上からの絶景の極楽の両方がある場所とされてきたそうだ。極楽の頂上の景色は未だ見ることが出来ないが、ここまでたどり着くと、確かに極楽に上り詰めたという気持ちになる。

一ノ越で諦めないで、登ってこれてよかった。

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御朱印もいただけました

 

ご祈祷を終えて、社殿(?)を出ると、吹き付ける強風におもわず「わーっ」と声を上げてしまう。台風か!?

頂上なので、遮るものがなく、風が直接吹き抜けるのだ。

建物の中の穏やかな空気との隔世感がすごい。建物ってすごい。

 

天候もあまり良くないので、ここで折り返しかな、とも考えたが、「大汝山20分」の看板を見て、そのくらいなら行くか、と色気を出してしまい、もう一山行くことにした。

雄山は3003m、大汝山は3015mで、最高峰だというのも魅力的。

大汝山へのルートは概ね、山肌に沿ってつけられている。山がちょうど防風壁になり、雄山登頂時の風にさらされた感じとは全く異なり、かなり快適に歩けた。相変わらずの白きガスの世界だが…。

雄山神社まではそこそこ登山者もいたのだが、大汝までいかずに引き返した人が多いのか、人影はほぼない。ちょっと寂しい気持ちもするが、様々なポースを決めた写真を撮りまくったりして、なかなか楽しい。やはり、風のないルートはいいねえ。

 

12:10ころ、大汝山登頂。

大汝山の頂上は、登山道の脇にいきなり登場し、積み上げられたような岩場の上にある。とても狭く、頂上を示す看板は手書きの板だ。空に突き出た感じがあまりなく、岩に包まれたような場所で、何故か妙に落ち着く。

今回は、大汝山まで到着できた。嬉しい。

 

頂上の少し先にある「大汝休憩所」で遅めのお昼ご飯。

小屋の外でお湯を沸かし、インスタントラーメン(ミニ)を食す。

が、ここで重大問題が発生。

「しまった、箸を持ってこなかった…

うろたえる私。もうすでにラーメンにお湯を注いでしまっている。どうしよう!ど、どどどドラえも~ん(byのび太くん)

ここで頼りになるノムさんに閃光のごとくひらめきが!

「大丈夫。みくりがけ温泉パンセットの中に、魚肉ソーセージがある!これを箸にすればいい!」

考案者のノムさんによると、ソーセージの先を横に半分くらい囓り、そのギザギザの不揃い部分で麺をすくうと、良い感じだとのこと。

確かに食べられる!大内宿のネギですくう蕎麦に比べたら、格段にこっちの方が使いやすい。

窮すれば通ず!人間の英知を見た。スバラシイ。

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みくりが池温泉パンセットとラーメン。奥にあるチーカマも箸に転用できる。

楽しい食事を終え、大汝休憩所を後にする。13:15頃。

富士の折立まで30分くらいで行けるのだろうが、時間も遅くなっていたし、多分、残雪の大走りは結構辛いだろうとの判断で、ここから折り返して室堂を目指すことにした。

何より、この悪天候の中、大汝まで来られたことで大満足。富士の折立は、次に来るとき(晴天の時!)にとっておこう。

 

13:45 再び雄山。

14:45 一ノ越山荘。

ここから室堂を目指して、残雪地帯を下る。

滑るから気をつけて下ろうね」

と互いに声を掛けたが、その舌の根も乾かぬうちに、ノムさん転倒!立ち上がるが、またすぐに転倒。そして、おしりで斜面を下っていく。つるーっと。

「ノムさーん、大丈夫かー」

と私も声をかけるが、後を追うかのごとく転倒

あまりの事態に二人で大笑い。コントの様だ。

…雪道の下りは怖い。

ふたりとも、立派な脂肪に覆われているので、特段怪我は無かったけど…。

 

そして、周りは登山者の姿はほとんど無い

毎度の事ながら、下山が遅いので、周りに人がいなくなってしまうのだ。

「確か最終バスの時間が17:00くらいだよね。私たちは絶対にその前に下るから関係ないと思ってたけどさ…」

「おかしいねえ。なんで、毎回最終便ギリギリになっちゃうのかねえ」

それは、計画の立て方が甘いからだろう…。あと、必要以上にアホ写真撮ったりして遊んでいるからだろう…。

わかっちゃいるけどやめられない(by植木等)いや、ご利用は計画的に!だ。

 

室堂手前、一日あたりを包んでいたガスが少しだけ晴れ、振り返ると、今まさに登ってきた立山が姿を現した。

がんばった。上にいるときは真っ白地獄だったけれど、本当にあの場所に立っていたのだ。

下ってしまうと、嘘のように感じるが、ザックの中には、頂上でもらったお札も入っている。やったなあ、私。

最後の残雪地帯も楽しい気分で越え(転倒は最初のところだけで、後は大丈夫だった)室堂に到着した。16:00

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少しだけガスが晴れた時。立山方面の写真ではないが…

 

室堂でロッカーから荷物を取り出したり、雄山神社の古い社殿を見物したりした後、バスに乗ろうと乗り場に行ったところ

「今、16:20のバスが出たので、次は最終の17:05です」

…結局最終バス…。

まあ、乗れないわけじゃないからいいか…。

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オコジョさん軍手。結局、室堂で購入した。らぶりー

<コースタイム>

8:00室堂…9:30一ノ越山荘…11:00雄山(30分休憩)…12:10大汝山(お昼ご飯1時間)…13:45雄山…14:45一ノ越山荘…16:00室堂

立山+黒部ダム(1日目)~極楽のアルペンルート~

今年の梅雨前線はどうしたことか。

確かに毎年、7月頭までは日本では梅雨だ。梅雨なので、当たり前だが雨が降りやすい。

そのことを承知はしていたのだが、「梅雨といったって、毎日雨が降るわけじゃ無い」「7月に入れば明けている可能性もある」「それよりも圧倒的に、みくりが池温泉の予約が取れる日を優先しよう」と、今回の立山行きを決定した。

今回は山の相棒、ノムさんと行く。ノムさんは晴れ女なので、予約の段階では「多分、大丈夫だろう」とかなり楽観的な気持ちだった。

頼みの綱、晴れ守もある。きっと晴れる!

私は2年前にも立山に行っているのだが、その際は悪天候(雨+強風)の真っ白地獄により、途中下山した。

「今度こそは、絶対に晴れの日に、最高の景色の中、頂上に立つ!」という並々ならぬ気合いがあり、だからこそ、今回は晴れるに違いない、という妙な確信があったのだ。同じ事は2度は続かないはずだ。

 

しかし、6月下旬からとにかく毎日雨、雨、雨。太陽が全然顔を見せない。

恨みを込めて、我がG県の空を眺めるが、灰色の雲がどよーんと重く垂れ込めていて、赤城山の姿すら見えない。

ものすごく梅雨だ。晴れの気配が見当たらない。

どこの天気予報を見ても、雨がずっと続きます、と気象予報士が口を揃えている。

ピンポイント予報でアルペンルートの天気予報も毎日確認していたが、ちょこちょこ変わりはするものの、概ね、曇りと雨。

梅雨前線がちょっと北に行くか、南に行くかで予報がどんどん変わるらしいが、晴れマークがつくことはほとんどなかった…。

 

もう、これは腹をくくるしか無い。とりあえず、行ってみる。

行ってみて、登れなければ、黒部ダムみくりが池温泉で満足すればいい、と自分に言い聞かせた。でも、本当にそうなったら、涙が出ちゃう…女の子だもん。(byアタックNO1)

一応、念を入れて、今回の登山に備えて、カッパを新調した。備えよ常に、はガール●カウトモットーなのだ。

 

1日目の行程は、長野側の扇沢からアルペンルートに入り、黒部ダムを見学して、室堂のみくりが池温泉泊だ。

2日目に立山に登り、そのままアルペンルートを富山側に抜ける予定。

まずは、扇沢から黒部ダムまでは電気バスで行く。

2年前に来た時は、この区間トロリーバスだったが、今年から電気バスに変わったらしい。購入したアルペンルートの切符に「電気バス元年」と書かれていた。

なるほど、乗り物もどんどん変わっていくのだなあ。でも、ヘッドマーク関電マークは変わらずそのままなのがいい。

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電気バス元年。公道を走らないから、ナンバーはいらないのだろう。

 バスを降りて、ひんやり寒い隧道を抜けると、そこは大迫力の黒部ダムだ。

なんと、天気は良好!扇沢ではどよーんとしていたが、山を越えたら、ちらちら青空すら見えるではないか!

ダムの向こうに残雪の立山連峰がくっきりその姿を現している。

明日、あの山の上まで登るのだ。すごいな、本当に行けるのかな。

やはり、今回、天気は大丈夫な気がする。

期待に気持ちが盛り上がり、ザックにくくりつけた晴れ守を「頼むで!」という気持ちを込めて、しっかり握りしめた。

 

黒部ダムはこの時期、観光放流中で、美しいアーチ面の2カ所から、水が勢いよく噴き出している。

大迫力だ。 

さすが、観光を意識して作られており、間近で見られるレインボーテラス、堰堤と同じ高さで見られる水観覧ステージ、上から一望できるダム展望台が設けられていて、放水をいろいろな高さから観覧できるようになっている。

レインボーテラスからダム展望台までは、鉄の階段が設置されていて、だいたい距離にして350m登りっぱなし。

辛い…!!

荷物をすべて背負っているので、かなり重い。

「まさか山を登る前に、こんな試練があるとは…!!」

「なんで、ロッカーに荷物を預けるという選択肢を忘れていたのだ!?」

まわりの観光客の皆さんは、荷物が軽いからだと思うが、それほど辛そうな様子を見せずに登っていたが、私たちだけは、ぜーぜー息を切らしながら登った。

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レインボーテラスから。その名の通り、虹がかかってました。ビバ!

 

名物、ダムカレーハサイダーを食し、資料館でダム建設の歴史のビデオに感動し、(昭和調のナレーションがイイ)黒部ダム、大満喫。多分、2時間以上うろうろした。

くろよん(黒部第4ダムの略称)、すごい。

莫大な建設費と多くの殉職者を出した、この事業の是非について、意見はいろいろあるだろうが、とりあえず、近いうちに黒部の太陽」(石原裕次郎版)を見ようと心に誓った。

ついでに、2年前に学習したので、今回はダムカードもスムーズに入手した。(売店のレジで声を掛けると貰える。案内看板などは一切無いので、少しだけ勇気が必要

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立山とダムカレー

黒部ダムを後にすると、アルペンルートの様々な乗り物が次から次へと登場する。

黒部湖から黒部平まではケーブルカー

黒部平から大観望まではロープウェイ

大観望から室堂まではトロリーバス

どの乗り物もなかなか楽しいが、一番の見所は、間に支柱が一本も無いロープウェイだろう。

空中にぷらんと放り出されるような、やや心細い気持ちにさせるが、まわりは圧倒的なアルプスの山並みの絶景に囲まれている。

開放感というのか、なんとも言えない不思議な気持ちになる。下界では味わえない。

若干雲が出てきたが、まあまあの天候で、絶景を堪能。

行ける。今回は頂上まで登れる。

何か、確信に満ちた気持ちが私の胸にわき上がってきた。単なる願望なのかもしれないが…。 

 

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ロープウェイ乗り場。

パンタグラフで電気を供給して走るトロリーバス(日本ではここでしか走っていない)を下りると、立山登山のお膝元の室堂に到着だ。

かなりの残雪。さすが北アルプスだ。

かなりガスが出てきていたので、雪と相まって、周りが全体的に白い。

雪を背景にスマホ(アイちゃん)でノムさんと写真を撮ったが、アイちゃんは勝手に、撮影地を立山山岳スキー場」と判断してくれた。(GPS機能)

スキー場に来たわけでは無い…。アイちゃん、グッジョブ。

 

残雪地帯の遊歩道をてくてく歩き、本日の宿泊地の「みくりが池温泉」へ向かう。

すると、途中でやたら人が集まっている場所がある。

「なんだろう?団体さんかな?」

と近づいてみると、

雷鳥さんご一家登場!

どっしり構えたおかあさんの周りをヒナ鳥がちょろちょろ動き回っている。

かわいい!!

雷鳥人に嫌なことをされたことがないので、全然人を怖がらないんですよ」と自然解説員さんっぽい人が教えてくれた。

ありがとう、先達!雷鳥に嫌なことしないでいてくれて。

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雷鳥さんご一家。

ものすごいラッキー!と感動したが、その後、他の場所でも雷鳥さん一家に遭遇する。

意外と、雷鳥さんはふらふら出没するみたい…。(曇りの日が最も出没するらしい)

しかも、全く人を気にしていないので、ずっとその場所に留まっている。長っ尻。

雷鳥さん、近くまで出没してくれるのは嬉しいけど、そんな警戒心がなくて大丈夫なの!?

「自分が人気者であることを知った上の行動っぽいな。サービス精神旺盛なアイドルなのか!!

3000羽くらいしかいない希少な鳥さんらしいが、この日について言えば、あまり希少感がなかった…。意外と気さくな感じ。現代風の会いに行けるアイドルっぽい雷鳥さんも時代に合わせているのか?

 

室堂に降り立った時点では、かなりガスっていて、「やはり真っ白地獄なのか…」と肩を落とす天候だったが、みくりが池手前にさしかかると、まるで奇跡のように、みるみる霧が晴れ、立山三山がくっきりと姿を見せてくれた。

池が鏡となって、山を移している。

観光ガイド本などで「行ってみたい!」と私を魅了した、あの景色そのまま。

魔法のように霧が晴れた!

「いつ写真撮るの?」「今でしょ!

囃子(仮)先生、ありがとう!」(お礼を言う相手が違う、と今気づいた)

大興奮して、写真を撮りまくる。近くにいた登山者(?)の方も「おお!」と歓声を上げて一眼レフを構えていた。

嘘みたいだ。いきなり、晴れるなんて。

ノムさんの晴れ女パワーが遺憾なく発揮されているのか。

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みくりが池。雲間に青空が。

その後、みくりが池温泉に荷物を置いて、あたりを散策していると、どんどん天候が良くなり、周りの山々がくっきり。

Beautiful!Amazing!Thank Godness!

感動を思いっきり表すと、西洋人風になってしまう。日本人の私はシャイだから。

 

エンマ台(地獄谷展望台)のベンチで周りの景色をぼーっと眺めて過ごす。

すごいところに来ちゃったなー。

ノムさんは「くちぶっえはなぜ~♪」とハ●ジの主題歌を口ずさんでいる。ヨーロレイヒー♪

ハ●ジでしか知らないけど、きっと本場のアルプスもこんな感じなんだろう。

空を見上げると、不思議と、私たちの上だけ帯のように青空が広がっている。

「私のパワーでここだけ晴れ!」

「いや、ノムさん、もしや、近くに修●がいるのでは…?

「ヤツか…!日本一の晴れ男の、ヤツが来ているのか!!」

ヤツのパワーかどうかはわからないが、立山の極楽を全身で感じることができた。ありがとう修●!

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えんま台。山の奥には剱岳(多分)も!

みくりが池温泉に戻り、ご飯をいただいていると、外は雲海と真っ赤な夕焼け。

夕焼けの翌日は晴れるというのが定番なはずだ。

行ける!今回は行ける!梅雨ど真ん中だけど、なんか行ける気がする!

受付に張ってあった天気予報によると、午前中の登山指数(?)はAになっていた。

前回の真っ白地獄を返上して、ついに3000超えの雄山神社青空極楽に包まれる日がやってきた。

確信に近い晴れへの期待を胸に、温泉でほかほかした体を横たえた。

みくりが池温泉、とてもいいお湯だった。山の上でこんな贅沢ができるなんて、まさに極楽だ

明日は頑張って登るぞ!

(2日目に続く)

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みくりが池温泉の晩ご飯。ホテル並みにおいしい。

 

「冒険図鑑」さとうち藍 松岡達英

少し前に地元の図書館に行った際、棚に懐かしい本を見つけた。

冒険図鑑」である。

私が小学生だった●十年前、読んでいた本だ。確か、山好きの父親が買ってくれた。

児童書はベストセラーになると、長い期間ずっと売れ続けるらしい。小学生だった、私がおばさんになっても。(by森高)

この本も、多分そうだ。

子どもの心をキャッチする何かは、時代が変わってもあまり変わらないものなのだろう。

いつの時代も「冒険」というタイトルで、わくわくしない訳がないじゃないか。

 

帰宅して、早速本棚の奥をあさると、若干黄ばんだ状態の「冒険図鑑」を発見した。(ついでに「自然図鑑」と「遊び図鑑」も発見)

懐かしい。物持ちの良い自分に感謝だ。

いろいろなイラストが詰め込まれた表紙のデザインが、博物館の標本みたいで、アカデミックな雰囲気を漂わせていて、「この本、やっぱり好き!」と興奮し、小学生当時の様に、ぱらぱらめくって、つまみ読みをしてみる。

松岡達英さんの絵、細密で線が美しく、変なデフォルメがなくてステキだ。

 

「冒険図鑑」は子ども向けのアウトドアのあれこれ、が書かれた本だ。

ちなみに対象年齢は「少年少女~大人まで」だ。ほぼ全世代。「少年少女」という言葉のチョイスに福音館書店さんのセンスを感じる。ステキ。

内容は子ども(小学生から高校生)のグループがキャンプをするにあたって、必要な知識を紹介、といった体をとって、準備、テントの建て方、料理の仕方、危険への対応など、様々な知識がぎゅうぎゅうに詰め込まれている。

見開き1ページが、1項目の読み切りスタイル。読みやすい。

小学生当時は、本を適当に開き、その箇所だけ読む、といったスタイルでぱらぱら読んでいた。

今なら、トイレで読んだりするかもしれない。あとは、人間ドックのお供本とか。

 

読み返してみて思ったが、かなり高度な内容もある、と思う。

私が全くできない「地図上で自分がどこにいるか」を判別する方法や、天気図の読み方から雪山で遭難した時のための雪洞の堀り方など。

かなりガチだ。

昨今のキャンプブームで使用されるハイスペックな道具は登場しない。

かまどは石などを利用して作るし、薪は自分で拾い集め、テーブルや椅子も自分で作成する。テントは昔ながらの家形テントだ。(他の形も紹介されている)

ついでに、マッチやライターを使用しないで、きりもみ式や弓切り式で火をつける方法も紹介されている。(ちなみに私は、弓切り式で火をつけて、前髪を燃やしたことがある…)

アウトドアというよりサバイバルという言葉が似合うかもしれない。

子ども向けの本だが、「子どもだからって容赦しないよ」という、真剣さが伝わってくる。だから、読む方も「はい、先生!」とまじめにじっくりと読まなければならない気持ちになる。

当時、ガールスカウトだった私は、家形テントを建てたりする、この本に近いキャンプに行っていたが、かまどはキャンプ場作り付けのものを利用したりしていたので、ここまでガチのキャンプには行ったことがなかった。

本格的なキャンプはすごいな~、とかなり真剣に読んでいたものだった。

 

なかでも、小学生だった私が真剣に読んでいたのは「野外でのトイレ」だ。

冒険図鑑のイントロダクション部分のマンガでは、キャンプ地に着いた直後に、リーダーのともあき(高校2年生)が「まずトイレを作るか」と言い、地面に穴を掘る

わーお、本格的なキャンプはトイレも自分で作るのか!

小学生当時の私には衝撃だったのだ。

もちろん、ガールスカウトでも、トイレを自分で作るキャンプには行ったことがない。快適とは言いがたいが、きちんとトイレが設置されている場所でキャンプをしていた。

冒険図鑑で紹介されている手作りトイレは、こんな感じだ。

 

まず、20センチくらいの深さの穴を掘る。

穴の周りに布を貼って目隠しにする。

臭い対策に杉の葉を敷き詰めたりする。また、使用後にかける土も脇に用意し、手洗い用の水をバケツにくんでおく。

トイレットペーパーは木に刺して使いやすいようにし、足起き用の木を穴の横に設置。

使用中、あき、が両面に書かれた札を用意するとさらによし。

ちなみにキャンプ終了後はしっかりと埋め、後のキャンパーのために、トイレだったことがわかるように、トイレの札を残して置くとよい、とされている。

かなり細やかに気を遣っているトイであるが、結局は野に掘った穴で用を足す、というだけのものだ。

なお、さりげなく「紙がなくなったら木の葉を使う」などと添え書きされていたりもする。

本当にアウトドアだ。日本語にすると野天だ。

小学生当時の私は「こういう場面になったら、絶対に必要な知識だから、トイレの作り方だけはしっかり覚えておこう」と何度も繰り返して、図解された手作りトイレを眺めていた。

この知識は、いずれ災害時とかに役に立つかもしれないので、今後もしっかりと覚えておこう。再読して、さらに強く聞く心に刻み込んだ。

正直にいうと、「冒険図鑑」の内容で覚えていたのは、トイレの作り方だけだった…。なんだろう、私はトイレに対する関心が人よりもかなり高いような気がする…。なんとなく隠しておく部分だからこそ、「みんな本当はどうなのよ!?」と気になって仕方がないのかもしれない。我が事ながら、やっかいな性格だな、と思う。

ちなみに、登山時には携帯用トイレを持って行っているので、今のところ、それで間に合っている。いずれ、お花を摘みに行く時もあるのだろうが…。

 

ここまで書いて、緊急時のトイレ対策として、ふと思い出したことがあるので、備忘のためにここに書いておく。

私が韓国へ旅行した時のことである。かなり前だ。

私と友人はショッピングモール(?)のようなところに入っている、ロッ●リアでコーラを飲んで休憩していた。(具体的にどこだったのか、すでに記憶は曖昧…)

コーラを飲み干し、しばらく「韓国のり、お土産に買う?」などど話していると、小さな子どもを抱いた女性がやってきて、私に話しかけた。

「(ハングル)?」←すみません、韓国語の知識が無く、文字で表現できません。

突然、女性に話しかけられ「…えーっと…」と、日本語でつぶやくと、女性は、何だ日本人かい、と理解したようで「ソノコップ、クダサイ。コドモノトイレニシマス」とかなんとか、一応日本語で話かけてくれた。(韓国の方は日本語が話せる人が多かった)

彼女の視線は私の前に置かれたコーラの空き容器に注がれている。

…これ?捨てるだけだから、あげてもいいけど、何に使うの?

子どものトイレ…!!

「ど、どーぞ!!」

と、すぐさまご要望にお応えして、空き容器を差し上げると、女性は「アリガトウ」と足早に去って行った。

子どものトイレ…。

韓国では、紙コップで緊急避難するって、ポピュラーなやり方なのか!?というか、ここはショッピングモール(?)だから、近くにトイレあるんじゃないの?

友人と「今回の旅行、最大のカルチャーショックかもしれない…」と語り合った。

日本でも、高速渋滞中の車中なんかだと、この方法をとることもあるかもしれないが。(子持ちの友人によると、車中には子ども用携帯トイレを常備しているので、それを使う、とのことだった。日本でもありか?)

町中の緊急時には、「冒険図鑑」で仕入れたトイレ作成方法はあまり役にたたない。むしろ、韓国旅行で得た知識が役に立つ。まあ、男子限定だけど…。

 

最後にひとつ、「冒険図鑑」を再読して気になったことを書いてみる。

この本は1985年初版なので、だいたい35年前に書かれた内容だ。相当前だが、読み返してみてもあまり古さは感じない。アウトドアは自然相手なので、そんなに大きく変わることはないのだろう。

だが、時々「おっ!」という、時代を感じさせる記載がある。

「下着を選ぶ」での記載。

ラクダのシャツがいい。お父さんの小さくなったものをもらおう。長いときは切る。

ラクダのシャツ!わーい!!

今日日のお父さんは、多分、着てない。

現在、書店で売られている版にもこの記載のままなのだろうか。非常に気になる。

今度、大型書店で見つけたら、必ず確認しようと心に決めた。

(ついでに「ヤッケ(ウィンドブレーカー)」の記載も変わっていないか、確認したいと思う。

  

冒険図鑑―野外で生活するために (Do!図鑑シリーズ)

冒険図鑑―野外で生活するために (Do!図鑑シリーズ)

 

  

自然図鑑―動物・植物を知るために (Do!図鑑シリーズ)

自然図鑑―動物・植物を知るために (Do!図鑑シリーズ)

 

 こちらも結構楽しい。小学校の授業で「植物図鑑を持ってきなさい」と言われて、この本を持って行き、全然役に立たなかったことを覚えている…。分類方法が違ったので。

赤城山~すでに真夏~

5月下旬、私はまた赤城山(黒檜山)の登山口に立っていた。

12月にも登ったが、あの時は冬で、とても寒かった。今はとても暑い…。5月とは思えない暑さだ。下界は軽く30度を超えた真夏日である。

季節はあっという間にめぐるものだなあ、と感慨深い。

それにしても、5月で真夏日めぐり過ぎでは無いか!?天気予報では「体が暑さに慣れていないので、熱中症に注意してください」と言っていた。

熱中症

もう、その単語を耳にするとは…。でも、本当に気をつけよう、と普段はあまり買わないア●エリアスを購入した。対策は万全だ(?)

 

今回は、赤城山の最高峰、黒檜山から駒ヶ岳への縦走ルートを選択した。

今回同行のノムさんとは数年前、登山若葉マーク時代に、同じルートで登った。

お互いに「次の日の筋肉痛はハンパなかったねえ…」「がむしゃらだったからねえ…」と、過去を振り返って苦笑い。足ぱんぱんだったなあ…

今回は、そのときの教訓を胸に、マイペースで楽しい登山を目指すことを誓う。

 

それにしても、この時期の赤城山は登山者であふれかえっている。驚くべきことだが、大沼湖畔の駐車場(広い)が満車!私、何度も赤城山に来ているけれど、この駐車場が満車だったの、初めて。

急に赤城山の魅力にみんなが気づきだしたのだろうか?いや、もともと大人気だったけれど、私たちが、たまたま空いている日に行っていたのか…?

真相はよくわからないが、何にせよ、ふるさとの山に活気があるのはいいことだ。ちょっと嬉しい。

 

大洞駐車場が満車だったので、その近くに車を駐め(駐車場は周辺にたくさんある)、黒檜山登山口まで車道を歩く。途中、赤城神社を通過。

大沼にお行儀良く並んでいるスワンボートがかわいい。暑いけれど、良い天気でよかった。やっぱり、気象神社で晴祈願した御利益かもしれない。

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スワンちゃんは観光地の定番。

10:00 登山口に到着。

やや、ゆっくり目のスタート時間だが、これから一緒に登山を始める人たちがたくさんいた。心強い。一緒に頑張って登りましょう、と心の中で熱く挨拶をする。

 

黒檜は赤城山の最高峰である。

そして、他の峰に比べて、一番がっつり登る山である。

最初からまあまあな登りだが、猫岩を過ぎたあたりから、樹林帯の中、岩がゴロゴロした、かなり急な道となる。

忘れていたわけじゃないが、改めて「そうだ、黒檜って、結構キツい登りだった」ということを思い出す。ノムさんも「冬の不摂生が…」と消極的にキツさを訴えている。

真夏並の気温も手伝い、登りはじめから汗がにじむ。いや、にじむどころではない。

おそらく、ザックを下ろせば、Tシャツがキレイに汗で染まっているだろう。夏山の風物詩…?でも、本当はまだ5月だ。夏ではないはずなのだ。

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猫岩付近から。大沼もまだ近い。

こまめに休憩を取って、水分補給。

すると、必然的に後ろから登ってくる登山者の皆さんは「こんにちはー」と声を掛けつつ、私たちを抜いていく。

その後、休憩を終えて歩き出すと、先ほど私たちを抜いていった方達が休憩を取っているので、やっぱり必然的に「こんにちはー」と声を掛けつつ抜いていくことになる。

このラリーは何度も続く。みな、思い思いの場所で、こまめに休憩を取っているので、そうなっちゃうのだ。

抜きつ抜かれつのデットヒート(?)を何回も繰り返すと、だんだん「こんにちはー」と声を掛けるのが、なんとなく恥ずかしくなってくるのは何故だろうか?

「あ、どうもー(また会いましたね)」という感じの挨拶から、アルカイックな笑顔+会釈へとだんだん挨拶レベルが下がっていってしまう。まあ、いいよね、お互い様だし。

 

ちなみに、この時、胸におおきなゾウがプリントされたTシャツを着ていた方に颯爽と抜かれたので、ついうっかり、「マ●ートさん、早いなあ…」と声に出してつぶやいてしまった。

なんとなく親近感が湧いて、勝手にニックネーム。いつもなら、心の中だけなのだが、暑さのせいか、この時は声にまで出してしまった。思いついたことをすぐに口に出してしまうのは年をとった証拠か…。

追加情報。

私の発言を聞いたノムさんは「私もマ●ートさん!」と胸を張ったので、「私はモ●ベルさん!」と主張を返してみた。

2人とも、山レベルが上がっているので、かつての若葉マークの頃のように、ユ●クロの綿Tシャツからは卒業している。成長を実感できた瞬間だ。感慨深い。

 

暑さとそれに伴う疲労感に苦しめられながら、なんとか急登を登り切る。登り切ってしまえば、頂上までは、つかの間の穏やかな道だ。

「この頂上にいたる平らな道は、心が躍るね~」

「早く着かないか、わくわくするね」

とラストスパートを心穏やかに歩く。

「決めた!この道を私はビクトリーロードと名付けるよ!

 達成者が勝利の余韻に浸って歩く道、という感じだ。音楽を流すなら、ロッキーのテーマソングのイントロ。

私の目には、そこにはない赤いカーペットが見えている。

…テンションが上がっていると、しょーも無いことを、ものすごく楽しいことのように言ってしまう癖が私にはあるような気がする。

一緒にいたノムさんもテンションがあがっているからいいか…。

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ビクトリーロード。人がいなくなるのを待って写真撮った。

 

11:40 ビクトリーロードを通って、ついに頂上到着。

看板で写真撮影だけして、すぐに看板に書かれている「絶景スポット2分」へ向かう。

12月に登ったばかりなので、お昼ご飯休憩の場所は、絶景スポットの方が適していることは勉強済みだ。

今日は天気が良いので、絶景スポット、本当に最高に絶景!

まだ雪が残っている上信越国境の山並みが周りを取り囲んでいる。圧巻の美しさだ。

私たちだけではなく、周りの登山者のみなさんも「おおー」と自然と歓声が口をついてしまう。

至仏山、燧ヶ岳、谷川岳

まわりの皆さんが口々に山の名前を言い、指さしているので、私たちにも、どれがどの山なのかだいたいわかる。

次はあの山に登りたいなー」などと、多分、みんな考えていることは似たようなものだろう。

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絶景。みんな、このために登ってきた!

 12:30 お昼ご飯を食べて、次なる駒ヶ岳に向けて絶景スポットを後にする。

10分位で御黒檜大神の祠に到着。お参りはきちんとさせていただく。

日本には頂上に祠などがない山は無いのではないか。昔の修験者は宗教家であるというよりは登山家だったと言ってもいいんじゃないかなー、と思ったりもする。

かつて、このルートを私はスニーカーで登ったが、昔の日本人は草鞋で登ったのだ。岩にぶつけたら、直で痛かっただろうに、すごいものだなあ。

 

駒ヶ岳へのルートは概ね階段での下りである。ずっとずっと階段…。

途中、息を切らして階段を登っていく登山者の方とすれ違う。階段、辛そう…。

でも、12月に登った時、それほど辛く感じなかったので、実際に登ってみれば、なんてことはないのかもしれない。

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階段は続く

ひたすら階段を下りまくると、大だるみに到着。13:25

ここから、駒ヶ岳に向けての登りが始まる。下ってまた登る…。

また登るなら、下らなくていいじゃん!という気持ちになるが、そういうわけにはいかない。

ばっち来い、駒ヶ岳という気持ちで気合いを入れて、坂を登る。黒檜への登りに比べたらかわいいものだ。

 

13:45 駒ヶ岳、到着。

駒ヶ岳山頂はそれほど広いわけでは無く、たまたま団体の皆さんが先着でいたので、しばし待つ。山は譲り合いだ。

山頂からは見晴らしも良く、小沼がキレイ。黒檜の絶景スポットとは反対側(関東平野)が見渡せるので、ちょうど良い。

このあたりでは、ミツバツツジ(多分)がちらほら咲いていて、ピンクの花が鮮やか。

実はちょっと期待していた、赤城山目物(?)のヤマツツジは全然咲いていなかった。(時期が早かったらしい) 

この日はヘンテコに真夏日で暑いけれど、季節はあくまでツツジも咲いていない春なのだ。体感的に納得しづらいが…。

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駒ヶ岳山頂。ナイスビュー

駒ヶ岳を過ぎれば、後は本当に下るだけ。

時折現れる鉄の階段をカンカンと靴音を鳴らして下界へと下っていく。鉄の手すりを持っていると、「日陰だと冷たくて気持ちいい」ということに、今更ながら気づく。日光ってやっぱりすごい。

途中で、就学前の十数人の子どもたちを引率したグループとすれ違う。子ども会とかかな?

子ども達は元気いっぱいだ。中には走っている子もいる。さすが、体力の塊だ。

「今日は本当に暑いですね」と、挨拶を交わす。

引率の方は、結構辛そうであった…。やはり大人の方が早めにバテる…。

 

このあたりで、暑さと疲労とで、足が自分が思っているよりも上がっていない現象が発生し、時々躓きそうになる。

ずっと下っているせいか、膝もなんとなくガクガク。

所謂、「膝が笑う」という状態だ。下りが続くとやっぱり辛い。

ふいに、そういえば「山笑う」は春の季語らしいけれど、どんな感じなんだろう?という疑問が浮かぶ。

多分、今の、真夏と言っても過言ではない状況の山とは違うだろうな。語感がさわやかだし。

などと、どうでもいいことを考えながら、山道をどんどん下りていくと、車の走る音が大きく聞こえるようになり、あっという間に登山口到着。

 

14:45 本日の行程終了

ほぼ真夏だったので、汗だくだ。

汗でびちょびちょになりながら、コーラをぐいっと飲む。達成感が最高に気持ちいい。

夏の山はこれがイイ。

図らずも夏山の前哨戦のようになってしまったが、夏に向けて、いいスタートを切れた感じだ。

今年もいろんな山に行けるといいなあ。

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春の証(?)山桜でしょうか?まだ咲いてました。

<コースタイム>

9:30駐車場…10:00黒檜登山口…11:40山頂…11:45絶景ポイント(お昼休憩45分)…12:40御黒檜大神…13:25大だるみ…13:45駒ヶ岳…14:45駒ヶ岳登山口

「あした、山へ行こう!」鈴木みき

何事もスタートする時には初期投資が必要だ。

登山を始める時にも、登山道具を揃えるべし、と色々な入門書に書かれている。そして、その道具は登山道具専門店に行って、店員のアドバイスの元、揃えるとよい、と判で押したように、どの本も書いている。

 

登山用の道具はハイスペック。頑丈、防水、軽量など、さすが!の機能性を備えているものが多い。山は危険と隣り合わせの場所なので、性能がよいものが必要なのだ。

しかし、その分お高い。

手元にある入門書に掲載されている、登山の三種の神器の1つであるカッパのお値段は、上下セットでだいたい25,000円から。ファストファッションが定着した現代の日本ではかなり躊躇する値段だ。

靴やザックやその他諸々、山に行くの、初めて〜、という人が、一式揃えようとすると、6桁まではいかないものの、相当な金額になってしまうと思う。

ハードル高すぎ!と思うのは私だけだろうか。

これでは簡単に友人を登山に誘うこともできない。

「山に行こうよ。道具に5万円以上かかるけどね」なんて気軽に言える人がいるだろうか…。

 

そんな時、鈴木みきさんの「あした、山へ行こう!」を読んだ。

サブタイトルに「日帰り 「山女子」のすすめ」と銘打っているとおり、女性向け登山入門のコミックエッセイだ。

入門書なので、当然、登山道具紹介のページもある。他の入門書同様、押さえるべきところを押さえた道具紹介になっているのだが、「私は、まず家にあるものを探してみました」「(日帰り登山なら)山用じゃなくてもいいんじゃないかなー」などの発言が随所にちりばめられており、私は「おお…!!」と大きくうなずいた。

私も最初、家にある適当な道具で山に行っていたのだ。

 

数年前、山登りらしきことを始めたきっかけは、友人キキちゃんの一言だった。

「富士山登ったので、登山道具一式揃えたけど、その後、一回も使ってない

キキちゃんは私とは異なる人種、「形から入る」人だった。しかも、ちゃんと登山用具専門店で「富士山に行くので、必要な道具一式見繕ってください」と言って購入したそうだ。

すごい…。

私は鈴木みきさんと同様、登山用具専門店は「ここは玄人が来る店だぜ」と言われそうな気がして、こわくてなかなか入れなかったタイプだ。(念のために申し添えるが、入ってみたら、全然怖くなかった)

そして、購入後、何度も使うかどうかわからない趣味の道具に高いお金を払いたくない、という初期投資の出来ないドケチ人間だ。

キキちゃんの発言に「一式揃えたのに、使ってないなんて、もったいない!そうだ、一緒に尾瀬に行こう!」とついつい口走ってしまったのだ。(尾瀬は地元なので、すごく前に行ったことがあった)

他人の初期投資にまで、もったいない精神を発揮してしまう私。

だって、具体的な額は聞いていないけど、相当な額だったに違いないよ。それを富士山たった一回しか使わないなんて…。

それにしても、こんな真逆な性格で、私とキキちゃんはよく長年友情を保っていられるものだな。みんな違ってみんないい。(by金子みすず

 

そんな成り行きで、キキちゃんを我がG県にお招きして、尾瀬に行くことになったのだ。

キキちゃんは登山フル装備だが(何しろ富士山用の道具だ)私は山道具率ゼロ。アンバランスな2人組だが、お互いにマイペースなので特に気にしない。

私は尾瀬に行くことになったからと言って、何ひとつ道具を買ったりしなかった。キキちゃんみたいに、その後、一度も使わなかったらもったいないから。←ドケチ。

私の基本装備は、コ●バースのスニーカーコンビニのカッパ(上下一体型)、ユ●クロのザックだ。すべてうちにあった。

服装も、登山始めたての鈴木みきさんと同じく綿のTシャツに、チノパンを合わせて、帽子や靴下はいつも使っているもの。

本当に低装備。山をなめくさった格好である。

でも、基本的に平らな木道をてくてく歩く尾瀬ならば、この装備で十分なはずであった。

雨さえ降らなければ…。

 

何度も書いているが、私とキキちゃんは強力な雨女である

この時の尾瀬も、やはり雨であった…。日程は山小屋泊の1泊2日だったが、両日ともずっと雨…。

 

 雨なので、当然、カッパを装着する。キキちゃんはゴアテックスだが(さすが、山道具専門店で購入しているだけのことはある!)私はコンビニのビニールカッパだ。

 まわりの諸先輩方の視線が痛い。

作中で鈴木みきさんは、軽装登山で、「山をなめてる」という白い目にさらされた、というエピソードを紹介しているが、この時の私ほどでは無かったであろう、きっと。

「あのこ、あんなカッパで…。全然、山のことを知らないな。ダメだねえ…」と、突き刺さるような視線を浴びまくった。コンビニカッパは、諸先輩方の信頼度は限りなくゼロに近かったのであろう。

今ならわかる。すみません、当時、本当に初心者以下だったので。

ちなみに、泊った山小屋の下駄箱で、皆のトレッキングシューズに囲まれて、私のコ●バースは異彩を放っていたことも付け加えておく。

 

それでも、当時のペーペーな私は割と楽しく雨の尾瀬を歩いていた。キキちゃんも「夏が来れば思い出す~♪」とご機嫌に鼻歌を歌っていた。

コンビニカッパでもちゃんと雨を防いでくれるし、コ●バースでも足が痛くて歩けなくなったりしないし、私にはこれで十分だ、と満足してたのだ。

しかし、尾瀬沼湖畔の山小屋でカッパを脱いで、休憩した時である。

私は「いっぱい歩いたから、のど渇いた!炭酸だ、炭酸!」と、いそいそとコーラを買って「くはーっ!染みるぜ!」と飲み干した。

コーラ片手に「ニッコウキスゲキレイだったね」などど、キキちゃんとしばらく話していると、何だか冷える…。寒くなってきた…。

透湿性の無いコンビニビニールカッパで尾瀬を歩き回ったので、カッパの下は汗でびちょびちょ。カッパを脱いで、外気に触れたので、一気に体温を奪われたのだ。気化熱って本当にすごいな、と妙に感心する。

このままでは寒さに負けてしまう、と思いすぐにカッパを再装着。湿ってるけど、暖かい…。

その後、カッパを脱ぐこと無く、登山口に帰着した。

 

山道具率ゼロ装備でも大丈夫ではあったけど、やっぱりコンビニカッパはやめた方がいいかもしれない。

この実感を元に、その後、キキちゃんと屋久島に行った際に、ようやくカッパを買ったのだった。(でも、実はそれは数年後。それまではコンビニカッパを愛用)

ちなみに鈴木みきさんも「まずはカッパを買いましょう」「透湿性のないビニール素材はNG!」と書かれている。…おっしゃる通り。

でも、家にあるものから始めればいいのよね。作中で、お母さんの「メーカー品のレインコート」でも大丈夫、とひっそり書いているし。

 

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当時の写真。ニッコウキスゲの時期でした。


 その後、登山が本当に楽しくなったので、靴を買い、ザックを買い、帽子を買い、靴下は山用のふかふかだし、Tシャツは速乾性のポリ素材になっている。

もはや、諸先輩方に白い目で見られることもない。むしろ、時々、サンダルとかで登山をしている人を見かけると「ひゃー」と見てしまうようになった。さすがの私もサンダルでは登っていなかったぞ。

しかし、実は未だに装備をグレードアップさせていない部分もある。

鈴木みきさんが「肝心要」と言っているベースレイヤーである。

…未だにユ●クロのエ●リズム着ている時がある…。

汗だくになっても、さらっとしてていて、そして、あのお値段。非常にイイと思うのだ。

山用じゃなくても十分だ。

冬山に行くとかであれば、それにふさわしいものにすると思うけれど、今の私にはユ●クロでちょうど良い。

鈴木みきさんの言う「適着適山」の精神で、これからも徐々に登山道具を買い足していくつもりだ。

最初に揃えていないからこそ、徐々に買い足していく楽しみがある。

ちなみに今欲しいものはサングラスだ。近いうちに買っちゃおうかな~♪

 

あした、山へ行こう! 日帰り「山女子」のすすめ

あした、山へ行こう! 日帰り「山女子」のすすめ