「きものが欲しい!」群ようこ
私は群ようこさんと誕生日が一緒である。
だからと言うわけではないが、同じ趣味を持っている。
着物だ。
といっても私は、着道楽で、高い着物を買い集めているわけではない。(お金無い)
古着(大正ロマン風のものが好み)を安く買って、ふらーっと近所に出かけて写真を撮ってくるだけだ。
いや、さらっと書いてしまったが、着物人口ほぼ0%のホームセンター内の庭に行ったりしているので、ちょっと変に思われているかもしれない……。しかも、撮る写真が、ポートレート風なりきり写真なものだから、かなり変かもしれない……。
まあ、それはいいとして、着物の楽しさは組み合わせだと思う。
この着物に、この帯を合わせて、帯揚げと帯締めはこの色にそろえてるから、思い切って帯留めはこれを使ってみようかな~?なんて。
着物を兎の柄にして、帯を亀甲紋にするとかの遊び心もいいなあ。帯留めを亀にしてみたり。
さらに、着物の柄には季節がある。
今は浴衣に桜とか当たり前のように使われているけれど、夏着る浴衣に春の桜はおかしいだろ~!と私はいつも思う。
撫子とか朝顔とか現代風にひまわりとか金魚とか、夏っぽい柄にした方がいいよ!絶対。
つまり、小物とかは多ければ多いほど楽しい。着物だって季節に合わせてそれなりの枚数欲しい。
昔から、着物一枚に帯3枚と言われたように(バリエーションができるからだろう)帯だって欲しい。
つまりは、どんどんいろいろなモノが欲しくなる泥沼なのだ……。
うおお……!最初は一揃いくらいあればいいと思っていたのに……!
でも、買っているのは安い古着ばかりなので、そんなにすごい金額にはならないからいいの。と自分に言い聞かせているけど、欺瞞かも……。
ちりも積もれば何とやらで、それなりの金額になっているような気がする。
とは言っても、高い良い着物一枚買うよりは全然安い。本当は良い着物の一枚も欲しいんだけど、ただでさえ苦しい財政にさらに圧迫を加えるわけには……。
「国庫は空っぽでございます」
「何を言うの?ネッケル大臣。無いところをどうにかするのが大臣の仕事でしょ?」
と言いたいわ……。(ベルばらのアントワネット様の名言ざます)
さて、そんな私があこがれる着物ライフを群ようこさんは送っている。
まあ、収入が全然違うからな……。
彼女のお母さんの伝説「30分500万円お買いあげ事件」はすごい!
30分で500万だよ!どこの貴族様じゃ~!
「それとそれ素敵ね、みんないただくわ」
というセリフが(多分)本当に出てくるのだ。松田聖子!松田聖子なのか!?(シャネル貸し切り)(ちなみに着物界には「松田聖子ブランド」がある)
私は彼女のお母さんの武勇伝は、他の本で読んで知っていたのだが、実は群ようこさん本人もなかなかどうして、立派な着道楽である。
貯金はたいて130万の着物を買う勇気は私にはないわ~!
でも、そんな着物ライフ、いいなあ。
と、あこがれるだけの私だったが、実は身近にすごい人がいた。
「この前、着物の展示販売会に行って来たのよ」
と、久しぶりに会った、高校時代からの友人が言った。
「でね、一式着せてもらったら、いいのよ~すごく。でも、全部で130万って言われてさあ……」 おお……!
130万!
ちょっと思い切れない金額が出てきた!こういう数字が普通にぼこぼこ出てくるのか!やっぱり、着物って、すごいなあ……。
さすがの友人も「うっ」と思ったらしく
「ちょっと130万は出ないから、帯だけ買ったんだ。60万」
とさらっと言った。
……!!
「ねえ……参考までに聞くけど、他に着物は持ってるの?」
「ないよ」
クリアなお答え!
おお!じゃあ、なんで帯だけ買ったんだ~!!
私だったら、60万でもっとランク落として一揃え買うぞ。 しかも、彼女曰く「ちょうどNO●Aの自宅留学の装置のローンが払い終わったからいいや、と思って、ローン組んだの」とのこと。
……あんた、悪いこと言わないから、このまま着物の世界から足を洗った方がいい……。
天井知らずの着物界、そのうち、とんでもないことになるかもよ。
でも、「すごく綺麗なんだよ~」と本人は、ご満足だったので、それはそれでいいのかも。
ちょっといい着物も欲しいな~と思っていた私の目を覚ましてくれた友人の逸話だった。
とりあえず、小心者の私は、今のところ古着(または洗えるプレタ着物)で楽しむことにする。
でも、群ようこさんみたいに、品が良くて、粋な着物を集めて、上手に着こなしたいな~。
いつか、必ず……!
とりあえず、お金持ちになったらかな?(永遠に来ないかも……)