2006年読書のまとめ
おそらく、今年最後の更新になると思うので、今年1年で印象に残った本をあげてみようと思う。
今年1年で読んだ本は、今のところ102冊。(マンガ除く)
実は、コツコツ読書記録をつけているので、数えられるのだ。意外とマメなA型です。
まず、最も読む量の多い小説では、やはりNO.1は宮部みゆき「模倣犯」。
女王の地位をあたえてもいいんじゃないかしら?
新潮の分厚い文庫で5冊もある大作だが、息もつかせぬ面白さでぐいぐい引きこまれて読んだ。
前にも書いたが、こんな面白い作品が、どうやったらあんなつまらない映画になるのかなあ……?
模倣犯はいただけなかったが、映画化がよかったので、原作を読んでみたところ、これはヒットだな、と思ったものがけっこうあった。
三島由紀夫「春の雪」は映画のビジュアルの美しさに感動したが、原作の世界の美意識をそのまま映像で表現したんだな~と、読了後感心した。「たおやめぶり」の世界。
現在、ちろちろと豊壌の海」シリーズを読んでいる。来年あたり、読み終わるかな?
また、「博士の愛した数式」も良かった。
ついでに、藤原正彦との対談「世にも美しい数学入門」も読んでしまい、完全文系人間の私ですら、ちょっと数学の世界に興味を持ってしまった。
ああ、高校生の時の進路適性検査で、文系に振り切れてしまい、先生に「ここまで偏った生徒は初めてです」なんて云われた過去がある、この私が……!
だが、流行語大賞まで受賞した、藤原正彦「国家の品格」は未読。
なんとなく、ナショナリズムな匂いを感じてしまい、食わず嫌いで倦厭してしまっている。うーん……読んだら、面白いのかしら?
小川洋子作品はその後、「沈黙博物館」なども読了。好きな作家の一人になった。
さて、今年は以前から大好きだった時代小説をほとんど読んでいない。
ちょっと自立したいお坊ちゃまと、心配でたまらない兄さんたち、というシュチエーションは昔から少女マンガの王道ですよ!(ただし、少女マンガでは坊ちゃま部分は主人公の女の子だけど)
時代小説とは少々違うが、梨木果歩の「家守奇譚」もいい感じだった。
少女マンガだったら「ネムキ」に連載されていそう。
他に小説では、現代の世相を反映した「NHKへようこそ!」も非常に面白かった。 意表をつくタイトルがスバラシイ!
表面上の滅茶苦茶感の裏にある閉塞感みたいなものが、行間からにじみ出ているようで、なんだか人ごとじゃない感じ。
バブル崩壊=就職氷河期でふらふらさまよっている世代なのよ、私は。
エッセイでは、今年最大の収穫は、なんと言っても三浦しをんとの出会い。
新潮文庫の新刊一覧から、なんとなく面白そう、というだけの理由で買った「しをんのしおり」に大爆笑。
西原理恵子が私の人生の師匠だが、しをんさんは第2の人生の師匠になるかもしれない。
直木賞受賞、おめでとうございます。受賞作は文庫になったら読みます。←貧乏。
エッセイというか、紀行モノで、今更ながら沢木耕太郎「深夜特急」も読む。
こういう作品、大好きだ。若さ故の(?)前だけ向いて突っ走る旅。
でも、まだ1巻しか読んでいない……。早く、続きを読みたいなあ。
そして、今年はノンフィクションをたくさん読んだ年だった。今まではほとんど読んでいないので、この分野への進出は今年の特徴かも。大人になった、ということなのかもしれないなあ……。
天晴れ!と言いたいノンフィクションは最相葉月「絶対音感」だ。
篠田節子「ハルモニア」なんかでは、とても特殊な能力として描かれていた「絶対音感」とは何なのか?ということを、説得力のある言葉で描いている。
実は、私は不完全ながら絶対音感があり、一体これは何なのか?とずっと思っていたので、まさに溜飲を下げる気持ちだった。
菊池直恵・横見浩彦「鉄子の旅」に非常にはまってしまったため、余波で読んだ「テツはこう乗る!」も私の知らない世界を描いていて、とても面白かった。でも、テツにはなれないと思うけど……。
日本史の関係では笠原英彦「歴代天皇総覧」が面白かった。
代々の天皇がどういうことをしたのか、ということが淡々と書かれているだけなのだが、すごく面白い。
これを読んで、どう感じるかは人それぞれだとは思うが。
つらつらと、2006年に読んだ本について書いてみた。
硬派な書評的にしてみたかったんですが、どうでしょう……?
それでは、よいお年を。
来年も、いい本をたくさん読みたいです。