「おちゃめなふたご」エニド・ブライトン
この季節になると、予備校のテレビCMが増える。
なんか、とっても露骨だが、確かに今しか必要のないCMだ。
たくさんある予備校のCMの中で、私の一番のお気に入りは「両●予備校」である。 必ず山本陽子さんが「ドゥー ユア ベッス !」というかけ声で締める、あのCM。
(何でも、両●予備校の社長が山本陽子さんのファンだから、彼女が出演しているらしいですね。社長ってそういうゴリ押しできていいなあ……)
そのCMによると、両●予備校は「全寮制」なのだ!
「通学生も入学できます」とすぐさま補足……それって全寮制じゃないんじゃ……。
ささいなつっこみは置いておいて、「全寮制」!この単語が私のお気に入りの理由だ。
少女の頃からの私の憧れ。
なぜならば、「おちゃめなふたご」が私の愛読書だったから!
(決して「トーマの心臓」やら「風と木の……」やらのせいではありません。まして「グリーンウッド」のせいでもありません。そっちも大好物ですが!)
イギリスの全寮制女子校が舞台になっているこの小説は、現在では古典児童小説、といった扱いらしい。
でも、少女時代の私はこの本を読んで「イギリスの学生はこういう学校にみんな通っているのか~」と憧れを募らせていた。
(現在でもこういう学校はあるみたいですけどね。パブリックスクールのイートン校とかホグワーツとか←笑)
寮生活っていいなあ。日本のごく普通の公立校に通っていたら決してできない楽しそうなことがたくさんある。
中でも、真夜中のパーティ!
これがとにかく一番の憧れだった。
寮じゃないと、これはできないもんね。(グリーンウッドなら簡単にできるでしょうが、誰も止めないと思われるので、ちょっと魅力は半減……)
「アンチョビペースト」「オイルサーディン」「サワークリーム」「トフィー」「海老のペースト」一体それが何なのかよく分からないが、真夜中のパーティで出てくる食べ物をいろいろ覚えた。(昔から食い意地がはっているワタクシ……)
食べてみたい!とってもおいしそうだ!(しかし、今でも正体不明のモノが結構ある)
仲良しの友達とこっそり夜にパーティをして食べるお菓子は、普通に食べるよりおいしいに決まっている。
真夜中のパーティの翌日、お腹をこわして、寮母先生に飲まされる「にがーい薬」すら私にとっては憧れだ。
どのくらい苦いもんなのかしら?どきどき。正露●みたいな感じなのかしら?いや、粉薬っぽかったから太●胃散とかそっち系?
そんなめくるめく寮生活が、この日本でも送れるのかもしれない。両●予備校で!
と、子供だった私はちょっと真剣に考えたりした。
だって、全寮制だっていうから……。
どうだろう……。両●予備校で「真夜中のパーティ」行われているかな……?
無いな。……いや、待て!「真夜中のパーティ」というからいかんのだ。「真夜中の酒盛り!」これなら、行われているような気がする。確実に。
しかも、時間割を考えると「事業時間」の後に「自習時間」とかが設定されているっぽい。
おっ!なんか、「おちゃめなふたご」の世界に近づいてきた気がするぞ。
「自習室」もあればなお良し。あるんじゃないかな、きっと。
やっぱ、いいなあ。全寮制。
でも、今から入りたいとは決して思わないよ。だって、予備校だもん……。そこが両●予備校とクレア学院(ふたごの通う学校)の最大の差だな……。
ちなみに、この作品を愛読していたせいでイギリスへの私の憧れはとても強い。
イギリス、ステキだわ~。一度でいいから行ってみたい。できれば「ユーロ」になる前に!「おちゃめなふたご」の世界でちょくちょく出てくる「シリング」を使ってみたかったの。
が、現在のイギリスの通貨単位には「シリング」がもう無いらしい……。
がーん。
これを知ったときは、夜、一人で枕を濡らしたわ……。
ばかばかばか!イギリス政府のばか!
私のささやかな夢だったのに~!
「シリング」の下は「ペニー(=1/10シリング?)」で上は「ポンド(=20シリング?)」というのもちゃんと覚えたのに~!
しかし、1シリングってどのくらいの価値だったんだろう……。
作中では1シリングあれば、ふたごたちはチョコレートや飴をそれなりに買えていたように記憶している。
が、現在1ポンドは250円くらいみたい。
「おちゃめなふたご」って私が考えている以上に古い小説なのか……?