睡紫庵文庫

身辺雑記をまじえた読書雑記です。

「鳥頭紀行 ジャングル編」西原理恵子 勝谷誠彦

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先日、ネットで新聞を読んでいて、驚くべき訃報を目にした。  

鴨志田譲さん死去」  

ええっ……!!鴨ちゃんが……!!  

アル中で入院していたことは知っていたが、癌だったとは。  

大学時代、うっかり「まあじゃんほうろうき」を購入してしまって以来、西原理恵子さんは私の人生の師匠である。  

稼ぎが博打に追いついた」なんて格好いいんだ!新庄剛志みたい。(ちなみに彼が63番を付けていた頃、私は新生選手のファンでした)  

そして、「鳥頭紀行 ジャングル編」でビデオカメラマンとして同行した鴨ちゃん電撃結婚。  

それも、帰りの飛行機の中でプロポーズ。それ以来、鴨ちゃんサイバラさんの家に住み着いちゃった、という。(一回くらいは帰った、と鴨ちゃんがどこかで言っていたなあ)  

うーん、さすがだ。格好良すぎる。  

これは、あこがれを抱かずにはいられないでしょう。やはり、サイバラさんは師匠です。お手本です。    

突然登場して、サイバラさんをかっさらった鴨ちゃんは、ファンから袋だたきに合うかと予想されたが、実際はその反対。  

サイバラファンはみんな「うーん、さすがはサイバラさんが選んだ人。彼女の夫は鴨ちゃんしかあるまい」と納得した。  

いやあ、あの「鳥頭紀行 ジャングル編」を読めば、納得せざるを得ないわな。  

とにかく想像を絶する旅だった……(プ●ジェクトX風)  

ただ、何とかという巨大魚をつるために、アマゾンへ。  

そこでは、ひたすら酒を浴び続けるメンバーたち。なにしろ、酒を乗せるためだけに船1艘余分にチャーターしてたからね……。  

トイレも野趣あふれる方法で用を足すほか無く、うっかりするとおしり丸出しで川に落ちるという……。それは男女関係なし。  

私は大学時代の恩師に「よし、そのうちサイバラファンを集めて「鳥頭紀行」をしよう!」と言われ、激しく拒否した経験が……。  

だって、民家のトイレを借りると「魚シュレット」(う●こを餌にする魚が便器までのぼってきてぴちぴちしてる)があるような旅なのよ!私、女の子だもん!やだ!  

この辺が、西原先生を人生の師匠と仰いでいるくせに、私の人間性の小粒さが現れているよな……。  

正直言って、この激しい旅で、どうして鴨ちゃんサイバラ先生と結婚しようと思ったのか、私には分からなかった……。  

でも、そこが鴨ちゃんが「サイバラ先生にはこの人!」と評価されるゆえんなんだろうなあ。  

ちなみに、一説によると、最初の鴨ちゃんのターゲットは同行編集者のはせぴょんだったが、途中からサイバラさん狙いに変更したそうだ。サイバラさんの気っぷの良さに惚れたのか……?  

その後、鴨ちゃんのアル中&暴力で離婚したことを知ったときも「ええっ!」と驚いたなあ。ぴったりお似合いの二人だと思っていたので。  

でも、「毎日かあさん」に時々登場したりしていたので、復縁もあるのかなあ、なんて思っていた。アル中克服も二人三脚でやっていたようだし。  

サイバラさんの「すきだった人をきらいになるのはむつかしいなあ」という言葉がすごく好きだった。  

鴨ちゃんの葬儀の喪主はサイバラさんが勤めたようだ。  

普通だったら「元妻」が喪主、というのはあまり無い気がする。  

でも、サイバラさんと鴨ちゃんなら、それが当然だな、としっくりくる。  

今、ざっと「鳥頭紀行」を読み返してみて、すごく不思議な気分になった。  

この本の中で、ぎゃあぎゃあ元気にはじけている鴨ちゃんはもういないんだなあ、と。  でも、今後もずっとこの本や、鴨ちゃんの本は読み続けられていくんだあ。  

鴨ちゃんのご冥福をお祈りします。