睡紫庵文庫

身辺雑記をまじえた読書雑記です。

「キス」マツモトトモ

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 全9巻各410円 文庫版は全4巻。各680円  

先日、ゴスペルサークルのライブ(?)に行ってきた。友人が参加サークルの一つに入っているからだ。  

所詮、田舎の発表会レベルなのだが、みんな楽しそうに歌っていて良かった。やっぱり歌は身一つで、明日からでも出来るからいいよね~。「カンタービレ」は「歌うように」  

しかし、友達には悪いが、私が注目していたのは伴奏のピアニストたち。  

中でも、メガネ(黒縁)で、ちょっと崩してネクタイを締めたお兄さんに釘付け!  

いやん、ステキ!メガネ男子ピアニスト! 手が大きくて、和音を軽々ひいている様に、メロリンQだ。スミマセン、表現古くて。  

さらに、スーツの袖を肘付近までまくり上げていたのも、ポイント高し!  

これは……!読まなくてはいかん!と思いこんで、帰り道に古本屋さんへ直行。マツモトトモ「キス」を全巻買いだ!(全9巻)  

棚に全巻あってよかったよ。1巻でも無かったら、古本屋ハシゴしなくちゃなんないからね。  

こういう行動力は群を抜いている!自画自賛。  

オトナだから、全巻買いくらい訳ないぜ!でも、9巻でよかった……。その他数冊買って、2500円くらいのお買い物。古本ってお安いですねえ。    

帰宅して、着替えるのももどかしい感じでガツガツ読む。血に飢えたバンパイヤの様に。  

「血が……血が欲しい」いや「マンガ……いやマンガ内のピアニストが欲しい……」  しかし、夜を徹してまでは読めなかった!  

年!年だわ!気づいたら寝てたよ!  

年齢と睡魔に勝てない私。がっかりだよ私!いつからそんなふぬけになり下がっちまったんだ!悔しい……。かつては「ガラスの仮面」を夜を徹して読んでいたというのに!    

「キス」は主人公カエちゃん(女子高生)とそのピアノ教師(24歳)の恋愛モノだ。  ピアノ教師の五嶋くんは、すんげーピアノが上手いという設定。ジャズピアノを弾いてる。(クラシックももちろん弾ける。いきなりラ・カンパネラ弾いちゃったりする)  

ピアノ教室の教師レベルだと侮るなかれ。彼は世界的ジャズピアニストと一緒に仕事したりもしちゃうレベルなのだ。ピアノコンクール入賞常連の少年も負けを素直に認めちゃう。  

ありえね~。いや~マンガって、便利だねえ。    

この五嶋くん、とにかくカッコイイ!  

タバコくわえつつピアノを弾く様は絶品!  

これ!これが見たくて、全巻買いしたのよ~!  

ちょっと崩した服装(でもスーツ)、黒縁のメガネ、大きい手で軽々、極めつけのくわえタバコ!  

これで、女子高生のかわいい彼女に振り回されてんのよ!かーっ!  

そりゃー、人気出るって!9巻まで続くはずだよ!最初は読み切りのはずだったのに。

ゴスペルライブで急発進した私の乙女心にジャストフィットだ!満喫満喫。  

でも、現実に彼が自分のピアノの先生だったら嫌だなあ……。

私のレッスン中にタバコとか吸われたら、本気で怒るね。私のいないところで吸ってくれ!マンガ内じゃ格好いいけど、現実に目の前で吸われたら、臭いって!  

しかも、上手に弾けない私にイヤミを言うのよ。  

「先週からちっとも上手くなってないねえ。ここにかいてあるのはピアノ。弱くって意味知ってる?」とか……!  

あったまくるなー!下手で悪かったよ、ぷんすか。  

わかった!作中で主人公カエちゃんが「私、本当はピアノ弾くの好きじゃないの。先生が好きなだけなの」と言っていたのはそのせいだな!  

少女マンガでピアノマンガなのに、主人公がピアノに対して、ほとんど興味を示さないって、ある意味すごいめずらしいな~と思っていた。  

なるほど、こんなレッスン受けたら、ピアノ弾くの好きにはならんわな。聞くだけで十分、って感じか?    

こんなピアノ教師はマンガで読んで、ビジュアルに「あへー」と喜び、その言動に「いやん、まいっちんぐ!」と一人でもだえればいいのだ。それが一番。  

多分、端から見たら、変な人にしか見えないので、「一人で読む」のも必須だな。  

よし、読み返そうっと。  

サティの「ジュ・テ・ヴ」弾く、五嶋くん、ステキだ……!