睡紫庵文庫

身辺雑記をまじえた読書雑記です。

「鉄子の旅」菊池直恵 旅の案内人 横見浩彦

小学館 各巻590円 全6巻  

私の仕事の一つに出張旅費の計算があるのだが、先日、とても面倒な計算をした。  

その行き先は「石川県輪島市」。  

輪島塗で有名な能登半島の町だ。  

はじめは特に何も考えず計算を始めたのだが、初っぱなから大問題に激突!  

輪島市内には電車の駅がない!  

2001年に廃線になってしまったらしい。(七尾線)  

わーお!「市」なのに!  

私の職場の旅費計算には、路程距離の計測が必要で、その路程距離は鉄道のキョリを使うことになっている。(詳しく言うとそうじゃない部分も多いのだが、ここではあまり関係ないので割愛する)  

ちょっとヤフーの地図で調べたら「最寄駅」は「能登空港」とか。しかも、2時間29分かかるらしい。  

それ駅じゃないし!  

能登空港を調べてみたら、空港へのアクセスは自家用車とバスしかないことが判明。徹底しています、輪島市) 

仕方なく最寄駅(本当の鉄道の最寄駅は「穴水」という駅でした)までのキョリを地図で計る私。面倒でござる……。  

穴水からの経路測定も面倒で、時刻表と首っ引きだ。(ネットとかで調べてもいいのだが、最終的に時刻表と突合するのだ)  

ううう……私、時刻表読めないのに……。  

しかしである。  

時刻表を見ていると、なんだか聞いたことのあるような駅名や電車名がごろごろ出てくるのだ。  

おお、それは鉄子の旅」で出会った電車たち!  

特急「はくたか」は南田マネージャーが発見した模型喫茶で走っていた電車だし。(津幡-越後湯沢間で利用)  

越後湯沢-高崎間を調べていたら早朝(深夜?)急行「能登の文字が…!  

これ、鉄子ご一行様が乗っていたはず!そして、南田マネージャー(テツ。ホリプロのマネージャー)が見送りを熱望した「北越」もその横にちゃんと載っている。  

作中には出てこなかったと思うが、金沢までの特急「サンダーバード」の名前に何故か笑ってしまったり。どんな列車なんだ、サンダーバードかっこいい!  

俄然楽しくなる私。  

よくよく見ると、横見氏(旅の案内人。トラベルライターという肩書きのテツ)が言っていたように、時刻表にはお弁当がどの駅で売っているのかまで書いてあるのだ。(駅名の横に「弁」マークがついている)  

すごいぞ、時刻表!  

私、「直江津」(横見氏の名言「ナオエツ ナオエツ キクチナオエツ」の駅です)で売っているらしい「謙信公お立ち飯」(1050円)にものすごく興味があるのですが!何が入っているんだろう、謙信公お立ち飯。どきどき。  

駅弁好きの菊池さん、どうしてこのお弁当を買わなかったのよう!同じ駅で売っている「磯の漁火」は食べていたような気がするんだけれども。  

ああ、謙信公お立ち飯を食べるためだけに直江津に行きたいなあ。能登に乗っていこうかな……。  

そして、さらに気づいてしまった。  

輪島市を走っていた七尾線廃線イベントに、間違いなく横見氏は行っている!  

というか、日本全国津々浦々のすべての駅を完全乗下車しているんだから、廃線前の駅にも少なくとも1回は行っているはずだ。  

うーん、横見氏すごい。  

彼は時刻表にたくさん書かれているこの駅全てに行ったことがあるのだ。  

うちの近所のあの小さい駅にも必ず横見氏は降り立っている。すごいを通り越して、なんかもうちょっと怖いよ……。  

でも、もしも駅で横見氏を見つけたら声かけちゃうかもなあ。そして、そういうことがありそうだなあ。  

横見氏、マンガで知った人なのに、とても身近だ……。