睡紫庵文庫

身辺雑記をまじえた読書雑記です。

追悼 氷室冴子先生

昨日、新聞を見ていて驚いた。  

氷室先生がお亡くなりになった。  

がーん。大好きな作家さんだったのに……!    

実はここ数ヶ月、私はコツコツ氷室先生の文庫を集めていたのだ。  

発売当時、かなりの量を読んでいたのだが、所詮、貧乏学生。友達から借りたり、購入した本も古本屋さんに売ったりして、手持ちの本はあまりなかったのだ。(それでも「さ・ちぇんじ」と「冬のディーン夏のナタリー」ほか数冊は持ってた)  

ああ、密かに集英社氷室冴子全集を出して欲しいな~と思っていたのに……。  

どんなに高くても必ず買います!集英社さん、是非!  

 

なんて素敵にジャパネスク」は代表作。  

大好きでした。実は、中学生当時「ジャパネスクの漫画が載っているから」というだけの理由で花とゆめ」を買いだした私。(おかげでその後の人生の転落が始まった気がするんだけども……)  

「瑠璃」なんて難しい漢字を書けるようになったのも、この作品のおかげ。ついでに日本史のテストで「源高彬」も間違えたことなかった。    

 

銀の海 金の大地」は雑誌掲載時から読んでいて、すごくインパクトがあった。(そうです。当時の私は雑誌「Cobalt」まで買っていたのです)  

学生時代に完結した文庫を全巻買ってきて、一気に読んだことを思い出す。  

……が、私はその後、引っ越し時に全巻売ってしまったのよう!   

ばかばか!私のバカ!この作品はまだ買い直せていないので、早く古本屋をまわって見つけなくては……!  

先日、「古事記」を読んでいて「佐保彦の反乱」のくだりにあたり「ああ、銀の海~を読み返したいなあ」なんて思ったばかり。  

この作品、実はまだ完結していなかったはず。返す返すも残念です。  

 

なぎさボーイ」は私の中の氷室冴子評価が一気に上がった作品。  

それまでは「ジャパネスクの作家」というイメージだけだったのだが、この作品を読んで「この人はすごい作家」だ、と改めて思った。  

男の子の心理をここまでちゃんと書いた少女小説って、ほとんど読んだこと無かったので。  

ちなみに友達のNちゃんは北里くんのファンだったなあ。  「

 

冬のディーン 夏のナタリー」をさっきちょっと開いてみて、うっかり読み返してしまった。  

すごいです。上手いです。このさらっとしててオシャレで、でも人の心がしっかり描けてる内容はすごいな~。  

この作品も完結してません。ああ、この後、ワタルくんと蓉子ちゃんがどうなるのか気になるわ……。

続き、読みたい……。  

 

藤田和子作画の「ライジング!」も大好きな作品。  

作中劇の「レディ・アンをさがして」の部分を読みながら号泣しましたよ。宝塚で上演は難しいでしょうが、見たかったなあ……。  

「(前略)幸せすぎて……泣いてしまうわね」というアンのセリフ、泣ける!  

他の作中劇もみな全部脚本が書かれたという。ああ、見てみたいなあ……。  

 

他にも氷室作品は名作、ざっくざくだ。  

クララ白書」シリーズも大好きだったし、「シンデレラ迷宮」もイイ!  

海がきこえる」はアニメも良かったなあ……。  

ああ、やっぱり、他の作品も読み返さなくては!  

しばらくはコツコツ古本屋巡りをくりかえします。  

でも、出来れば、集英社には「氷室冴子全集」の刊行を……!  

そして、素晴らしい作品を沢山生み出してくれた氷室先生に「ありがとう」と言いたいです。  

ちなみにかなり前に「ざ・ちぇんじ」をこのブログで取り上げました。