睡紫庵文庫

身辺雑記をまじえた読書雑記です。

「ハイジ」シュピリ

岩波少年文庫 上下巻 各756円他  

あれ?セバスチャンって、執事だったっけ?  

と、最近ちょいちょい見かける執事マンガを読んでいて思った。  

メイド流行の一環?なのか、よくわからないが、最近、女性向けの執事マンガをよく見かける。  

私もけっこう好きなの。いや、かなり積極的に好きなの。執事モノ。えへ。  

いいよね~執事。ストイックで。スーツだし。英国だし。  

若き当主の信頼は絶大で、裏家業(秘密探偵とか仕事人とか)を顔色一つ変えずに支える、みたいな!うは!どうも、「伯爵カインシリーズ」が好きだったので、その影響が……。  

ちなみに最近、一番好きな執事は「うるわしの英国シリーズ」のバートラム氏だ。おじさんでステキなの。うふ。猫に踏まれてるけど。  

でだ。最近のマンガにセバスチャンという執事が出てくることが多いのだ。いや、知っているのは2作品だけだけどさ。続けて読んだので、印象深かったのだ。  

セバスチャンは間違いなく、「ハイジ」からとっていると思う。  

でも、私の記憶のセバスチャンは従者かなんかで、決して執事なんて身分ではなかったはず!確か、ロッテンマイヤーさんに怒られていたような……?    

この疑問を解決すべく、先日、ハイジを読み返してみた。  

セバスチャン、ただの召使いでした!  

従者というより、家内の細々とした仕事をしてた。食事の給仕とか。……メイド?  

ちなみに大きな目をしているらしい。かわいい系かしら?いやん。御者のヨーゼフとただならぬ関係だったらどうしよう~!!きゃあ~!ゼーゼマン家、不潔よ!    

どうも、ゼーゼマン家には、執事はいないらしい。  

主人夫婦はホルスタイン(地名。牛ではなく!)に普段は住んでいるらしく、フランクフルトの屋敷を取り仕切っているのは、ロッテンマイヤーさんなのだ!  

ああ、ここでも記憶違いが……!  

私、ロッテンマイヤーさん、家庭教師だと思っていたよ。家庭教師は別にいたよ。おじいちゃん。どうも、「小公女セーラ」のミンチン女史とごっちゃになってたよ。  

ロッテンマイヤーさんが家司=執事だったか……!!  

私、浅学でよく知らないけど、女性執事って普通いないよねえ……?女中頭と執事が協力して家政運営する、というのはよく聞くんだけど……。  

女性執事って、ちっともステキじゃないわ……。男性諸氏なら、「美人秘書」みたいな感じで、好きなのかなあ?  

でも、とりあえず、これではっきりした。  

セバスチャンは執事じゃないのよ~!  

どういう間違いで、日本人の間に「執事=セバスチャン」が広がったのかは不明だ。いや、広がってないのかもしんないけど……。  

ちなみに英語圏では執事と言ったら「ジーヴス」らしい。  

蛇足だが、「ハイジ」を読み返して、不覚にも泣いちゃったよ。  

ええ話や!  

ハイジがフランクフルトからアルムじいの元に帰るときの記述!  

「また会えたということでぼうっとして、何もいえずにただひたすら、くりかえすだけでした。 「おじいさん、おじいさん、おじいさん!」  おじいさんも、何もいいませんでした。何十年ぶりにはじめて、なみだがその目にあふれ、しきりに手でぬぐっていたのです」  

おじいさん……!!  

かたくなに閉じこもっていたおじいさんが、ハイジの帰りに泣いてしまう!

おじいさん、よかったね!  

私、号泣!  

その後、おじいさんはハイジのために、教会には通い出すし、冬場には町に降りるし、ともう、孫かわいさに何でもOK!状態。何でこんなにかわいいのかよ~♪ 

しかし、子どもの頃読んだときは、「ハイジ良かったね!おじいさんのところに帰れて!」と思ったものだったが、今、おじいさんに感情移入するようになるとは……。  私も年とったなあ。 ちなみに、執事=セバスチャン作品はこちら。