睡紫庵文庫

身辺雑記をまじえた読書雑記です。

「ネコを撮る」岩合光昭

朝日新書 756円  

毎年の事ながら、この時期の書店にはカレンダーがあふれている。  

「イヌ好きの私でもダメだわ。このネコ写真カレンダーの魅力にはあらがえないわ」と言ったのは友人のるみたんだ。  

確かに!  

イヌ写真もそりゃ、かわいいことはかわいいけれど、ネコ写真を見るともうダメ!

そのかわいらしさには、ずきゅーん、と打ち抜かれてしまう。  

なんでそんな変な格好で寝てるんだ!とか、そんな狭いところにどうして!とか、肉球とか……。ああ、ネコ、罪作りだわ……。  

ネコの写真といえば、岩合さんだ。  

かつての飼い猫、海ちゃんの写真を始めとして、日本や世界中のネコの自然な姿を、そりゃーまあ、かわいらしく、時にはコミカルに写している。  

ぶさいくなネコが日向ぼっこしている写真とか最高!ステキ!ラブ!  

岩合さんの写真を見ていると「私もこういう写真が撮りたい!」という思いがふつふつと湧いてくる。対象が身近にいるネコなので、なんだか自分でも撮れそうな気がしてくるのだ。  

で、実際に近所のネコたちを撮ってみる。  

ネコ発見!すぐさまカメラを構える。  

……私は怪しいもんじゃないです。ネコさんたち、待ってぇぇ……。  

ネコは生き物。こっちの思惑なんか構ってくれないのだ。  

じっとしてくれない。こっち向いてくれない。無視されまくり。  

なので、追いすがるように写真を撮ると、お尻やしっぽの写真、ブレブレの写真ばかりが撮れてしまう……。  

くそう、どうやったらいい写真が撮れるんだ!?ネコ側をプロ(モデルネコとか)にすればいいのか!?それじゃ意味ないんだ~!  

そんな疑問に答える、という本がこの「ネコを撮る」だ。岩合さんによるネコの撮り方講座だ。  

ズバリ、私の悩みにピンポイント!こういう本を待っていたのよう!  

喜び勇んで読んでみる。これで、私もネコ写真撮りまくるぞ~!おう!  

結論。ネコを上手に撮るためには、まずネコと仲良くならなければならない。  

そうか、そこか!  

「ネコを撮る」の内容は、ほぼ「どうやったらネコと仲良くなれるか」で占められている。  

テクニックはその後の問題らしい。

この本には、絞りがどうとか、レンズがどうとかアングルがどうとかという技術的なことはほとんど書かれていない。(いや、まったく書かれていない訳じゃないですが)

ああ、テクニックとかの問題の方が解決、簡単なのに……。  

ネコと仲良くなるのはかなり大変だよなあ……。性格の問題も絡んできそう。    

さらに、実際問題として、道ばたでネコ様のご機嫌伺いをするのは、ものすごく怪しい行動じゃないか!? 

岩合さんは離島とか行って「この辺にネコいませんか~」と聞きつつうろうろしているらしい。大変怪しい。  

その上、「いいね~かわいいね~こっち向いて~」などどネコ様に声をかけながら写真を撮っているらしい。道端とかで……しかも腹這いでものすごく怪しい。  

私にもこの芸当ができるだろうか……。 近所で「●●さんちの娘さん、道端でネコナンパしてるのよ」と広まったら、ちょっと辛い……。  

いや、そんなこと言っている場合じゃないよな!  

千里の道も一歩から!  

岩合さんの教えに従い、ネコ様のご機嫌を伺い、近所の白眼視にも耐えようではないか!  

良い写真のためには「ネコナンパ師」の烙印くらいなんだっていうんだ!  

近所じゃないところで、ネコ様をナンパすればいいんじゃないか!←結局小心者。  

よし!この本で心意気は掴んだ!  

ネコ様と友達になって写真を撮らせてもらうぞ~!  

だからデジタル一眼欲しいなあ……。高いのよね、とても。ふう……。 

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かなり嫌がられてます。