睡紫庵文庫

身辺雑記をまじえた読書雑記です。

2008年読書のまとめ

今年もあっという間に1年が経ってしまった。早いものよのう……。  

今年読んだ本は多分120冊くらい。  

何故「くらい」かというと、先日、読書記録を書き込んでいるファイルを壊してしまったからなのだ……。

おお、ジーザス!無慈悲なり!神は死んだ!  

ここ数年の記録、全部消えたよ……。

かなりショック。

デジタル社会の恐ろしさよ。よよよ。  

それなので、おぼろな記憶を便りに今年の読書を振り返ってみたいと思う。  

 

本年、NO.1の座は東野圭吾「殺人の門」に差し上げたいと思う。  

かなり長いのだが、一晩で完読。おかげで翌日の仕事が辛かったこと……。  

こういう暗い話、大好物!  

主人公2人の腐れ縁的関係性を丹念に描いていくその筆力に引きこまれた。

白夜行」よりも好きかもしんない。男同士だからだろうか……?いやん。

次点はつかこうへい「飛龍伝」かな?

でも、これは舞台を見ているからこその感動、のような気がする。  

 

その他、小説で面白かったのものを列記。  

有吉佐和子「開幕ベルは華やかに」

舞台の裏側が垣間見られたような気がした。  

梨木果歩「村田エフェンディ滞土録」は不思議なテイストが入りつつ、宗教や生活習慣の違いは人情を超えないな、と思わせられたりも。

友情は差異を乗り越えられる。  

群よう子「かもめ食堂もほっこりと楽しかった。

こういう食堂があったら行きたいな~。  

異色、松尾スズキ「同姓同名小説」。

これはスゴイ!

よくこんなの書いたな。松尾さんスバラシイ!  

 

また、今年は古典小説も結構読んでいて、ヒットも多かった。  

幸田露伴五重塔」。

これまたスゴイ!  

天才って、凡人の理解の範疇にはいないものだな~。

天才になりたくもあり、なりたくもなし……。  

大好きな泉鏡花も少し読み返した

「夜叉が池・天守物語」「草迷宮」。

天守物語が一番好きかな?  

海外物では、ワイルド「サロメ」。

怖い……。

サロメに愛されるのは幸か不幸か……?  

アヴェ・プレヴォマノン・レスコー」。

マノンが意外と悪女に思えなかったのは時代の差か……?  

 

エッセイでは軽快な調子のものをたくさん読んだように思う。

面白い作品が好き!  

A・Jジェイコブス「驚異の百科事典男」は世界一頭のいい人間になるために、百科事典の通読にチャレンジする男の実録。  

実にアホらしい

が、ちょっと羨ましくもある。

百科事典を通読って、誰にでも出来るけど、決してやろうとはしない類のチャレンジだよな~。感心。でも、馬鹿げてる。  

高野秀行「怪魚ウモッカ格闘記」もっと馬鹿げている。  

謎の生物(UMA)を探しに探検するはずが、インドに入国できず、映画「ターミナル」ばりに空港に留め置かれ、日本に強制送還されるだけ。  

ウモッカ探索はどうなった!?何しとんねん、自分!?  

加門七海「うわさの神仏」。

神や仏にこれほど情熱を掛けている人がいるとは……!  

神社仏閣巡りの友にする事に決定。  

そして、私の中の大ヒット作!荒俣宏監修「アラマタ大事典」!  

この本は私のトイレ本NO.1に認定!

荒俣先生、尊敬してます!    

 

さて、今年は源氏物語千年紀だったそうであります。  

が、私は源氏物語の大ファンでありながら、大塚ひかり「源氏の男はみんなサイテー」しか、源氏関連の本を読んでない……。嗚呼……。  

新潮文庫から出た円地文子源氏物語ちくま文庫大塚ひかり源氏物語も購入はしたが……まだ読めてません。来年こそは……!!  

時代物はわずかに和田誠のぼうの城が面白かったくらい。  

久々に戦国時代物を読んで「やっぱり、面白いな~」と思わせてもらった。  

でも、私は石田三成ラブなので、その辺は複雑……。(ちなみに明智光秀も好き)    

ちなみに「のぼうの城」は図書館で借りて読んだ。  

ああ、読んでない本が山ほどあるのに、どうしてわざわざ借りるんだ、私!?  

職場環境の問題で、図書館で簡単に本が借りられるのでつい……。

文庫が待ちきれなかったり、文庫になるのか不安だったりするんだもん。  

図書館で借りた、平松剛「磯崎新の都庁」、安藤忠雄「建築家 安藤忠雄」。

何故か建築関係の本2冊がなかなか面白かった。  

自分でも買いたいくらい。……買っちゃうかも。借りた意味無いよ。  

 

その他、ノンフィクションでは中川右介カラヤン帝国興亡史」。

前書カラヤンフルトヴェングラーの続編的作品。カラヤンの権力の興亡。

やっぱり、良くも悪くも大物だなあ、カラヤン。  

栗山民也「演出家の仕事」では、内容的にはイマイチなところもあったが、舞台の演出家ってこんなことしてるんだな~という、興味のある世界を垣間見れた。  

歴史では伊藤之雄「元老 西園寺公望は力作。

かなり牽強付会な強引さで「西園寺は有能だ!」と主張する様が鼻につく部分もあるが、「元老ってどういう立場なんだろう?」という長年の疑問に対する答えが得られてよかった。  

でも、私は岩井忠熊「西園寺公望の西園寺像の方に軍配を挙げたいな~。  

 

以上、2008年の読書を振り返ってみました。  

ミステリーとか、余り読まない1年だったみたい。  

今年は読む以上に買う、というオソロシイ習慣に染まってしまい、未読本がうずたかく……。  

来年は、この山を小さくするべく頑張ります。多分、無くすのは無理です。  

 

さて、今年突起すべき事は、氷室冴子先生が亡くなったこと。  

偶然、その数ヶ月前に古本屋で氷室先生の本数冊を購入し、これから集めよう!、としていた矢先だった。現在、着々と集めています。  

前にも書いたが、氷室先生の全集刊行を切にお願いしたい!集英社さん、よろしく!

 

付記として先日購入した辻和美作品集「Daily Life」がとっても綺麗でステキだった。  

ガラスっていいなあ。