「ちはやふる」末次由紀
講談社BLKC 429円
先日、ゴミ捨て場でスバラシイ掘り出し物に出会った。
その日、私は大量に捨てられたフロッピーを回収していた。(フォーマットしてまた使うためだ。エコ)
なんと、その中に「百人一首の遊び方」と題されたフロッピーを発見したのだ!
中身を確認したところ、「決まり字一覧表」やら「並べ方の極意」やらのスバラシイファイルが……!!
おおおお!! なんてステキ!
私、今、すごく百人一首に熱いの!
ありがとう、フロッピーを捨てたKさん!(昨年度末退社。筆跡で誰が捨てたのかすぐに判明している)
このファイルを元にかるた道に邁進するわ!
なぜ、私が今百人一首に熱いかというと、最近「ちはやふる」を読みふけっていたからだ!
ここんとこ、私はずっと少女マンガを読みふけっていた。
というか、ここ20年ずっと少女マンガを読みふけり続けているみたい、私。進歩はないけど、継続は力なり!
その中の「これだ!」大ホームランだぜ!と涙を流して読みふけった(誇張表現ではない)作品が「ちはやふる」だ。
ちなみに2008年マンガ賞受賞作品。さすが。
タイトルからわかるとおり、競技カルタ(百人一首)のマンガだ。落語じゃないの。そのまんまカルタなの。←落語も好き。
一言で言うならスポコン。
少女マンガの体裁をとりつつ、内容的には少年マンガだと思う。
主人公「ちはや」は少女時代、転校生「新」少年に導かれ、カルタの世界を知る。(転校生のモチーフは少女マンガ的)
主人公ちはやにはカルタの天才的な才能がある!(お約束) 高校入学と共に、カルタ部創設。たった一人で始まったカルタ部だが、次々と個性的な仲間が集まってくる。
ひたすら純粋なかるたへの熱い思い。
仲間との友情。←重要ポイント
ライバル校との対戦を通した熱いつながり。
そしてついに全国大会で出会った最強の敵!同い年のカルタクィーン!
二人の戦いは……!
この「カルタ部」のところを「野球部」に変えるとあだちみつるの世界だな~
少女マンガ不可欠の恋愛要素も一応あるが、これまたあだちみつるマンガにおける恋愛要素程度のウェイトだ。
少女マンガのセオリーで行くと、主人公にカルタを教えた新(ただしすぐに転校してしまう)がちはやちゃんの相手役で、幼なじみで共にカルタ部を創設した太一くんが対抗馬の三角関係。揺れ動いたあげく、ラストは新とハッピーエンド、だ。
いや、確かにその通りの内容だし、そういう展開になるんだろうけれど、あまりにもカルタに熱すぎて、全然、二人の男の間で揺れ動く主人公!とかの展開にならない……。
少女マンガなのに、なんなんだろう、この熱さは!
とりあえず、うぉ~!私もカルタがしたい~!!といきり立つくらいにものすごく熱いのだ!
私は元々カルタが好きだ。
我が家では毎年、正月には百人一首大会を催す。(参加人数:3人 父母私)
大会開催のために百人一首読みテープとCDもあるのだ。テープの方が雅なBGMとかあっていいの。
私は10数年、不動のチャンピオンの座を守ってきた。
父母連合軍に負けた事なんて一度もないぜ!調子のいいときはダブルスコアで勝っちゃうぜ!はははは!
なんて、えらそうに書いたが、決まり字とか知らないし、はらって取ったりできないし、実は百首全部覚えているわけじゃないの。ライバル校の須藤くんに虫以下だと思われちゃう……。
単に我が家のレベルが低いだけなのだ。
いかん。こんな井戸の中でいい気になっていては……!
精進しなくては!と、思い直して、友人知人に片っ端から「カルタやろうよ」と誘ってみた。
……誰も賛同しやがらないよ……。何故だ!?
みんな高校生の時とかに授業でやっただろう!?
なんで、この熱い世界に身を投じようと思わないんだ!?
仕方がないので、また父母と共に家庭内大会を開いてみた。
勝ったよ。5枚差で。わーい。
しかし、いつまでもこのメンツでやっていては向上できない気がする。慢心することなく、鍛錬を行うのだ!
よし。友人知人に「ちはやふる」を貸して啓蒙活動に勤しむぞ!
そして、私は偶然発見した「百人一首の遊び方」ファイルを糧に、とりあえず、百首覚えて、決まり字も覚えるぞ! 道は遙か険しい……。
蛇足:父の得意札「あまつかぜ くものかよいぢ ふきとじよ をとめのすがた しばしとどめん」 →坊主の歌 風よ 雲の隙間を吹き閉じておくれ 天女たちの姿を もうしばらく見ていたいから
生臭坊主だな……