睡紫庵文庫

身辺雑記をまじえた読書雑記です。

あこがれのチャツボミゴケ公園

数年前から行ってみたいと思っていたチャツボミゴケ公園に行ってきました。

チャツボミゴケとは酸性土壌に生える珍しい苔で、群生している場所は本州ではここだけ。わお!

写真を見ると、絨毯のような苔の間をせせらぎが流れていて、深い森の中のよう。ステキだ!

私は苔が好き!

もう、行くしかないでしょう!!

と数年前に思ったのだが、何しろ場所がかなり行きにくい場所。(旧六合村。現中之条町

そのうち行くぞ!と思っている間に時間はどんどん過ぎ、芳ヶ平湿原がラムサール条約に登録されたあたり(H27年5月)から、人気と知名度は急上昇。公園も着々と整備。現在では立派な観光地になっている。すごいぞ、中之条町

以前はかなりゆる~い感じだったので、近くまで車で行けて、苔にちょっとお触りしたりもできたらしい。(苔にお触りは本当はダメだと思う…)

…どうして、いつもの思い立ったが吉日の行動力を発揮しなかったんだ、私!?口惜しい…。

 

このままでは、いつまでたっても行けない、と思い詰めて、雪の中梅見を楽しんだ(?)友人達に「梅の敵を苔で取ろうではないか!」と声を掛け、ついにチャツボミゴケ公園行きが決定した!

時期は梅雨時。苔が一番イキイキする時期だ。わーいキトキト!(富山の方言)

待っててね、チャツボミー!(ニックネーム)

当日、天気は曇り。やや雨交じり。イマイチな気もするが、苔見物には最適なのではないだろうか、と自分に言い聞かせる。

G県東部からチャツボミゴケ公園まではだいたい3時間くらい。遠い…。県内なのに…。

今回は草津を通って行くルートをチョイス。

温泉の聖地、草津温泉を一顧だにせず、どんどん山方面に車を走らせると、いきなり幅員減少!!あかん、この道幅では、対向車が来たとき、絶対にすれ違えないぞ!

と、びくびくしながら運転するが……結果的に対向車、一台も来なかった…。

おかしいな。さっき、「人気と知名度は急上昇」って書いたけど、人の気配が感じられない…。

大丈夫か、チャツボミー!?

 

八ッ場ふるさと館から1時間くらい。草津温泉から30分くらいで到着。

杞憂でした!ここには人がたくさんいた!観光バスとかも来てた!

どうやら、チャツボミゴケ公園に至るには、野反湖方面から行く道の方がメインらしく、多分、そちらは道幅、まあまあ広いのでしょう(行ってないからわからないが…)

穴地獄・チャツボミゴケ|(一社)中之条町観光協会|群馬県

↑ 中之条町観光協会のHPに地図が載ってました。手書き…。ステキすぎる。

 

受付で入場料(500円)を払い、群生地までバス(協力金100円)に乗る。

バスに乗らずに歩いてもいいらしい。今回は大人しくバスをチョイス。足元サンダルだったし…

ちなみに、今年度から群生地までの車の乗り入れ制限が始まったらしい。昨年度までは空いていれば近くまで車で行けたのか!ちょっと遅かった…

バス内では謎の「なかのじょうの歌」の映像が流れていて、イイ感じ。

♪なかのじょうは~ 春には春の花々が咲き~ 夏には夏のそよ風が吹く~

谷を越え~ おいでなせこの町へ~♪

グッド!!ゆるい!いいところだね、中之条。(YouTubeで見られるみたいです)

 

バスは5分くらいで群生地着。

砂利敷きの遊歩道を穴地獄(公園最大の見所)までザクザク歩く。

戦前までこのあたりは群馬鉄山と呼ばれ、国内第2位の生産量を誇る鉱山だったらしい。

知らなかった~。G県に鉄鉱石があったのか!

現在でこそ、日本は地下資源の乏しい国という認識だけど、昔はいっぱいあったんだな~。佐渡とか石見とか三池とか。全部掘り尽くしちゃったのか…。

うーん…。いろいろ考えされられるなあ…。

 

しばらく歩くと、脇を流れる川にチャツボミーが登場!

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苔の島。モスアイランドと呼びたい。

 

おお!良い感じにもこもこしている!

しかし、気のせいか、川からほかほかと湯気が立ち上っているような気が…。

すると、横を行く家族連れから「温泉だよ~」との声が聞こえる。

パンフレットを見ると「湯滝」の名前が。

なんと!

この川は温泉!!

さすが、名湯草津温泉のすぐそば。浅間山の麓。

万座や草津の湯は強酸性!

チャツボミゴケは強酸性の土壌に生えるって、そういうことだったのか~!!

確かに珍しい苔だよ、チャツボミー!

そんでもって、この川に手足つけたら気持ちよさそうだな~。

余談だけど、このあたりのアジサイは真っ赤なんだろうな…。

 

すぐにこの公園最大の苔の群生地、その名も「穴地獄」に到着。

すごい景観! 

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 穴地獄。ネーミングセンスに乾杯!

 

穴地獄をぐるっと囲んで木道が整備されているので、そこを巡ってチャツボミーを堪能。

写真で見た時は、深い森の中、という雰囲気だったけど、実際は地獄だ…。

温泉だから湯気が立ってるし、黒茶けた岩に苔だけが青々していて、生き物が住めない感がある。

最果てっぽい。

面白いな~。山奥にこんなところがあるんだ~!

 

穴地獄の奥に強酸性のお湯の湧出地があって、じっと見ていると、ぽこぽこ泡が立ち上ってきて、「湧いてるね~」と友人達と楽しんだ。

きっと、ゆる~い時代なら、ここでちゃぽんと手を…。いかん、いかん。

穴地獄自体はそれほど大きくないので、20~30分で一周できる感じ。

チャツボミーじゃないスギゴケとかも生えていた。

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スギゴケさん。私の中の苔界のエース

 

チャツボミーを堪能した後、再びバスで受付周辺へ。

売店に寄ってみると、苔盆栽(チャツボミゴケではない)が売られていたので、衝動に駆られて購入!

だって、チャツボミー堪能しちゃったから、心が苔ラブモードになっちゃってたんだもん!苔、かわいい~!

前に枯らしてるけど、今度こそ!!

 

そのまま、売店を後にしようとしたところ、レジ横で売っているアイスの中に妙なものを見つける。

チャツボミゴケ味…

緑ベースの中に茶が混じり合っていて、確かに苔っぽい見た目!

友人達と「一体、あれは何だ」とざわざわしていたら、店員のおじさんが「食べてみる?普通は試食してないけどね。買わなくてもいいよ~」と怪しい笑みをたたえて、声を掛けてくれた。

いただきました。

ミント系だった…。絶対、緑は抹茶だと思ったのに。このミントがちょっと青臭くて、苔の味っぽい。完成度高いな!

「ふふふ。それだけじゃなくてね、ほうじ茶とかも入れてるの」と満足げな店員のおじさん。ちなみに、おじさんの意見によると「ほうじ茶が一番おいしい」とのこと。

おじさん、気さくでいい人だったので、アイス購入!

しかもおじさんの好意で、チャツボミゴケ味とほうじ茶味のハーフ&ハーフにしてくれました。うまうま。

おじさん、ステキだ。そして、商売上手だ。

 

大満足でチャツボミゴケ公園を後にした。

うーん、永年あこがれ続けたけど、期待どおり!見所もがっちりで楽しかったな~。

草津温泉旅行のついでとかに、是非寄るべき!と声を大にして伝えたい。

また一つ、G県の見所を発見できて嬉しい私である。わーい。

ちなみに、帰りがけに草津温泉でまんじゅうを買って帰りました。…全く、お湯につかってないけど…。

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購入した苔盆栽。500円。安い!赤いのはコアカミゴケだそうです。実は、購入からしばらくたった現在は…多くは語れない。うう…。

 

suishian.hatenadiary.jp

 以前、こんなのも書きました。