赤城山(黒檜山)~雪ふる前に~
新年あけましておめでとうございます。
今年も変わらず、気ままに続けて行きたいと思います。
どうぞよろしくお願いいたします。
新年明けてはいるのだが、昨年の12月初旬の赤城登山の話から2019年をスタートしたい。
赤城からスタートだと、なんだか縁起が良い気がする。なんといっても、わがふるさとの山!
実は当初は赤城に登る気持ちは全く無かった。しかし、11月に妙義山と榛名山を立て続けて登ってしまい、私の頭の中に「上毛三山制覇」の文字がちらつき出したのだ。
2つ行ったら、最後の1つを外すわけにはいかない。
コンプリートを目指すコレクター魂がわき上がり、欲望という名の電車が走り出してしまった。欲望は振り払おうとしても振り払いきれず「もう、行こう。行くしか、自分の気持ちをおさめる方法が思いつかない…」と、なにか悲壮な気持ちで赤城行きを決意したのだ。
時は12月。今すぐにでも行かないと、雪が降ってしまう!もう、明日にでも行きたい気持ちだ。
週末すぐにでも山に誘える一番手軽な人選として、今回、私は伝家の宝刀を抜いた。
父と登山。
ちなみに父は本人曰く登山歴60年以上だそうだ。すごいな。山を登って半世紀以上。
11月までは秋の延長線上のような気候だったが、12月に入って、一気に寒さを増してきた。
登山口に向かう車の温度計は「-2℃」を表示している。
寒いじゃないか!マイナスじゃないか!
さすが赤城。冬本番にはカルデラ湖である大沼が全面結氷して、ワカサギ釣りが楽しめる場所である。寒いのだ。
8:30 大沼湖畔の大洞駐車場着。
赤城山は榛名山と同じく、「赤城山」という山頂は無い。地蔵岳や長七郎山や鍋割山などのたくさんの峰をあわせて「赤城山」なのだ。
ちなみにG県民のソウルカルチャー「上毛かるた」で「裾野は長し 赤城山」と読まれているとおり、その長く美しい裾野が特徴である。数万年前に大噴火し、山の上部分が吹っ飛んだため、今のようなガタガタの形になったが、それ以前は富士山型をしていたであろうと言われている。上部がそのまま残っていたら、富士山より高かったのではないか…?と聞いたこともあるが、どうだろう?
山の神様の話としては、日光男体山と激しい戦いを繰り広げた話なども有名だ。(諸説あるが、赤城が負けたらしい…。昔から、土地木県(仮)には負けっぱなしな気がして涙を禁じ得ない)
本日は駒ヶ岳側から登り、黒檜山に縦走して、そのまま下るコースで行く。父曰く、その方が登りが緩いので楽だと思う、とのことである。
私は山登りぺーぺー時代に、この逆コースで登った。とにかく加減のわからない時代にガツガツ登ったので、翌日以降数日間、激しい筋肉痛に泣いた記憶がある。
今回はどうだろう?装備も充実、嬉しいな(byエキセントリック少年ボウイ)なので、少しは上手に登れるようになったと思うのだが…。
8:50 登山開始。寒いけれど、天気良好。
木々の間から大沼が見え、登るにつれてだんだんと遠くなるのがなんだか嬉しい。
振り返ると、地蔵岳の上に電波塔がたくさん並んでいるのも見える。テレビなどの電波の中継点なのだ。G県では屋根の上のテレビアンテナは赤城に向けて設置する。(ちなみに地蔵岳は小学生の遠足定番コースでもある)
しばらく歩くと、鉄の階段が現れる。
「うん。そうだ、長い階段ばかりだったな、確か」と父。十数年ぶり(もっと?)に登るという父はどんな感じだったかまったく覚えていないらしい。
…実は、数年ぶりの私もあまり覚えていない…。筋肉痛しか覚えていないなんて、あんまりだ…。
階段を黙々と登ると「階段はキライだな、うん」という父の声。激しく同意だ、父よ!
でも、赤城は整備がしっかりしていて、段差が低めにそろっているので、比較的登りやすい。
9:45 階段を登りきり、見晴らしのいい場所に出る。
下界が見渡せていい景色だ。
写真を撮ろうと、アイちゃん(iPhone)を取り出して、カメラを起動した途端、ブラックアウト…。
またか!?またなのか、アイちゃん!!
昨年、荒船山に登った時も、寒さに凍えて、冬眠しちゃったよね!
(アイちゃんは寒がりなので、気温が低い場所では電源が落ちることがある)
うう…。しかし、これは予想すべき事態だった…。なんと言っても2回目だからね…。しかし、前回同様何の対策も講じていない私…。ばかばか。私のばか。
モバイルバッテリー持って行くべきだった。以後、寒い登山には必ず持って行くこと、と心のノートに書き留めた。うう…。
できることといえば、アイちゃんを暖めるべく、ズボンのお腹部分に挟み込むことだけ。人肌で暖めるのが一番よね。遭難時の常識(?)
復活してくれ、アイちゃん!
ヤマレコでGPSログもとっていたのに…。(でも、相変わらずブログへの貼り付け方はよくわかんない)
10:05 駒ヶ岳山頂着。1685m。魚肉ソーセージを食べて休憩。
ここで、アイちゃんを再起動してみたところ、復活した!
電源につながなくても、復活するみたい!よかった~。体温を分け与えた甲斐があった!
GPSのログが不自然に途絶えているが、まあいい。後からみたら、「ここで消息を絶った」という感じがするけど…。
ここから、頑張ってね、アイちゃん!凍えないよう、ポケットに入れて歩くことにする。
休憩後、次なる目的である黒檜山を目指して出発する。
当たり前と言えば当たり前なのだが、駒ヶ岳山頂から一気に下る。
かなり下るので、なんだかもったいないような気になる。せっかく登ったのに…。黒檜に行くには下った以上に登らなくちゃならないのね…。
10:30 大だるみ着。下りきったので、ここから黒檜に向けて、登りが始まる。
登りは木の階段が多く、階段嫌い親子の私たちにはちょっと辛い。整備はしっかりしているので、登りやすいけれども。
「やっぱり、駒ヶ岳から下ったのがもったいなかったな」と父は階段をにらんでいる。登山歴60年超えでも、初心者の私と同じようなこと言うんだなあ、となんだか感慨深い。三つ子の魂百まで(使い方間違い?)
黙々と階段を登り、11:20頃、「絶景スポット60歩」の看板に出会う。
60歩…!!細かっ!
山頂とは反対方向だが、60歩なら行くよねえ…。60分じゃ行かないけど。
歩数を数えていた登山者の方が、「ま、そんくらい」と言っていた。
「日本一の関東平野 筑波山」との触れ込みも書いているけれど、私は筑波山見るの忘れた…。うっかり日光方面ばっかり見てしまった。痛恨のミス!
よく見れば、筑波山見えたのかな…?
絶景スポットから、標識どおりすぐに黒檜大神が祀られた神社のある南峰に着。11:30。
さらに先に歩を進め、11:40黒檜山頂着。1828m。
気温があがってきたので、多分霜柱が溶けて、山頂付近はどろどろ、ぐちゃぐちゃ。
うーむ、お昼ごはんを食べるスペースを探すのが大変だ。泥の海にわずかに顔を出す岩はすでに先人に占められている。
隅っこの方の比較的固めのゾーンで、空気いす状態になりながら、鍋焼きうどんをすする。長時間、空気いすは辛いので、最終的には立ち食い。まあ、それもまた良し。
鍋焼きうどんは寒い日には最高!
お腹がふくれた後は、山頂の奥にある「絶景スポット」とやらに行ってみる。2分だっていうし、行かないわけにはいかない。
どろどろぐちゃぐちゃ道をたどると、確かに絶景スポット!下界一望!
しかも、こちらは地面が比較的乾いている。父も「こっちでお昼にすればよかった…」と言っていた。そうね。お互いに初めて登った山じゃ無いのに、この絶景スポットをまったく覚えていなかった…。
目を転じれば、木の枝が砂糖菓子のように凍り付いている。これが霧氷!地元テレビの視聴者投稿コーナーによく出てくるヤツだ!初めてみたので感動。
もう、すっかり冬なんだな~。本当に雪降る直前ギリギリなのだろう。
12:30 山頂発で下り始める。
黙々と下って、写真一枚撮っていない…。寒さのせいか、アイちゃんの充電残量がかなりの危険ゾーンに達してしまったのだ。
ヤマレコを動かしていると、結構電池くうのね。やっぱり、モバイルバッテリーが必要だった。
道は結構急で岩が多い。こんなに急だったのか…。
ぺーぺー時代の私は、この道を愛用のスニーカー(コン●ース)で登ったのだ。(ついでにザックはユニ●ロ)
…すごいな、当時の私。
今、まわりを見渡しても、そんな無茶をしている人はいない。当時、きっとまわりのベテラン登山者の方をハラハラさせてたんだろうなあ。
安心してください。今ではトレッキングシューズ、履いてますよ。(by安村さん)
14:00 無事、黒檜登山口着。楽しい登山であった。父も満足気。
赤城山、いい山だ!
初めての登山にぴったりの山なのではないだろうか。ちなみに、私も初めて登った百名山は赤城山だ。(コン●ースで…)
急勾配もあって登り甲斐もあるし、その先に絶景スポットはあるし、登山道もしっかり整備されているし。ついでに下山すると湖畔に売店もあるし。(冬はわかさぎの天ぷらも食べられる!)
雪が降る前に赤城に登れてよかった。
これにて、2018年上毛三山制覇である!
そういえば、今年「上毛三山スタンプラリー」というのをやっていたけど、どうせ、全部は行かない、と思って参加しなかった…。悔やまれる…。
<コースタイム>
8:30大洞駐車場…8:50駒ヶ岳登山口…10:05駒ヶ岳…10:30大だるみ…11:20絶景スポット…11:20黒檜南峰…11:40黒檜山(昼食30分)…12:20絶景スポット②…12:30下山開始…14:00黒檜登山口…(赤城神社経由)…14:30大洞駐車場