「この御朱印が凄い!」地球の歩き方編集室/「御朱印トレッキング」(公社)東京都山岳連盟監修
富士山で焼印を集めまくった私だが、それと同時に御朱印も頂いてきた。
焼印だけでは片手落ち!御朱印も見逃す訳にはいかない。
富士山の山頂には久須志神社(浅間神社の末社)と冨士山頂上浅間大社奥社があり、それぞれ御朱印が頂けるのだ。
なかなかの高額(1000円)だったが、山頂の御朱印はこのチャンスを逃したら、一生後悔するかもしれない、との強い覚悟で、両方頂いてきた。何しろ、この先、富士山の頂上まで行くことが、そんなに度々あるとは思えない。
頂上まで登って、山の神様(富士山はコノハナサクヤ)にご挨拶した証だ。とても嬉しい。
もちろん、事前情報で御朱印がいただけることは知っていたので、自前の御朱印帳を持参した。
しかしながら、帰宅して、バイブルである「この御朱印が凄い!」(第壱集)を開いて、自分のミスに気づいてしまった。
5合目の小御嶽神社でも御朱印がもらえたらしいのだ。しかも、小御嶽神社の御朱印は、そのものズバリど真ん中に「富士山」と、どーんと書かれるらしい。
しまったー。こっちも頂けばよかったー。
登山前に5合目でうどんを食べているときに、神社があるな、とは思っていた。そして
、ものすごく混んでいるな、とも確か思った。(5合目は全体的にどこもかしこも混んでいた)しかし、その時は、御朱印の発想はなく、頂上までの道のりのことばかり考えていて、お参りすらしそびれてしまったのだ。
登山前の事前学習の時に、どうしてこの本を開かなかったのか、と自分を責めるが、今となっては後の祭りだ。
本を開きながら、一人静かに反省する。根が暗いので、ひたすら、どんより落ち込むだけ。
さらに「この御朱印が凄い!」を再読してみたところ、いろいろな情報が詰め混まれていることに気づいた。
富士山山頂でいただいた御朱印の色は、なんとなく黒ずんでいる。他の寺社の鮮やかな朱印とは明らかに色が違う。
頂いた時は、さすが富士山山頂は、渋い色だな、と思った。渋い大人は深煎りコーヒーをブラックで飲む、みたいな感じだ。
実はそんな、簡単なものじゃなかった!
「この御朱印が凄い!」によると、この色は、朱肉に富士山の溶岩をすりつぶしたものを混ぜ、溶岩の色に似せているのだそうだ。
溶岩が混ざっているとは!ホンモノだ!!
相場より相当高い費用は、山頂価格というよりは溶岩価格だったのかもしれない。これは納得のお値段だ。
富士山を登っているときに、実感として、周りの岩が赤いな、と感じていた。同行のイト坊と「赤富士って本当なんだねえ」「昔の富士山の絵を見ると、赤で書かれたものがたくさんあるらしいよ」などと会話していたのだ。
朱印の赤色で富士山の溶岩の色を表すとは、さすが山頂の浅間神社だ。
御朱印を見返す度に、あの富士山の光景がよみがえってくるではないか。ありがたい!
そして、山頂でただ御朱印を貰っただけでは、溶岩が混ざっていることなど知らなかった。
知った今、いただいた御朱印にありがたさと益々の愛着を感じる。お気に入り御朱印だ。英語で言うとMy favorit GOSYUINだ。英語で言う必要なかったか。
知ることって大事なことだ。教えてくれてありがとう、本よ。
もう一つ、この本で得た情報をついでに記しておく。
富士山の土地の所有者は一体誰なのか?
実は、8合目より上は、浅間神社の境内なのだそうだ。(それより下は…?どうやら国有地か県有地のよう)
このあたりのいきさつは、本には記載されていないが、いろいろ面白そうなので、別に調べてみたいと思う。(静岡山梨県境問題とかもからむみたい)
日本の山にはそれぞれ山の神様がいて、概ねその神様を祀った神社がある。山は信仰の対象で、修験者達などが修行の場として、山道を切り開いて、山頂などに祠や社を設置した。
有名な剱岳の逸話(明治時代に剱岳に初登頂した際に、頂上で平安時代くらいの僧侶の持ち物である錫杖の頭が発見された)もあるとおり、修験者は登山家と言った方がいいのでは、と思うくらい、各地の険しい山を登頂している。
それなので、登山のために山に行くと、一緒に神社やお寺にも参拝できることが多い。そうすると、御朱印も頂けるのだ。
登山と御朱印集めはとても近い場所にある。
先日、深夜のア●ゾン閲覧中に私はある本のタイトルに釘付けになった。
「御朱印トレッキング」東京都山岳連盟 監修
操られるように自然と人差し指に力がこもり、ぽちっと買い物カートに追加してしまった。
やはりあったか。登山と御朱印集めの二つを合わせたガイド本が。
あると思ったのだ。だって、先ほども言ったが、登山と御朱印集めはとても近いのだ。山に登りに行くついでに、御朱印も集められるのだ。
だったら、両方を兼ね備えた本が出るのも必然だ。かゆいところに手が届く、日本の出版業界!ニッチな需要に応えてこそ!
この本のターゲットはどのどちらか一方でも興味がある人なのだろうが、その両方に興味がある私が購入しないわけがない。深夜のア●ゾンという危険ゾーンにいなかったとしても、即決で購入したはずだ。多分…。
さて、「御朱印トレッキング」は東京近郊の低山トレッキングを中心に、御朱印も頂ける社寺を紹介している。
低山中心ではあるが、なんと富士山も紹介されている。やはり、これはどうしても押さえておかねばならない、と東京都山岳連盟が考えたのだろう、きっと。
紹介されているのは、まずは静岡県の富士山本宮浅間大社から山梨の北口本宮富士山浅間大社に巡り、吉田ルートで富士山頂まで登るというがっつりコースだ。
そうか。麓の浅間大社から巡る方が、より本格的だったか。
しかしながら、この本では富士スバルライン5合目を通過するコースだが、小御嶽神社には全く触れず、完全スルーである。
「この御朱印が凄い!」によると、「富士山」御朱印が頂けるというのに。
代わりと言っては何だが、焼印集めが紹介されている。
私とすると、「この御朱印が凄い!」と「御朱印トレッキング」の2冊の情報が、うまい具合に補完し合っているので、ちょうど良い。ガイドブックは2冊以上は読む方が、自分好みの情報が取捨選択できてちょうど良いのかもしれない。
しかし、この2冊を改めて読んだのは富士山下山後なのだった…。
その他にも、「御朱印トレッキング」ではオススメの山と寺社のコースが紹介されている。
最も目を引いたのは、御岳山と武蔵御嶽神社だ。
お犬様(狼)を祀っているという。秩父の三峯神社のように、狼が狛犬なのだろうか。是非とも行ってみたい。
トレッキングコースもケーブルカーが利用できて3時間半くらいと冬の低山めぐりにとても良さそうである。
今年の冬は御岳山だな、と期待ににやにや含み笑いをしながら、心のノートにメモをした。いい本、見つけたな~。
しかし、本を読み進めていくと、私に大きな失望が走った。
12年に一度の戌年の式年大祭の年のみ狼の限定御朱印が頂けるという。
本には「今年はいただける」などと記載があるが、私は令和元年、亥年に読んでいるのである。次の戌年っていつよ!11年先だよ!
通常の御朱印も木(杉?)でなかなかステキな意匠だが、どうせなら狼の方がいい。だって、カッコいいから。俗な理由で申し訳ない…。
11年後に行くために、ずっと暖めておくべきか、もう諦めて今年行くか…迷う。
限定御朱印の事など知らなければ、すっきり思い立った時に行けるのだが…。時に情報はあればあったで人を惑わすものなのだ。
その他、紹介されていたコースでは、鎌倉アルプスに行きたい。鎌倉五山制覇は私の悲願である。
日本全国この御朱印が凄い! 第壱集 増補改訂版 (地球の歩き方―御朱印シリーズ)
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