「sol×solがおしえる 多肉植物育て方ノート」松山美紗 監修
冬になると、なんとなく部屋が狭く感じる。
ベランダに出しっ放しにしている多肉植物たちを室内に入れるからだ。
1鉢2鉢ならたいしたことないが、小さい鉢がごちゃごちゃと20鉢くらいある。けっこうな量なのだ。
多肉植物はとにかく種類が多く、世界中にコレクターがいるらしい。コレクターってどこにでもいる…。コレクターの世界の奥の深さよ。
私は別に多肉植物コレクターではないが、ちょこちょこ買っているうちに、だんだん増えてしまったのだ。
私が多肉植物を育て出したのは、多分10年以上前だ。つきあいで「寄せ植え教室」に参加したところ、寄せ植える植物が多肉植物だったのだ。パンジーとかの寄せ植えだと思ってたのに…。
初めて多肉植物を手にして「何じゃコレ…。葉っぱが肉肉しい…」と不信感いっぱいだったのだが、できあがった寄せ植えを毎日眺めているうちにだんだんと愛着が湧いてきた。
ハムっぽい感触の葉っぱは、しっとりとして手になじむし、ぷりんぷりんした見た目もかわいい。
そして、何より水をこまめにやらなくても全然枯れない。多肉植物は葉に水分をためる植物なので、多少、水やりを忘れたところで問題ないのだ。ラクダと同じだ。
しばらく「けっこういい寄せ植えじゃないか~」と眺めていたところ、何やら葉っぱがぐんぐん伸びていく。
「生長早いんだな。大きくなれよ~(by●大ハム)」と楽しく見守っていたが、多肉ちゃんは茎をどんどん伸ばし、葉の密度はすっかすかのひょろひょろに。
「これは…生長じゃないかもしれない…」とようやく気づき、ネットで検索して、この状況が日光不足の「徒長」であることを知る。
アカンやん!窓際に置いといたのに!
ひょろひょろに伸びた多肉ちゃんをあわてて外に出してみたが、時すでに遅し。そのまま、半分ほどがご臨終した。
ごめん…。知識が無いって、許されない時もあるのだ。
この反省を活かし、多肉ちゃんの実用書を何冊か購入し、知識の習得に努めた。
その中で、一番お気に入りの本が「sol×solがおしえる 多肉植物育て方ノート」だ。
(ちなみにsol×solとは、多肉諸物専門のお店だ)
何がいいって、掲載されている写真が非常にお洒落なのだ。ステキすぎる。
すでに多肉植物を「かわいこちゃん」ととらえることのできる私の目には、アイドル名鑑であるかの様に見えてくる。いろいろな多肉ちゃんの写真がずらりと掲載。
さらに、掲載されている寄せ植えが、ものすごく可愛い!そのかわいい寄せ植えが置かれた部屋の写真は、インテリア雑誌そのものだ。
す…ステキ!
「多肉植物育て方ノート」には寄せ植えの作り方もしっかりと書かれている。
早速、本を片手に、葉差しで増やした多肉ちゃんたちで寄せ植えを作ってみたりする。
割と簡単に良い感じに出来る。ほれぼれ。
多肉ちゃん、できる子や…。
私のようなずさんな人間でも、そこそこな寄せ植えができてしまう。ポテンシャルが高い。
いそいそと出来上がった寄せ植えを窓際において、重大な事実に呆然とする…。
徒長するかも…。
多肉ちゃんは日光が好き。日光不足だと、あっという間に徒長してしまうのは、一番最初に経験済みだ。
屋外に置けば多分、ぷりぷりのまま良い感じに生長してくれるだろう。
しかし、ステキに出来上がった寄せ植えは、インテリア雑誌みたいにお洒落な感じに室内に置きたいのだ。私のごちゃごちゃな部屋が多肉ちゃんの寄せ植え一つでお洒落になる訳が無い、という声はちょっと置いておく。
本当なら、窓際じゃ無くて、本棚とかお風呂場とかの水回りあたりに置いてみたりもしたい。しかし、そこは日光が足りないのだ。もっと光を…!!(byゲーテ)
とりあえず、窓際においてしばらく愛でることにする。あまり長期間じゃなければ大丈夫だ。
徒長の兆しが見えたら、室外に出して、場合によっては切り戻しをして形を戻す。
めんどくさい…。
結局、いくつか作って友達にあげたりしたが、最近はあまり作っていない。作っても、屋外に放置している。
マメじゃ無い私を許して…。でも、私は多肉ちゃんの「水やりしなくても大丈夫」というずさんなところに惚れたのよ。しょうがないよね。
「多肉植物育て方ノート」にはいろいろな種類の多肉植物が掲載されている。
しかし、それでも図鑑としては全く足りていない。我が家の多肉ちゃんたちでも掲載されていないものがかなりある。
冒頭にも書いたが、多肉植物はとにかく種類が多いのだ。
「えっそれも多肉ちゃん?」と言いたくなるようなものも沢山ある。ただの球根からちょろーんと葉っぱが生えているだけのものとか。←こんな変な植物なのに、買うとかなりいいお値段がする。レア?
また、名前が知的でロマンチックなものが多く、「かーーっ名前つけた人、センス良すぎる!」とうなってしまうことも多数だ。
「月兎耳(つきとじ)」は見た目が兎の耳みたいだから。全体に細かい毛がふわふわしていて、先が黒いのだ。
すばらしいネーミング!「月」が付いているところがセンスの良さだ。
「朧月」「ブロンズ姫」も好きな名前だ。
ちなみに、我が家の朧月は、初めて作った寄せ植えから生き残っている長老だ。
私のテキトーな世話にも負けず、ものすごく丈夫なのだ。このまま長生きして欲しい。
また、花が綺麗なものが多い。
奇妙な形態の極みだと思うリトープス属の花はけっこうお気に入りだ。
リトープスは植物には決して見えない。強いて言うならキノコに近いような気がする…。
最初は「キモチワルイから、私はリトープス属には手を出さない」と決めていたが、今では「リトちゃん、かわいい模様だね」と、ぴとぴとお触りしながら話しかけている自分がいる…。人って変われるものだなあ。
最後に、今、一番気に入っている多肉ちゃんの写真を載せておく。
「ビーンズレーマニー」である。
「多肉植物育て方ノート」に載っていないし、私が持っている他の本にも載っていないので、イマイチ詳細はよくわからないが、ころころした感じが気に入っている。
伸びすぎているので、そのうちカットするつもりだ。
冬になると、多肉ちゃん達が室内で圧倒的な存在感を放っているので、やはり、どうにも気になってしまう。
そして、ついつい葉差しで増やしてしまったりする。(多肉植物は簡単に増やせる。葉っぱを取って、土に転がしておけばよい)
春になったら、また寄せ植えを作ろうかな。かわいく仕上げて、お洒落なインテリアに再挑戦したいものだ。
今日、「多肉植物育て方ノート」の写真を、またじっくりと眺めてしまったので、気持ちが盛り上がっている。
愛いヤツめ…。ふふふ…。