旅館のビニール巾着~山の持ち物 その1~
そろそろ山に行きたい、とは思っているが、季節は梅雨ど真ん中である。
去年は立山で雨風にさらされていたな、なんて懐かしく思い出すが、今年は梅雨明けまでもう少し様子見をしている。
とりあえず、今は山の持ち物でも見直してみようと思い立ち、うきうきと雑誌を見たりしていたところ、ふと、ものすごく欲しいと思っていたものがあったことを思い出した。
温泉旅館のビニール巾着である。
私は山に行くとき、荷物の小分け袋として、このビニール巾着を愛用しているのだ。
私にとってのスタッフサックだ。
柔らかくて丈夫。ビニールなので、もちろん水気にも強い。しかも、ビニール特有のがさがさ音は少なく、Tシャツとかを入れて、ぎゅーっと押しつければそのまま抵抗なく小さく収まる。
色も豊富なので、白は着替え、赤は防寒用の上着、黄色は行動食、などと見た目で中身がわかるようにできたりもする。
スバラシイ。見た目とかさえ気にしなければ、パーフェクトと言ってもいいのではないか?正にパッキングのためにあるような袋である。
私は普段、パッキングは得意だ、とうそぶいているが、それはこのビニール巾着があるからこそなのだ。
しかしである。
ここ最近、温泉旅館でこのビニール巾着を見かけなくなってしまったのだ。
一時期はどこの温泉旅館に泊っても、浴衣の横にそっと奥ゆかしく、このビニール巾着とタオルと歯ブラシはセットで添えられていた。
温泉のお供として、主にタオルを収納するために添えられたビニール巾着は、長いこと日本の温泉旅館の定番であった。私は、どうして、どこでも同じ袋なんだろう、とまで思っていた。
それなのに、ここ最近は主に手提げ式の袋に主役を取って変わられてしまったのだ。
温泉旅館に行くたびに、今回はどうだろう、と期待して乱れ箱(浴衣を入れておく箱)を見るが、去年くらいから全くビニール巾着には出会えていない。
無くしてわかる、そのありがたみ。
確かに、お風呂に行くときにタオル他を入れて歩くには、手提げタイプの方が便利だ…。逆になんで、長いことその事実に気づかすに、巾着タイプを提供し続けた来たのだ、日本の温泉旅館よ。
温泉旅館の客としてはわかる、もしくはありがたい改革なのだが、私にとっては改悪以外の何者でもない。
愛用のビニール巾着の入手経路を絶たれるという、緊急事態。
今はまだいい。過去にためたビニール巾着があるので、それが使える。
しかし、写真を見てもわかるように、何回も使い込んでいるので、結構くたびれてきているのだ。そのうち、穴があいたり、端っこが破れてきたりするものも出てくるだろう。
そうしたら、頑張って欲しい気持ちはあるが、現役を退いて貰うしかない。それなのに、その穴を埋める若手が全くいないのだ。
これはゆゆしき事態である。
どうにかして、ビニール巾着の若手を入手しなければならない。
多分、パッケージプラザとかの店には売っている。
ついでに、先日メルカリで検索してみたところ、結構売られている。(意外と買う人はいるらしい)
その気になれば、簡単に入手は可能である。
でも、どうしても、以前は無料で入手していたのにー、という気持ちが邪魔をして、購入する気持ちになれないのだ。現に今は足りているし。
さらに、どうせお金出すなら、ちゃんとしたスタッフサック買えばいいんじゃないの?という声も、頭のどこかから聞こえてくる。
ううむ。気づいた時に行動(購入)した方がいいような気もするし、これを期に、新しい道(立派なスタッフサック)を歩き出した方がいいような気もするし…。
迷う。とても迷っている。
とりあえず、まだビニール巾着を提供してくれている温泉旅館はきっとあると信じて、旅館で探し続けたいと思う。
ちなみに、友人に何度かこのビニール巾着のハイスペックさを力説してみたが、共感してくれる人はいなかった…。
見た目がイマイチなところが良くないのだろうか?スーパーの袋的なチープさが良くないのだろうか…?
お洒落でない。これは間違いない。でも、ものすごく出来るヤツなのだ。
最後に、こんな私だが、下山後のお風呂セットは購入したスタッフサックを使っている。(コールマン製品)
見た目以上にぎゅっと沢山のものが入って、丈夫で便利だ。さすがに高性能である。
このスタッフサックの中に、着替えを入れたビニール巾着をさらに入れる。これが私の定番だ。
ここでも、ビニール巾着は無くてはならない存在だ。
私、ビニール巾着に頼り切ってる…。
やっぱり、買い足しておくべきなのかも。
ついでに 一応付け加えるが、温泉旅館のビニール巾着以外に、無印良品のたためる巾着袋も実は愛用している。
オマケ
温泉セットに入れている手ぬぐい。
ぐんまちゃんは素直だから、G県民の胸に秘めた思いをストレートに声に出せるのだ。
G県の中村染物工場の商品。見つけた瞬間、即買い。