睡紫庵文庫

身辺雑記をまじえた読書雑記です。

「らせん」鈴木光司

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 「ヤ○ルト菌はおなかの中で一日しか生きていられないらしい」  

という衝撃の事実を先日聞いた。  

だから「毎日一本ヤ○ルト」飲まなければならないらしい。そうしないと、せっかく飲んだおなかに良いヤ○ルト菌が死滅してしまうからだ。  

……本当か!?本当なのか!?  

そんな企業にとって都合の良い菌があるのか!?  

本当はその気になれば、もうちょっと長く生きられるヤ○ルト菌ハイパーが作れるんじゃないのか!?  

でも、そういう寿命の長いヤ○ルト菌を作ってしまうと、ヤ○ルトが売れなくなってしまうから、あえて寿命を短くしているんじゃないのか?  

 

ヤ○ルトには研究機関があるらしい。  

そこで、寿命の長い、腸内に定着する菌を開発したとする。  

研究の甲斐あって、その菌がものすごく長い寿命を持ち、多少の事じゃ死なない強い生命力と増殖力をもつスーパーヤ○ルト菌ハイパーが生まれる。  

……なんか、こわいぞ。  

おなかの中が、ヤ○ルト菌だらけになるな……。  

ヤ○ルト=おなかに優しい菌のままだったら、腸内でどんどん増えてもらえるとありがたいのだろうが、それが研究開発されるにしたがって、おなかにやさしくない菌に変異してしまったらどうしよう……。  

SF小説のセオリーでは、こういう開発された菌は、変異すると決まっている。そして、意識を持ち、人類に対して優位に立とうとして、攻撃を加えてくるのだ。  

しかも、あの小さな一本にヤ○ルト菌は150億個も入っているらしい!  

うーん、すごい数だ。地球の人口の3倍近く居るじゃないか……。これを敵に回したら、まず間違いなく勝てないだろう……。  

人のおなかの中という、攻撃しづらい場所にいるわけだし……。人間がヤ○ルト菌に操られちゃったりしそうじゃないか!  

 

そんなある意味セオリー通りのウィルスが登場するのが「らせん」だ。ご存じ大ヒットした「リング」の続編である。  

この中で、例のビデオによって、人が死んでいくのは「山村貞子ウィルス」に感染したことが原因だ、ということが解明される。しかも、そのウィルスは変異を繰り返し、爆発的に広まっていくのだ……。  

怖い、怖いったら怖い。  

私は映画も見てしまったので、この作品によると、もう立派な「リングウィルス(山村貞子ウィルス)」のキャリアだ。(多分、今のところ発病していない)  

ああ~久しぶりに、この作品のことを思い出したら、何か本当に体の奥の方から嫌~な気持ちになってきた。今日、夢に見てしまうかも……。  

それを考えると、ヤ○ルト菌って素晴らしい菌だ!ヤ○ルト菌ハイパーが開発されて無くてよかったよ!私の考えは180度変わった!  

ああ、ありがとう。一日でも、私の腸を守ってくれて。  

君たちは、私の腸を守る、というそれだけの使命を果たして、短い生涯を終えるんだね。  

その死を糧に、私は今日もがんばって生活するわ。  

ちょっとでも、もっと寿命が長くできるんじゃないの~?なんて思って悪かった。  

面倒でも、ちゃんと毎日一本飲んで、一生懸命働いて、私のおなかで息絶えていくヤ○ルト菌たちに、感謝の気持ちを捧げるよ。  

というわけで、私はヤ○ルト400(ヤ○ルト菌が通常よりも遙かに多く、400億個入っている)の7個パック(1週間分)を買ったのでした。  

味も好き。  

 

蛇足ですが、台湾に旅行したときに買ったヤ○ルトは日本版の2倍くらいの大きさで、日本版の大きさに「うーん、もうちょっと飲みたい」と思っていた私には丁度良い量でした。日本でもあの大きさのものを出してくれないでしょうか?  

また、これを読まれて、ヤ○ルト関係者の方、気を悪くされたら、ごめんなさい。  

ここのところ、毎日ヤ○ルトを飲んでいるので、ご勘弁下さい。

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 台湾のヤ○ルト。横の500mlペットボトルと比べて下さい。