「カバー、おかけしますか?」出版ニュース社編
私の趣味の一つに「しおり蒐集」がある。
そんなもの集める人なんているのか?と思う人が多いだろうが、世間は広いもの。私と同好の士はそれなりにいるのだ。(HPもけっこうあるので、時間のある方は検索してみて下さい)
世の中には、しおりはとにかく沢山ある。
観光地のお土産品だったり、映画や展覧会の割引券がついていたり、はたまた求人広告だったりもする。
その中でも、私が集めているのは、「タダ」つまり無料でもらえるしおりだ。(そうしないと歯止めがきかないので……)
文庫にはさまっていたり、書店のレジにおいてあったりする。
そもそも、こんなことを始めたきっかけは、コバルト文庫のしおりだ。
今でもそうだが、コバルト文庫にはさまっているしおりは毎月変わる。
しかも、私が読んでいた当時は、3枚の続き絵になっていて、3ヶ月連続でコバルト文庫を購入してはじめて完成する、というものだった。(ちなみに現在は、その月一番の人気作の表紙の絵がプリントされたしおりだ)
これが、少女だった私のコレクター魂にビビビっと来たのだった。
どうしても、3枚そろえて完品にしたい!燃えるぜ!
友人にもらったりして、コツコツ貯めていく私。こういう努力は惜しまないのだ。
しかし、50枚くらいになったあたりでしおりのモデルチェンジ。岩館真理子さんの女性の絵に変わった。
岩館さんの絵がどうのこうの、というのではなく、3枚で完成という達成感がなくなったため、しおり収集熱が減退。
そのあたりから、コバルト文庫自体を読まなくなり、しおりはそのまま放っておかれた。
しばらく、存在すらも忘れていたのだが、3年前くらいの大掃除の時に、そのしおりを発見。
そこで私は「ああ、集めたのよね~でも、いらない」とさっくり捨ててしまったのだ!
捨ててしまってからしばらくして、「カバー、おかけしますか?」を手に入れた。
この本は、全国各地の書店の書皮(ブックカバーのこと)を集めた本だ。書皮友好協会会員が選んだブックカバー大賞受賞作(2年に一度選んでいるらしい)も公開されている。
世の中には書皮を集めている人がいるのか~!書皮友好協会なんて組織もあるのか!しかも、こうやってちゃんと本にまでなるなんてすごい!
それに、書皮ってデザイン的にも面白く、個性があって面白いな!といたく感動してしまったのだ。
自分もちょっと書皮を集めたいな~と思ったりもしたのだが、私は「本にカバーかけますか?」と聞かれると「いりません」とずっと答えていたため(小さなところから、エコの精神)手元に頭金となる書皮がない。そして、今更長年の小さなエコ精神を変えたくもない。
そのときに、ふと、捨ててしまったしおりのことを思い出したのだ。
しおりだって、十分いろいろあって面白いじゃん!
これを集めたらどうだろう?
しかし、かつてため込んだしおりはすでに灰燼となっている。
ああ、私のバカバカ~!どうして、あのとき全部捨てちゃったのよ~!自分のコレクター癖を考えれば、こういう日が再び巡ってくることに気づきそうなものじゃないか~!
悔やんでも悔やみきれない。私の人生の2大後悔はこのしおり捨てちゃった事件と、大学卒業時の引っ越しでマンガを段ボール3箱分打ってしまったことだ。←これしかないのか私……。幸せな人生送ってるな……。
しかし、いくら悔やんでも、無いモノは無いのである。
うう……でも、しおり収集を始めたいよ~!
そこで、書棚の文庫本一斉捜索!
……大掃除シーズンでもないのに、何をしているんだ、私は……。
3日ほどかかりました……。ものすごく疲れました……。
でも、その疲れの甲斐あって、そこそこの枚数のしおり発見。
角川文庫は毎月変わって、バリエーション豊富なのに、文春文庫は恒に同じ……。新潮文庫はスピン(ひも)がついているので、しおり自体が挟まっていない、などの基本知識も身に付いた。
その後、コツコツと収集を続けている。結構たまってきた。くふふ。
よくコレクターに「そんなに集めてどうするの?」という質問をする人がいる。 多分、素朴な疑問なのだろうが、はっきり言って愚問である。
そんなこと、集めている本人ですら分かっていない……。
ただ、だんだんとたまっていくのが嬉しいのだ。そして、これは!という自分お気に入りのものが手にはいると、奇声をあげて走り回るくらい嬉しいのだ。
(私の場合は「ゆうめいと募集」の郵便ポスト(旧型)しおりをゲットしたとき、本屋のレジ前で「うひひひひひ……」と不気味に笑ってしまった←怖い)
でもまあ、とりあえずの私の目標は、「カバー、おかけしますか?」の様に、本が一冊出来るくらいしおりを集めることだ。
でも、それより前に、HPを作って、公開したいのだが……。遅々として進まない……。