「×-ペケ-」新井理恵 その1
ある意味、伝説的な四コママンガだと思う。
連載当時、私は学生だったが、友達はみんな読んでおり、何かある毎にそのネタを出して盛り上がっていた。
球技大会の卓球で「先生、僕もう駄目です……!」「アンデルセン!もういい!おまえはよくやったぁぁ!」とかね……。
嗚呼、青春時代。
……青春がペケで語れるっていうのも、なんか嫌な気持ちもするが……。
特に、印象的だったのが、学校のお弁当に「そうめん」を持ってくるくるなんて……!というヤツだ。
確か、3人の共同作業で、一人がタッパーにそうめん。
もう一人が魔法瓶につゆ。
もう一人がタッパーミニにフルーツ。(たぶん、缶詰モノ)このフルーツは大事だね、うん。
今風に言うならば、「お弁当にそうめん。ありえない!」って感じ。
それをやっちゃうのが、ペケの世界の面白さだ。
事実、高校時代3年間でお弁当にそうめんを持ってきた人を見たことがない……。(あたりまえか……)
私自身も友人たちと「うーん、いつかはやってみたいよね~」と言うだけは言っていたのだが、実現はできなかった。
だが、卒業を間近に控えたある日、ついに決意した。
「そうめんは出来なかったから、私たちは出来る範囲のことをしよう!このまま卒業しちゃうと、もうチャンスはないかもしれない。後悔しないために、そう、学校に宅配ピザを呼ぼう!」
おお~!そうだ!宅配ピザだ!
やろうじゃないか!
さすがに、昼休みには呼べないので(時間的に限られているので)放課後に呼ぶことにした。
まずは、学校の公衆電話からピ●ーラに電話。
当時は携帯電話なんてなかったので、公衆電話だったのさ……。
注文後、教室まで届けてもらうわけにもいかず(ピ●ーラのお兄さんが教室の配置を知っているとも思えないので)校門でひたすら待機。
卒業間近のシーズンなので、とても寒かった……。でも、ぶるぶる震えるだけの価値はあったさ!なにしろ、ペケの世界(?)を体験しているんだから!
そんな忍耐の末、校門でピザを無事獲得したときは感動したね。
I got it!
ピ●ーラ、ゲットだぜ!
やったぜ!ふははは!
友人たちと、はふはふ食べたピザはとってもおいしかった。
他の生徒には「何やってんの?」という呆れたような顔で見られたけどね……。
ペケの世界を体感したかったので、それもまた、楽し。こんなこと、滅多にやる人いないでしょ~?という、妙に誇らしい気持ちになったわ。へへーん。
卒業前のいい想い出になったね~。
そうめんは出来なかったけれど、かわりにピザ!
ああいう体験はもう2度とできない、と思うと、卒業前に思い切ってやってみてよかったな~。
やっぱり、出来るときにやっておくと、後悔しなくていいね。ふふ。
しかし、冷静に考えると、そんなことはやらなくてもいい経験かもしれない……。
多分、その後、私たちと同じことをする後継者は現れなかっただろうな……。やると楽しいのに~。残念だわ。
ちなみに、高校時代、昼休みに近所のラーメン屋(先生たち行きつけ)に食べに行ったこともある。ちょっとしたスリル体験だったのさ。
うちの高校、自由な校風だったなあ……。