「くまのパディントン」マイケル・ボンド
このあまりにも有名な児童書は、私の中で「崎陽軒のシュウマイ」としっかり結びついている。
なぜならば、小学生だった私がこの本を大阪梅田の紀伊國屋書店で買ってもらったとき、一緒に「崎陽軒のシュウマイ」を購入。そのシュウマイを本の入った紙袋の上に置いて、電車でガタゴト帰宅したからだ。
ご想像いただけると思うが、いや、もう、すごい臭い!
本を読もうとすると、ぷーんとあのかぐわしいシュウマイの臭いが漂うのだ。うひょう!
でも、その臭いは魅惑的。は~おいしそう。
しばらくして、その臭いは取れたのだが、鼻を押しつけてくんくんと嗅ぐと、ほんのり漂うシュウマイの香り。うーん、トレビアン。
まったく臭いがしなくなった後々までも、つい臭いを嗅いでしまうようになったのだ。 いやしいな、私。
ちなみに、ン十年経った現在でも、この本の表紙は波打っている。シュウマイの湯気でへろへろになった名残である。紙って、一度水気を吸うと元には戻らない、といういい見本だ。だから、決してお風呂に入りながら本を読んではいけませんよ。
我が家は崎陽軒大好き家族である。
横浜じゃなく、東京に出た時ですら「お土産に崎陽軒買ってきてね」と言われてしまう。
上野駅のキヨスクで買うのだ。(場所はもちろんチェック済みだ)
しかも、買うのは「真空パックじゃないヤツの1000円サイズ」と言われなくても家族みんな知っている。
おいしいシュウマイ き~よぉけんっ!本当に美味しいです。好きです!
そのため、崎陽軒のシュウマイを食べる機会はけっこうある。
シュウマイを食べるたびに「くまのパディントン」を思い出してしまう私。
先日も、両親が東京に行ったついでにシュウマイを買ってきた。
もぎゅもぎゅといただきながら、思い出すのはやはり小学校時代の「パディントン」の本で嗅いだあの臭い。
ああ、ある意味トラウマなのかしら……。
「くまのパディントン」はイギリスの児童小説で、パディントン駅で拾われた仔グマが引き起こす騒動を描いた作品だ。シリーズで何作かある。
礼儀正しくしっかりしているように見えて、どこに行っても何をしても、パディントンは騒動を引き起こさずにはいられない。とにかくパディントンは可愛いのだ。
(パディントン駅で拾われたから名前は「パディントン」ひねり無いけど、この名前、好きです。イギリスに行ったらキングスクロス駅とパディントン駅に絶対に行きます!)
当たり前だけど、シュウマイとは何の関係もない。
確か、ジャムとかクリームとかでべたべたになるシーンはあったけどね。
毛の長めのクマなので、べたべたになったら、落とすの大変そうだなあ、と子供心に心配した。
その点、同じくハチミツまみれになったりする、クマのプーさんは短毛だから、まだマシな気がするなあ。(あっちはぬいぐるみだけど)
本来は、このジャムとかクリームとかの甘い香りで印象に残るはずの本だと思う。
それなのに、何の因果かシュウマイ……。
でもまあ、イギリスは長いこと中国を植民地にしていた関係で、中華料理が盛んだし、有りだと言い切れば有りだ!(イギリスで食べられる一番美味しい食事は「中華である」と誰かが言っていたなあ……)
きっと、私の読んでいないところでパディントンはシュウマイを食しているに違いない。(断言)
よし、強引につなげたぞ。
なんだか、あと数年したら「くまのパディントン」の中で、パディントンがュウマイを食べるシーンがあった、とか変に曲がって記憶してしまいそうだ……。気を付けよう。