睡紫庵文庫

身辺雑記をまじえた読書雑記です。

「異邦人」カミュ

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 新潮文庫420円他  

週一回の更新、というブログとして失格な更新すらままなっていない最近の「紫落庵書庫」だが、その理由は「太陽のせい」である。  

いや~あまりにも暑くて、ネットが通じる部屋(=自室)には寝るとき以外行きたくなくてね……。  

自室にもクーラーはあるにはあるが、リモコンが壊れたのさ……。  

一応、本体のスイッチを物差しでぶちっと押すと稼働はするのだが、タイマーはおろか、温度設定や風向きすらままならない。下手すると冷暖切り替えも自分ではできないので、温風が出てくるのだ……。た~す~け~て~!  

リモコンを直そう、または買い直そうと電気屋さんに持ち込んだところ「これは古いからもうありません。本体ごと買い直して下さい」と言われた。  

冗談じゃないっす!電気屋の陰謀か!?  

本体はまったく壊れていないのに、そんな無茶なこと出来るか~!私は庶民だぞ!  

という経過の末、地球温暖化も叫ばれていることだし、今年は自室のクーラーは使用しないこととした。  

で、居間に入り浸っているのだが、居間はネットが使えない環境なのだ。おかげで読書は進んでるけどね。  

みんな、暑さが悪いのさ。「太陽のせい」なのさ。  

うちのミニバラが瀕死なのも、激しい直射日光にさらされたせい(涙)  

寝苦しい中ようやく寝たのに、朝4時半にセミの大音声で目覚めさせられたのも暑いせいだ!なんでそんな早朝から、うちの壁で鳴くんだ、セミ!場所と時間をわきまえろ、セミ!  

みんな、みんな「太陽のせい」である。  

カミュの異邦人で、殺人の理由を問われた主人公が言う「太陽のせい」というセリフは余りに有名だ。  

でも、これは「あのぎらぎら照りつける太陽に、自分を失ってしまった!狂わされてしまったのだ!」というようなセリフではない。  

理由なんて本当は本人にも分かっていなくて、ただその時不快に感じていた「太陽の日差し」を言ってみただけなのだと思う。  

そのくらい、主人公の感情は起伏がなく、淡々としている。  

はっきり言って、その「異邦人」ぶりは何だか怖い。  

でも、本当はみんなこう訳の分からない不条理さを抱えているものなのかもしれない。  

ところで、私の職場は連日40度超えの記録を連発している●林市である。ついでに、日本最高気温を記録した●谷市は自宅の川向こう。  

嫌だ!こんな場所!  

そんな場所で、じりじりと太陽に焼かれ続けると、「太陽のせい」で殺人にいたってしまうことはあるのかもしれないな……と思ってしまう。  

現に私と母は暑いせいで、意味もなくケンカしている。  

私「暑い暑いうるさいんだよ。暑いことなんてみんな分かってる!」  

母「私はいろいろ動いてるから暑いのよ!あんたも私と同じ事してみればわかるから!」  

私「そこで昼寝してるだけが、どこが動いてるのよ!」  

母「じゃ、私と同じ事してみればいいでしょ!台所は暑いのよ!」(居間で昼寝をしていたくせに)  

……正にくだらないケンカ……。  

暑いとイライラするんだよね……。小さく殺意も覚えるもん。  

でも、このくだらないケンカは、ずいぶん感情過多の人間くさくて、「異邦人」とはかけ離れている感じ。  

よし、私は「異邦人」じゃないぞ、と。ちょっと一安心。  

でも、暑さに殺意を覚えるのよね……。  

今日は涼しくて久々に自室でネットが出来ます。一息つけました。よかった。