「マンボウ阪神狂時代」北杜夫
新潮文庫476円
どうしちゃったんだ、今年の阪神は!ひゃっほう!
実は、私は小学校時代からの阪神ファンである。
単純な話だが、小学校時代、大阪に一時住んでいたからだ。
あ、でも誤解の無いように言っておきますが、大阪でも阪神ファン以外の人、沢山いますよ。ただ、トラファンが熱狂的すぎるだけで……。
だが、ここ数年は北関東に住んでいることもあり、あまり野球自体を見なくなった。 というより、テレビ自体あんまり見ないし……。巨人戦しかやってないし。
(関西地方では、阪神の試合は全試合終わるまで放送!というおそるべきチャンネル「サンチャンネル」(兵庫地方局)があります)
それでも、阪神が優勝した時は感動したね!星野仙ちゃんが宙に舞う姿を見て、ちょっと泣いちゃったもん。2年後の岡田監督の胴上げも、それなりに嬉しかった。
でもまあ、今年も一時最下位にいたりもしたしで、あまり熱心に応援していなかった。
が、ここに来て、俄然盛り上がってきた! 阪神怒濤の10連勝で首位だよ!
すごいじゃないか!
優勝しちゃうかもしんない!
さすがは岡田監督だ!私、現役時代の彼のサイン持ってます!
首位に立った翌日の巨人戦で、テレビ中継が5-5のまま、9時で終了したときはテレビ局に電話しようかと思ったね!こ、こんないいところで!今って、延長しないのか!
……かつて、野球延長のおかげでビデオ予約分がずれちゃって、テレビ局に電話した人間と同じ人の発言とは思えないね。はは。(ちなみに、深夜だったので、テレビ局は電話を受け付けてくれませんでした……)
今まで書いてきた阪神に関する文章をまとめたのが「マンボウ阪神狂時代」だ。
何しろ筋金入りだから、私の知らない時代の選手についてもいろいろ書いている。
たとえ北杜夫ファンであっても野球に興味のない人には、訳が分からず、ちっとも面白くないことだろう。
だが、阪神ファンにはたまらない一冊だ。同士よ!
阪神、ピンチ!の時、北氏はヨガのようなポーズを取り、ピッチャーに向かって念を照射するという。
「たとえ足の骨が複雑骨折する危険も冒」し、激しい念を照射したところ、相手チーム(宿敵巨人)打者アウト!「これこそヨガの秘法であると私が確信したのは単なる迷妄であろうか」とご満悦の北氏。
その後、足をほぐそうとしても、ガッチガチにかたまってしまい、「形容も出来ぬ疼痛を忍ばねばならなかった」としても満足らしい。
あの~その念、多分関係ないですよ~!というより、ヨガのポーズが何の力になるんだ?
わはははは!これぞファン!
ファンはとことんまで阿呆なのだ。
私も昔、ヨガポーズとっていたよ!何でか知らないけど、「このピンチを切り抜けるまっで、私も一緒に闘うわ!」という興奮状態になり、苦しい姿勢(=ヨガポーズ)を取ってしまうのだ。
これって、みんなしてしまうもの?
最近の北杜夫氏は娘さんのエッセイなどによると、ずっと鬱で、加齢もあってか腰痛で引きこもり状態らしい。
そんな北氏もこの阪神の10連勝首位には、きっと興奮していることだろう。
また、ヨガポーズをとっているに違いない。
これを機に鬱をはねとばして、また元気になってもらいたい。
しかし、北氏は有名な躁鬱病なので、鬱が終わると躁になってしまうらしい。かつての躁期のように、気が大きくなって株売買とかに手を出しちゃったら大変だろうな……。
でも、娘さんの齋藤由香さんは「また躁になって欲しい気もします」なんて言っていたはず。
どうですか!?