「はじめちゃんが一番!」渡辺多恵子
マンガ文庫全8巻+番外編 590円前後。フラワーコミックスは全15巻370円ですが絶版。
台風20号の激しい雨風の中、私は献血に行っていた。物好き。
いつもは混雑している献血ルームがガラッガラ。さすがに、悪天候を押してまで献血に行く篤志家はそんなにいないらしい。
私は別に篤志家というわけではない。単に趣味だ。というより、景品目当て。
空いている献血ルームは最高!
待たずにすぐ採血してもらえるし、看護士さんは至れり尽くせり。
「手が冷たいですか?」とカイロを渡してくれるし、「飲み物はどれがいいですか?」と持ってきてくれる。貴族のブレックファーストか!?ベッドで食べるヤツ。
オマケにお菓子まで持ってきてくれたし。ご丁寧に食べやすいように包装を破って渡してくれたぞ。ほっといたら「あーんして」までやってくれそうだったわ。きゃ。
血を提供するだけで、こんな大臣気分を味わえるなんて……!トレビアン!
献血ルーム、ステキ!これからも、どんどん血を抜きます!
下心ありまくりの私だが、私よりも遙かに下心ありありの人物がいる。それは「はじめちゃんが一番!」の主人公岡野はじめちゃんだ。
はじめちゃんは、17歳にして、なんと3ヶ月ごとに献血をしているのだ!
そのお目当ては、献血の後にもらえる100%オレンジジュース!(紙パック入り)
はじめちゃん+5ッ子の弟がいる岡野家では財政が逼迫。倹約に倹約を重ねているため、オレンジジュースなんて嗜好品は決して一人で飲めないのだ!
そんなはじめちゃんは、大ファンになったアイドル瑞希さんへのプレゼントとして、その貴重なオレンジジュースを捧げようと、採血後徒歩40分!(貧乏なので交通費を使わない)そして、その貴重なプレゼントをおっかけ軍団(専門用語でオリキという)に足でつぶされ、ぶっちぎれるのだ。
そりゃ、キレルよね!文字通り血と汗の結晶をぶっつぶされたら……!涙なしには語れないわよ。
私は献血後にタダでもらったジュースを飲むたびに、はじめちゃんを思い出す。
はじめちゃん、ジュースおいしいよ!染みるよ!
しかし、ここではじめちゃんに少しショックなお知らせをしなければならない。
現在、献血すると、ジュース飲み放題なのよ~!
確かに、かつては献血後に紙パックジュースを一つくれるだけだった。(今でも献血車とかだと紙パックジュースみたい)しかし、快適献血ルームが展開される現在、紙コップ自販機(お金いれなくても出る)が設置されていて、好きな種類のジュースを好きなだけ飲めるのだ……。
さらに、お菓子も食べ放題。
場所によってはシュークリームとかエクレアが食べられたりもする。ちなみに、私が通っている献血ルームではパン(これは一人1個)がもらえるのだ。
あ、献血後には記念品ももらえるのよ。歯磨き粉とかだけどさ……。最近、記念品イマイチなんだよね。前は米とかサウナ無料券とかもらったけど……。
はじめちゃん、今だったら、もっといいものをたくさん瑞希さんにあげられたのにねえ……。残念だわ。
ちなみに、はじめちゃんの献血が3ヶ月ごとであるのには訳がある。
献血は16歳から出来るが、18歳までは200ml献血しか出来ない。
さらに、女性の年間献血量は800mlと決まっているため、1年間で割ると3ヶ月ごとに献血すると、ちょうどいい間隔なのだ。
そういうところまで計算してたのねえ、さすがははじめちゃん。(というか、さりげなくそういう細かいところまでこだわっている渡辺多恵子はすごいと思う)
でも、成分献血なら2週間ごとにできるけどね……。年間量とかないし。
成分なら2週間ごとにオレンジジュース飲めたのにねえ……。
ちなみに、私は現在、年間献血量を超えてしまったため、成分献血しかできません。
よっしゃ!バッチ来い!まだまだ抜くぜ!