「蹴りたい背中」綿屋りさ
河出文庫 399円
「無印良品」は私のよく行くお店だ。
文房具とか雑貨とか、ちょくちょく購入している。今、お尻の下に敷いている低反発座布団も無印良品のもの。
これ、最高です!ちょびっと高かったけど、このじんわ~っとした低反発がお尻にジャストフィット!
そんな無印良品の商品ラインナップに「お菓子」があり、日替わり(?)で試食用の品物が出ている。
これを食べるのが楽しみなの。私、小市民だから。
この前食べた枝豆スナックはおいしかったなあ。買わなかったけど。申し訳ない。
しかし、私が訪れる時はいつも、ちょびっとしか残っていないのだ。隅の方に3~4個。
人間、不思議なもので、この「少しだけ残っている」という状況だと、その残り物に手が動きにくい。
100個あるうちの1個を食べても余り減った気はしないけど、3個のうち1個を食べるとすごく減った感じがするの。割合の問題?
さらに、最後の1個になると、相当の強者じゃないと、手が出ない気がする。
別に食べちゃいけないことはない、と頭では分かっているのだが、「私が食べたら、終了じゃないか……!」という何か、とても悪いことをしてしまうかのような罪の意識が湧いてしまうのだ。
以前の職場では、職員共同のお茶の残りが少なくなってくると、みんなやたらちびちび使うようになり、最後になってしまうのを避けていたなあ。そのころの私は「なんでこんなちょっとだけ残しておくんだ!全部使って、こっちの袋から補充しておけよ!」と怒っていたがね……。
そんな訳で、無印良品の試食のお菓子をつまむのは、沢山残っている時に限られている。
3回に一度くらいかしら……?
綿屋りさ「蹴りたい背中」の主人公はそんな無印良品の状況をよーくふまえていて、試食のコーンフレークを朝食代わりにたんまり食べるために、わざわざ朝一番に行くのだ。
しかも、全種類制覇を狙っているらしい。
うーん、すごい。
そこまで計算しているとは、女子高生のくせに、年期の入った主婦並みの図太さだ。
(主婦のみなさん、申し訳ありません。言いがかりをつける気はないのですが……)
いや、若いからこそ、そんな所行が出来るのかも……。年取ると、まわりの目(店員の目)が気になって、なかなかできないやねえ……。「恥の文化」の日本人。
でも、そうか。当たり前だけど、朝一番に行けば、沢山出ているのか。
そうすれば、あまり引け目を感じずに、試食のお菓子が食べられるのね。
しかも、私は主人公のハツのようにがっつり食べる訳じゃない。1個だ。いや、早朝でいっぱいあったら、少し贅沢して(?)2個とか、3個とか食べるかもしれないけど。全然引け目感じないね!引け目ナッシング!
うーん……しかし、そのためだけにわざわざ朝一番で行くのは嫌だな。面倒だし。
私にとっては「朝一番に行く面倒さ」と「試食を心おきなく食べられる」を天秤に掛けたら「朝一番に行く面倒さ」が重いのよ! ああ、私はハツにはなれないなあ……。
しかし、都会の無印良品はコーンフレーク(しかもいろいろな種類)が試食に出ているのか?
なんか、豪勢だなあ。我が家の近くのお店では柿の種チョコレート(1種類)とかしかないのに。これはこれで美味だったけど。
ああ、都会の人は試食ですらいいもん食べているんだなあ……。