「サディスティック・19」立花晶
いや~本のタイトルって大事だな~と、最近とみに思う。
今読んでいるのは中公新書「毒と薬の世界史」なのだが、これはタイトル買いしちゃった本。
世界史の中の毒殺事件とか錬金術とかの本だと思って。ボルジア家のチューザレとか…。
なんか、そういう後ろ暗い感じの世界ってどきどきしないですか?しないか。
で、実際に今、読んでいて思うことは「あ、毒の世界史というより、薬の歴史の本だった」ということ……。
かなり真面目な薬の発展の歴史でした。いや、毒殺事件とかにも触れているんだけれども。
タイトルにも「薬」って入っているのに、「毒」のインパクトに押されて全然目に入ってなかった……。
これはこれで面白いんだけれども、なんとなくがっかり……。
タイトルだけで勝手に内容を決めつけてしまった私がいけないんだけれども。 そ
ういえば、かなり以前、父に「サディスティック19」の購入を頼んだときも「タイトルって重要だな」と思ったことを思い出した。
当時(今も)、田舎には新刊でもあまり部数刷っていない本は入荷しなかった。
まだアマゾンとかがない時代。それどころかインターネットもパソコンも全く普及していなかった頃だ。
本を手に入れるためには本屋をハシゴするしかなかったのだ。
地元の本屋で「サディスティック19」1巻を発見できなかった私は、東京勤務だった父に購入を頼んだ。
「これ、あったら買ってきてね」と紙に書いて渡したところ、果たして父は即座に手に入れてきた。さすがは東京。今も昔も東京の本屋さんには田舎とは違い、本がある! が、父はかなり憤慨していた……。
「何だ、この本は!?お父さんは恥ずかしかったぞ!」
はじめは何に憤慨しているのかよく分からなかったが、父の話によると 店員さんに「この本ありますか?」と聞いた。
そのタイトルはズバリ「サディスティック19」!!
父は中年男性(当時)。ツルッぱげ。(補足情報)
含み笑いをする店員。
その心は「いやだ~このオジサン、そういう趣味なんだ~」
ああ!
ごめん、父!
余りにも普通に少女ギャグマンガという意識でいたので、何も疑問に思わず頼んじゃったよ!(いや、普通のギャグマンガの枠を超えた作品ではあったが)
まさか、自分の父にそんな辱めを与えていたとは!
何故ついているのかよくわからない「19」ですら「19歳」?「19人」?のような不要な誤解を与えたに違いない!
すまなんだ!父!
でもまあ、その店員さんも実際に本をみたら「あ、花とゆめコミックスだ」と誤解を解いてもらえたとは思うが……。表紙、バリバリの少女漫画絵だし。
その時初めて「スゴイタイトルだったな、この本……」と気づいた私。本当に父には申し訳なかった。
あれ以来、父に本を頼むときにはタイトルチェックは欠かせなくなった。
父の名誉のためにも!
ついでに、本の表紙も重要だと思う。
かつて、いのまたむつみ画伯がぶっ飛ばしてくれたおかげで「宇宙皇子」が買いにくい!とファンの間で話題になったことがあった。
いのまたさん、どうして内容と関係なく、表紙の各務ちゃんを薄着にしちゃったんですか?
でもまあ、昨今のBL小説の表紙なんかを見ると、宇宙皇子でぎゃーぎゃー言っていた自分たちは、小粒だったな……と思うけれど……。
あれ、買う人は平気なんでしょうか……?
慣れ?慣れの問題なの?