睡紫庵文庫

身辺雑記をまじえた読書雑記です。

那須岳登山~紅葉シーズンなめんなよ~

少し時間がたってしまいましたが、10月の3連休の中日那須岳に行ってきました。

「すぐそばにある!関東の絶景」で真っ赤に染まる那須岳の写真を見て、紅葉シーズンど真ん中に計画。

那須なら近いし。百名山だし。天気も良いみたいだし。

わーい、楽しみだな~。

   

当日、6:00 G県東部発。お隣の県で近いので、だいたいロープウェー乗り場まで2時間くらいのはず。

快調に高速を走り、8時前に那須町着。

すっごく久しぶりに来たので、忘れてましたが、那須って観光地ですね。おしゃれで、ちょっと寄りたいお店がいっぱいあるな~。

でも、今日は登山がメイン!とりあえず、お昼ご飯用のおにぎりを買うべく、コンビニに立ち寄りました。

…棚にはひとつもおにぎりなし…。

ちょうど入荷前の時間帯なのかな?と思い、もう一軒コンビニに寄りました。

またもや、棚にはひとつもおにぎりなし…。

「なんか、運が悪いね~。とりあえず、ぱんぱんになるけど、パンでいいか~」とノムさんと話し合い、パンを購入。

この時、なんかおかしいな~?とは思ったんですよ…。

でも、まだ気づいていませんでした、那須の恐ろしさに。

 

お昼ご飯を仕入れて、ロープウェイに向かって国道17号線をどんどん進むと、道は山道に。

殺生石あたりまでは快調。

「なんか伝説あったよね?」「玉藻の前!狐さま!」なんて会話も楽しく車を走らせていると、だんだん車が混み合ってきました。

「あれ、もしかしてちょっと混んでるのかな~?近いところの駐車場止められないかもしれないね」なんて話しているうちに、車はのろのろ運転になり、すぐにぴたっと停止。だいたい時間は8時半。

全く動かな~い。

まさかの渋滞!

「これ、どこまで渋滞なのかな?」とノムさんに聞いてみると、即座にスマホで調べてくれました。文明の利器。

那須岳の駐車場は紅葉シーズンは朝6時くらいからすでに満車で、空き待ち車で渋滞しているらしい…」と、震える声で調査結果を告げるノムさん

なんと!!

そんなに混むのか、那須岳!!

谷川岳とか、行列で登山するほど混んだ時だって、道も駐車場もスッカスカだったので、そんういうもんだと思ってました!

あかーん、またもや事前の調査不足!猛省!猛省を促すよ、私!

 動かない車の中でうなだれる私たち。

しかし、山道は一本道。もう、どうしようもない。

私の前の車は路線バスで、最後ろの席の人のザックが見えています。

たとえ公共交通機関を使ったとしても、バスが渋滞に巻き込まれるから、回避策は無いらしい…。

「どうしたら良かったのかなぁ…。前泊で、ものすごい早朝に来るしか無かったのかなあ…」

「ネットを見ていると、那須岳は避けて安達太良山に行ったという人がいるよ。つまり、紅葉シーズンはあきらめた方がいい、みたい…」

そうか…。

あのまぶしいくらいの紅い山を見ようと思ったら、それなりの覚悟がいるってことか…。

渋滞にはまっている最中に、雲一つ無い青空に紅く染まった姿がちらちら姿を見せています…。すぐそこにあるのに、まったく近づけないことに涙する私たち。切歯扼腕ってこういう気持ち?

手を伸ばせば掴めそうなのに、その裾に触れることもできないの…。しくしく。

 

なんとかかんとか大渋滞に巻き込まれつつも、9時半くらいに大丸駐車場付近まで到達。もちろん、大丸駐車場は満車。

どこかに留めるスペースが無いか、と探し回ってみたのですが、ナッシング!

駐車のラインなんか関係ない。ほぼ無法地帯。猫の子一匹入る隙間…はあるけど…。

これはもう、仕方が無い、と覚悟を決めて、路駐してしまいました…。すみません。

でも、路駐する隙間を探すのも大変だったのよう。奇跡的に1台分くらい空いてたの。

次来るときは、ちゃんと対策を検討してきます。本当に申し訳ありません。

でも、こんなに混むとわかっているなら、尾瀬みたいに交通規制かけてピストン輸送するとかした方がいいと思いますよ…。

 

大丸駐車場付近からロープウェイまで、山道が整備されていました。てっきり車道を歩いていくと思っていたので意外~。

急な登りでは全くないですが、地味に登っているので、結構キツかった…。一山登ったくらいの感じで汗だくになりました。渋滞で精神的にダメージ受けてたからかな…。

ロープウェイ着がだいたい10時。

まさか、ここまでで4時間かかるとは思ってなかったよ…。紅葉シーズン、おそるべし

 

ロープウェイ自体はさほど混雑しておらず、すぐに乗車。

立ち乗りなんですね~。だから、大人数乗れて大行列にならないのか。(111人乗りだそうです。なんか縁起がいい)

外側に立てば紅葉が眺められたのでしょうが、あいにく場所取りに失敗して内側で吊革?(輪っかじゃなくて、ボール状のものが下がっている)に掴まっていたので、あまり景色は見られませんでした。

……というか、下界では雲一つ無い青空だったのですが、だんだんガスが……。

これは…!今年、3度目の地獄なのか…?

活火山で噴煙と硫黄の香りがただようような山は地獄っぽくなくちゃいけないよね、と山の神様が差配してくれているような…。

無用の気遣いだぜ…。

ロープウェイ到着後、あたりを見回すと真っ白…。やっぱり…。

私はこれから山に登るからまだ楽しみがあるけど、紅葉を眺めるためだけに大渋滞をくぐり抜けてやってきた観光客は悲しいんじゃないかな…。もう、そうしたら、茶臼岳くらいは登るしかないよね。

とみんな思ったかどうかはわかりませんが、茶臼岳への登山道はファミリー登山の方がすごく多かったです。学齢前と思われるお子さんもたくさん。元気いっぱい!

でも、やや離れたところから眺めると、うすら白い岩場でうろうろする幽鬼の群れにしか見えない…。地獄だ…。

 

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幽鬼の群れ…ではなく、登山者の皆様。

 

茶臼岳自体はそれほど険しい訳ではなく、道も整備されているので、登りやすかったです。ずっとザレ場で、あまり変化なし。

 

茶臼岳頂上着はだいたい11時半。ロープウェイ降りてから、1時間くらいかかった感じ。

いい時間だったので、お昼にしました。

今回も父(山男)のバーナーでお湯を沸かし、カップラーメンをいただきましたよ。

おいしい!!

山の上で食べるカップラーメン、おいしいなあ。

ノムさん「カップラーメンはスープ!」と宣言。今回のノムさん名言集その1。

まわりでもみんなバーナーで思い思いのお昼ご飯を作っていて、とってもおいしそうでした。

シャウエッセン(じゃなくて、ちょっとお安く、森の薫りかもしれない…)、じゅーじゅーいっていて食欲をそそります。そういうのもいいなあ。コッペパンに挟んでホットドッグにするの!

 

おなかを満たして、12時過ぎに朝日岳へ向けてGO

本当は茶臼岳→朝日岳→三本槍岳の那須連山縦走に行きたかったのですが、大渋滞による時間ロスのため、どう考えても無理。とりあえず、時間的に朝日岳には行けそうでよかった~。

茶臼岳を下ったところにある峠の茶屋跡からはぐぐっと人が減り、登山者中心に様変わり。

相変わらずガスで真っ白状態ですが、時折、雲が切れると、紅い絨毯がちらちら。

秋風にたなびく雲の絶え間より…(by左京大夫顕輔)

赤く紅葉しているのはモミジじゃなくて、ドウダンみたいでした。あと、ナナカマド。なるほど~!モミジだとしたら、赤すぎる気がしたんだよね。山一面モミジってあんまりないもんね。

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あまり綺麗に撮れなかった… 

 

朝日岳はひたすらゴーロゴーロの茶臼岳とは違い、ドウダンに囲まれた道だったり、結構危険な鎖場があったり、ちょっと滑る粘土質の道があったりで、変化に富んでいて楽しかったです。

急な岩場を登っているときに限って、雲が流れて綺麗な紅葉が見えたりして、「くっ…!なぜ、今なんだ!今は写真をとる余裕がが無いじゃないか!」と悔しがったり…。

「おお、これはなかな危険なトラバースだぜ!」とか言ってみたり…。最近、トラバースという言葉を覚えたので、使ってみたかったの。

 

だいたい2時半くらいに朝日岳登頂~。

あの大渋滞の中、ここまでこれて良かった~!感涙!

大混雑の茶臼岳山頂と違って、人がほとんどいなかったため、ちょっとのんびりしました。でも、ガスで眺望は無し。

頂上で碑とともに写真を撮っていると、ノムさんが「しまった…茄子持ってくればよかった…」と嘆く。

那須岳で茄子!の写真が撮りたかったよう!(涙)」

ノムさんの名言集その2。

 

峠の茶屋跡ではそのまま元来た道を帰ります。

このあたりからガスが晴れてきて、良い天気に!

早めにくだらなくて良かった!

日が当たった朝日岳がすごくカッコいい!

この姿を残せる写真の腕が欲しいぜ…。うう。

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山肌がカッコいい!

 

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 こちらは茶臼岳。茶臼の形??

 

峠の茶屋跡からはロープウェイを使わずに県営駐車場に向けて下ります。

ここから反対方向へ行くと、三斗小屋温泉があるんだよな~。今度来るときは、泊まってみたい!

ここでノムさんから今回もっとも衝撃を受けた発言が…!

「山道ですれ違う人がいると、挨拶するわけなんだけれども、そのすれ違う人が向胃理

(仮名)だったらどうする!?」

「……!!」(言葉をなくすワタクシ)

「彼は趣味が登山らしいのよ!あるかもしれないよね!」

「…そ、それは…こんにちは、と言ったら、返事してくれる可能性があるってことか!?」

「挨拶するよね!?」

「もちろんだとも!ノムさんもちろんであるともよ!」

なんというスバラシイ情報なのか!

今回の最高のノムさん名言集その3!!

 

だいたい4時すぎくらいに県営駐車場着。

まあまあ夕方なのに、混んでました。

売店ではだんごとかを求めるお客さんで行列。

…すごいね、那須の紅葉は…。

上はガスでもやもやしていましたが、下界は晴れで、結構、紅葉がよく見えたのかな~?

そこから車まで徒歩。

朝とは違って、駐車している車もまばらな大丸駐車場付近から、G県を目指しました。

 

通常はここで終わるんですが…まだおまけが…。

夕方5時を回ったころ、山の一本道を下っていると、またもや車がぴたっと停止。

…ま、まさか…!!

帰りも大渋滞でした。那須の町。

町中の幹線道路が大渋滞!

すごい。すごすぎる。

なんとか渋滞に巻き込まれながらたどり着いた日帰り温泉では「今、とても混んでいるので洗い場は15人位待ってます」と言われ(実際には、運良く3人くらいの待ちですみました)、日帰り温泉のレストランに寄ろうとしたら、5分前くらいに閉店。(8時閉店でした。5時前から帰路についているのに、8時にお風呂から上がれていない…)

仕方が無いので、サービスエリアの食事コーナー(いわゆるフードコートってやつです)に行ったら、テーブルの空き待ちが激戦で、まったく空きに入り込めず、10組待ちくらいのレストランでようやくご飯が食べられました…。9時過ぎてました…。

ちなみに家に帰ったのは午前様直前。

…事前調査を怠った私が悪かったです。

紅葉シーズンの那須岳には、たぶん、もう行きません…。

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トトロ!朝日岳の恵比寿大黒岩です。ガスが良い感じに。