睡紫庵文庫

身辺雑記をまじえた読書雑記です。

「一発屋漂流記」山田ルイ53世

つい先日、ノベッロフェスタなるワインのイベントに行ってきました。

ノベッロとはイタリア語で「新しい」という意味だそうで、要するにボジョレーヌーボーのイタリア版。もっと、ざっくり言うと、その年の新酒ワインを飲みまくるイベントとのこと。うはは~こいつは良いね!

ワイン飲みまくりも楽しみだったが、実はもっと楽しみにしていたのは、このイベントのゲスト。

髭男爵!!

ルネッサーーンス!!

 

なぜそんなに楽しみにしていたかというと、山田ルイ53世氏のコラム一発屋漂流記」※を拝読しているから。

※書籍化されていません。ネット連載です。

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髭男爵は、なんでも、「一発屋オールスターズ選抜総選挙」(選抜してどうするんだろう…??)初代王者という、由緒正しい一発屋

このコラムでは、一発屋として芸能界という大海を泳いでいく姿を、淡々とした文体で、自虐的に笑いを交え、時にもの悲しく、でもなんだか非常に力強く描いている。

とにかく、面白い。色んな人が言っていると思うけど、山田ルイ53世氏(長くて打つのがめんどくさいので、以後「山田氏」)文才あるな~。うらやましいくらい。さすが、元神童。

 

今回のノベッロフェスタのお仕事は、「地方」「酒宴の乾杯要員」「トークショー30分」という、髭男爵一発屋仕事の最たるもの!

これは見逃せない!

是非とも、その一発屋のプロとしてのお仕事を見せてもらおうではないか!

 

会場はアーケード街(ニアリーイコール、シャッター街)の中にもうけられたイベント広場。

イベントは18:00開始だったが、何時に髭男爵が登場するのか不明だったため、とりあえず18:30くらいからスタンバイ。

飲み放題のワインをぐいぐい飲んで寒さをしのいでいると、だんだんと酒精に取り込まれ、ほろ酔いだぜ、ベイベー。早く、髭男爵が登場しないかな~♪

ただ、彼らの芸風から考えると、オープニングの乾杯+ちょっとトークで終了、という可能性が高いかも、とちょっと不安も…。

もう、出番が終わっちゃっていたら悲しい…。

不安を払拭すべく、さらにワインをあおりながら、待つこと30分。

19:00の鐘が鳴ると(比喩的表現)華々しく、髭男爵登場~!!

「東京から素敵なゲスト」「人気芸人さんのあの人です!」的な、山田氏が迷惑がるおきまりの紹介と共に、私の目の前にホンモノの貴族(と召使い)が姿を現す。

(「ひぐちくんさんで~す」と紹介してた…。「くん」まで名前なのね…)

おお!!

周りの純粋な地方民であるG県民は大喜び!

ご本人が、OK!、むしろ積極的に撮影したまえ、とおっしゃっていただいたので、私もお写真を撮らせていただきました。

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ひぐちくんさんはソムリエの資格をお取りになったそうです…。そっち方面にいったか…。

 

トークショーの時間は30分。けっこう長い。

そして、まわりはほぼ酔っ払い。私語が飛び交い、やたら騒がしい「企業パーティ」と同じだ。

おそらく難易度は高い。

しかし、さすが、一発屋のプロ。

つかみは、美声の大音量で「どーもぉーー!」。

若干、場がこなれてきたタイミングで、G県民を喜ばすためのG県ネタ(ソウルカルチャー「●毛かるた」)を投入してきたり、舞台上から下りて、客に話を振るなどの技術が光る。

私は舞台から少し離れた場所に席を取ってしまったが、その位置から乾杯に参加し、時に拍手を送り、大きく手を振って可能な限り参加した!

でも、ちょっと(いやかなり)私語もしてしまった…。途中でワインの補充にも行ってしまった…。寒かったから、燃料を燃やし続けている必要があったのよ。

宴席だもの。(あ●だみつ●風で読んでください)

江戸時代の歌舞伎とか、途中出入り自由で、客席で飲み食いしまくりなので、きっと、こんな雰囲気だったんだろうなあ…。

 

そんなこんなで30分。

最後はみんなで手を振りながら、髭男爵のお二人をお見送り。

ありがとう。G県までわざわざ来てくれて!

楽しかったわ。これが、一発屋の地方営業…!

筆が乗れば、この様子の断片を是非とも「一発屋漂流記」に書いて欲しい。

髭男爵が去ったステージで繰り広げられるマジックショーを見ながら、私は妙に暖かい気持ちでその後のイベントを楽しんだのだった…。

 

でも、こういった「一発屋が頑張ってる…!!」という、運動会のリレーで転んだ子を見るような視点で見られるの、迷惑なんだろうなあ…。

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 ワイン、赤1種類だけじゃなくて、他の味のも飲みたかったよ~!