睡紫庵文庫

身辺雑記をまじえた読書雑記です。

「アカギ~闇に降り立った天才~」福本伸行

今、私の左腕には採血の注射痕がある。

「…どうしたんだ、その左腕」

「ふっ、ちょっと昨夜、鷲頭麻雀に興じたのさ

って答えたいよ~!!

誰も聞いてくれないし、聞かれたとしても、答えの意味分かってもらえないと思うけど!

そして、本当は献血に行ってきただけなんだけど!

 

鷲頭麻雀とは、福本伸行の麻雀マンガ「アカギ~闇に降り立った天才~」の作中で行われる麻雀である。主人公アカギと鷲頭巌の間で行われる。

通常の麻雀とは違い、同種牌4種のうち3牌が透明だったり、山は積まず、卓中央の穴から牌を引いてくる等のルールがあるが、何よりすごいのは、お金の代わりに血液を賭けて戦う、というところだ。

正確に言うと、お金持ちの鷲頭巌は現金2,000万円(現在のレートで2億円以上)、ビンボー人(?)アカギは自分の血液2,000ccを賭けて戦う。

作中の話によると、だいだい人間の血液は4~5L。(アカギの体型だと4,500ccくらいだそうです)そのうち、だいだい1/3(1,500cc)を失ったあたりから意識が混濁して、麻雀どころではなくなり、2,000ccで死に至るとのこと。

つまり、命を賭けた狂気の麻雀なのだ…

なお、献血センターのホームページによると、血液量の15%くらいまでは抜いても安全だそうです。(60kg 4,800ccだと720cc)

私も昨日やった成分献血は600cc以下の量を抜くらしい…。アカギの致死量から考えると、結構抜いてるね…。(成分献血は血を戻しながら行うので、むしろ採血量は少ない)

 

鷲頭麻雀の主催者鷲頭巌は狂気が突き抜けていて、アカギとの対戦の前に、何人もの若者の血液を致死量まで抜き、殺している。(そして、それを金の力でもみ消した

アカギとの麻雀の途中では自分の賭け金が尽き、自らも血液を差し出して麻雀を続行する。

なんかもう、むちゃくちゃな展開なのだ。

お金だけでは飽き足らず、互いに命まで賭けて限界ギリギリまで戦う。

ええっ!麻雀ってそういうことするゲームなの!?というか、したらダメだって!

冷静になって~!!

しかし、このギャンブルの狂気が読者に圧倒的な興奮をもたらして、とにかく面白い!

作者の福本さん、よくこんなこと思いつくな~。どっか、ねじが抜けてるんだろうな~。

カイジ」が彼の代表作であることには異論はないけど、「アカギ」もスゴイ!

本来はギャンブルマンガというジャンルはメジャーじゃないものだと思うけど、ここまで人気のある作品が描ける作者は才能あるな~。画力はないけど…。あの鼻の点々、何…??

 

ちなみに私の麻雀経験は浅い。

以前のブログにも書いたことがあるが、学生の頃、西原理恵子「まあじゃんほうろうき」に影響されて、友人宅でぎゃあぎゃあ言いながら、コタツを囲んだ程度だ。

(昔から、ろくでもないものにすぐ影響を受けるの…

完全なスポーツ麻雀。

でも、点棒を描けて、結構真剣に戦ったのだ。

「ろん。りーち たんやお ぴんふ でざんくー!」

とか言って牌を倒すと「アホかーー!平和できてへんやろが!」と怒られていたのもいい思い出…。

学生時代の私は何回聞いても、平和がよく理解できていなかった…。

だって、平和難しいんだもん。ギターでいうならFコードくらい難しいんだもん!

(ギターもFがイマイチ押さえられなくて、先に進めませんでした…)

13歳のアカギは初めての麻雀の前に軽くレクチャー受けただけで、相手の待ちを読んでかっこよく上がっていたが…。

待ち牌なんてわかんないよ~!!スジって何?おいしくなさそう。

 

現在は、たまにスマホのアプリで卓を囲むくらいだが、麻雀の腕は学生時代とほぼ変わらない。(平和は一応理解した。えっへん!

でも、スマホアプリは点数計算してくれるからありがたいわ~。

役できてないと、ロン上がりできない仕組みになってるし。

…未だに役無しで上がろうとする私…。

(超基本ルール:麻雀は役がないと上がれません)

 

あと、スマホアプリは時間制限があるのが辛い…。

「もうちょっと考えさせて!どっちも捨てたくないんだよ~!」とぐずぐずしていると、無情にもツモった必要な牌が捨てられてしまう…。

待て待て待て、コンピューター!!

ひ、ひどすぎる…。人非人め!

時間切れにしても、それじゃない牌を捨ててくれてもいいじゃないか!私が迷ってることくらいお見通しだろうが!!

アカギなら鷲頭が捨て牌迷ってても待ってくれるよ!なにしろ、一晩の麻雀(半荘6回)に連載が20年近くかかってるんだから!気が長いに決まってるじゃないか!

(連載は2018年2月一応完結。おめでとうございます)

 

だからと言って、アカギと麻雀がしたいわけではない!

アカギレベルとなんか麻雀をしたら、丸裸になって、血まで抜かれた上、私有地に穴掘って埋められちゃうので怖くてできない…。(そもそもアカギは私レベルとはやらないに違い無いが…)

とりあえず、この弱い雀力の私でも相手をしてくれるスマホアプリで実力を磨こう…。

いつの日にか、アカギみたいに「西」単騎待ちで上がれる日がくることを夢見て…。

…何回か字牌の裸単騎待ちというのをやってみましたが…上がれないよ、あんなの!!

 

余談ですが、「アカギ」の本名が「赤木しげる」だと知った時、結構衝撃でした…。

「赤城」だと思ってた…。G県民なので…。

 

ちなみに、アニメ、ドラマ版も面白いです。 

アカギ?闇に降り立った天才 1

アカギ?闇に降り立った天才 1

 

 

 西原理恵子との画力対決。ついでにご紹介。