尾瀬 アヤメ平〜天上の楽園〜
夏が来れば思い出す~♪
夏が来たので、尾瀬に行って参りました!
しかも、今回は尾瀬の中でも初アヤメ平。山の相棒ノムさんの職場のおじさんのオススメ。
なんでも、昭和30年代後半の登山ブームの頃には、尾瀬といえばアヤメ平のことだったそうな。ただ、当時は木道も整備されておらず、マナーも確立していなかったため、ハイカーがどんどん湿原を踏み荒らし、激しく荒廃。現在は復元作業も進んでいるが、訪れる人はまばらになっているらしい。
でも、かつて「天上の楽園」と呼ばれた場所。おじさん情報によると、今でもけっこうイイらしい。それに、尾瀬ヶ原と尾瀬沼は何度か行っているので、ここらでちょっと違うところに行ってみるか~と割と安易にアヤメ平行きを決定。人が少ない、というのもイイな~と。
今回はいつものノムさんに加えて、学生時代の同級生ゴマちゃんも同行。ゴマちゃんは登山はせいぜい高尾山の経験があるくらい。
「尾瀬は平らだから大丈夫だよ~」と、とりあえず言っておく。アヤメ平は若干(?)登るらしいのだが、それは言わない…。
前日は老神温泉泊。ちょっと贅沢。
旅館の方に無理を言って、当日朝食をおにぎりに変更してもらい(ありがとうございました!ごはん、おいしかったです!)、当日は朝7時発。
8時には戸倉第一駐車場からバスに乗って、鳩待峠へ。
天気は晴れ!多分、下界は相変わらず40度に迫る猛暑。でも、鳩待峠まで来ると、さわやかな風が吹いている。さわやか尾瀬サイコー!
今日も楽しい一日になりそうだ~。るんるんで尾瀬の看板前で写真を撮る。
そして、最重要事項、バスの最終発車時間17:20を心に刻みこみ、「目標は16:00着にしとこう!」と誓い合う。やっぱり、目標は高く持たないとね!多分無理だけど←歩き出す前から、こう思っているあたり…
ここでプチ情報。
尾瀬の看板の横にルートマップ(ポケットサイズに折りたためる)が置かれていて、無料でもらえる。便利なので、貰っておくと非常にありがたい存在になる。しかーし、人が多いこの時期はだいたいナッシング!売り切れ!
(私は以前もらったものを何回も持って行ってるので無問題)
準備体操をして、8:50頃、アヤメ平に向けて出発。
のっけから階段が登場する樹林帯の登り道。それほど急ではないので、「昨日の宿のお風呂にラックスのヘアパックがあって、感動したね〜」などと、くだらない話をしながら、だらだら登る。すれ違う人はほとんどいない。
1時間くらい林の中を歩くと、急に視界がひらけて横田代到着。9:50くらい。
ワタスゲさんがかわいく揺れてる!
そして黄色い花が咲き乱れてる!
ワタスゲさん。ぽやんぽやん。
「この黄色い花はなんだ!」
「めっちゃ綺麗じゃないか〜」と興奮する私たち。
写真を撮る合間に、ガイドブック「大人の遠足BOOK 尾瀬と周辺の山を歩く」で花を調べる。
載ってた!
この黄色い花はキンコウカ!ナイスだ、大人の遠足BOOK!
なんでも、この花は8月上旬くらいのアヤメ平を黄色に染め上げるらしい。(実際に行ったのは7月下旬だが、今年は花が全体的に早いみたい)
わぁ!全然知らなかったけど、アヤメ平の最高の時期に来たみたい!ツイてる!ラッキーの神様にお礼を言わなくては!
横田代を抜け、また林の中をゆるーく登る。
トンボが飛びまくっていたり、出来立てほやほやの松ぼっくりが間近で見られたりで、登りは全く苦にならない。
横田代でテンションが上がっているので、何を見ても楽しいのだ。アドレナリン、ありがとう。
最高地点中原山(標識だけ。特に景色がいいわけでも何でも無い)を過ぎてほどなくアヤメ平到着~!1959m。結構、高い!時間は11:00くらい。
一面のキンコウカの黄色の海に池塘がきらきらと光を反射させ、背景には燧ヶ岳がどーんとその雄姿を現す。
なに、ここ、天国!?さすが、天上の楽園!
写真の腕が足りない…。少し加工してみたけど…。
この景色で思い出すのは、ナ●シカ!
その者蒼き衣を纏いて 金の野に降り立つべし…
私の耳には「らんらんらららんらんらん…」の音楽がどこからか聞こえてくる…
金の野だよ、ここ!
青い服着てくれば良かった!残念ながら、私の服はよしこちゃん(ガンバレルーヤ)と同じどピンク!(の上に、白いTシャツ。)
ふがいない自分に腹が立つ!バカヤロウ、自分。次は青い服だ!
やや青い服を着ているゴマちゃんは、初めての尾瀬でこの景色に感動ひとしきり。
「天国のようだよ」
「こんな綺麗な場所に連れてきてくれて、ありがとう…」
とつぶやいた後、
「しまった、今の発言で、天に召される感が増してしまった!あたし、まだ召されない!」と我に返る。
極めつけの発言をかましたのは、やはりノムさんであった。
「私、今まで生まれ変わったら、家猫になりたいと思ってたんだけどさ~、今日、考えを改めたよ。アヤメ平で飛んでるハエになりたい!」
ハエ!
ノムさん、ハエでいいの!?
確かに、この花畑で気ままにぶんぶん飛んでるのは気持ちいいかも…。でも、ハエだよ、ノムさん!考え直して!
その後、ノムさんが考えを改めてくれたかどうかは定かではない…。
天国湿原を抜けると、片側が切れ落ちた尾根の様な道。
右手に遠く、山並みが一望できる。先日登った日光白根とか、G県ソウルマウンテン赤城山(多分…確信はない)とか。
尾瀬でこんな景色が見られるところがあると思わなかった。1900m超えてるんだもんね~。
絶景なり!石川五右衛門どころではない。
尾根ゾーンを抜け、富士見峠手前の大きな池塘の前のベンチでお昼休憩。だいたい11:30。
尾瀬はあちこちにベンチがあって良いよね~。
カップラーメンの塩気が染みる…。
3種類そろい踏み。景色にベストマッチ!3分待ってる最中です。
お昼休憩後は、欲張って尾瀬ヶ原へ。だいたい12:10頃、竜宮に向かって、樹林帯をどんどん下る。
地図には「急坂」と書かれていたので、どれだけの坂なんだ!?とちょっとびくびくしたけど、それほど急坂じゃなかったと私は思う。
しかし、登山経験がゼロに近いゴマちゃんは「岩が怖い…」とちょっと辛かったらしく、「尾瀬は平らって言ったよね!?平らじゃないじゃん!」と憤慨。
いやあ、大半は平らだよ。ちょっとだけ坂があるのよ。
ノムさんも「この先は平ら~。大丈夫、すぐよ~」などどテキトーな事を言い、「その「大丈夫」に根拠はあるのか~!」と怒られてた…。
ふふ、多分、根拠は無いね。
およそ14:00少し前に、坂を下りきり、尾瀬ヶ原へ。
ばーっと開ける視界。湿原の少し丈の長い草が風に揺れてる。
わあー、尾瀬だ~!
私の口からは「これが尾瀬 あれも尾瀬 たぶん尾瀬 きっと尾瀬♪」(by愛の水中歌)のフレーズが自然とこぼれ出る。我ながら、古い曲のチョイスだな…。
一面の湿原!どこまでも続く木道!
これが尾瀬!アヤメ平も良かったけど、やっぱり尾瀬ヶ原も好き!
山中ヒコ「500年の営み」というマンガ(一般向けマンガではない)で「尾瀬は世界で一番綺麗な場所」って言ってたな~。そのラストシーンは、この尾瀬ヶ原だったな~なんてことも思い出す。
本当に綺麗な場所。
東を見れば燧ヶ岳、西を見れば至仏山。
どこにカメラを向けても 綺麗。フォトジェニック!今風に言うならインスタ映え!
午後に入っての強い日差しが、陰影をはっきりさせて、それがまた夏らしくてイイ。夏が来れば思い出すのは尾瀬だもんね!
「こっちにもこれて良かったよ~」とゴマちゃんのご機嫌も急上昇。
3人で写真を撮り合い「木道を至仏山に向かっていく後ろ姿、召される感がスゴイ!」などとはしゃぐ。
しかし、この時期咲いているだろうと思っていたニッコウキスゲはほとんど姿を見ず。
時期がもう遅かったかな~?鹿の食害でだいぶ減っていると聞いているけど、尾瀬沼の方に行かないと、あまり見られないのかしら?
咲いてた!レアキスゲ!
その他にも結構いろんな花が咲いていて、大人の遠足BOOKのおかげで、お名前も判明。
大人の遠足BOOK、スバラシイ!ヤマケイポケットガイドとは大違いだよ。場所を限定するがどうかって、すごく大事なんだね…。
ヒツジグサの群れ。
コバギボウシ
牛首分岐で少し休憩。時間はおよそ15:00。
ここでゴマちゃんが気づいてしまう。
「ここで15:00だとさ。16:00にバスに乗るのは不可能なんじゃないの?」
…そうっすね。
朝、そんな事、言ってましたね…。
でも、「ま、16:00は無理だろうな」と思いながら目標設定してたからね…。
「大丈夫よ。17:20には間に合うから」
と、のんきなノムさん。
私とノムさんは毎度このテキトーな感じで時間設定をするので「最終に乗れなかったらどうなるの!?」「ヘッデンの登場なの!?」という切羽詰まった会話をすることになるのね…。
ゴマちゃん、ごめん。
でも、ここからなら本当に17:20には間に合うから大丈夫だ!16:00は間に合わないけどね!
牛首から山ノ鼻ビジターセンターまでは約40分。
山ノ鼻に着いたら、もう尾瀬ヶ原は終わり。
「ああ~尾瀬が終わっちゃう~」とさみしい気持ちになる私。もうちょっと、この場所のさわやかな空気で遊んでいたいな~。
しかし、そんな訳にもいかず、15:40山ノ鼻ビジターセンター着。
山ノ鼻からは樹林帯をおよそ1時間の登り。
ここの登りが疲れた体にダメ押しのように効く…。
しかし、割と段差の少ない木道だったり、石畳の段だったりするので、比較的登りやすいかも。尾瀬は整備が行き届いているからいいねえ。
ゴマちゃんも「これなら大丈夫」と言って、どんどん登っていった。…むしろ、多少登山経験がある私とノムさんの方がダメだった…。
車ばっかり乗らないで、これから鍛えよう…。
鳩待峠着は16:40くらい。
当初の予定からは40分遅れかな?いや、ある意味予定通りの到着時間。
ふふふ、ゴマちゃん、ちゃんと間に合ったぞ!(全然反省してない)
3人で健闘をたたえ合い、朝写真を撮った尾瀬の看板の前で再び写真を撮る。
わーい、楽しかったね~。
とりあえず、コーラで乾杯!は~炭酸、染みる!
今回の尾瀬は本当に良かったな~
バス内で写真を眺めながら、感想を言い合う私たちなのであった。
秋の草紅葉も見たいな~。尾瀬沼の方も行きたいな~。
でも、次は至仏登山!
近いうちにまた来るぞ~と心に誓い、尾瀬を後にしたのだった。
鳩待峠で出会った鳩。…待っててくれたの?
<コースタイム>
7:00老神温泉発…7:50戸倉第一駐車場…(バス)…8:30鳩待峠(準備20分)…8:50鳩待峠発…10:00横田代(休憩15分)…11:00アヤメ平…11:30富士見峠前分岐(昼40分)…13:50竜宮小屋(休憩・お買い物15分)…15:00牛首…15:40山ノ鼻ビジターセンター…16:40鳩待峠…17:30戸倉第一駐車場
あると便利な本。敢闘賞!