桜咲く
春が来た。
桜が咲くと、春が来た、と急にそわそわしてしまう。早く、花見に行かないと桜が散ってしまう。何が何でも、咲き誇る桜を見なければならない。だって、今年の桜は今年だけだから。
しず心なく 花の散るらん とうたった紀友則の気持ちがよくわかる。
もうちょっとだけ、待っていて欲しい。そんなに散り急がないで。
という私の気持ちが通じたのか、今年は開花してから寒い日が続き、満開まで少し足踏み。週末のぽかぽか陽気で満開になるという、最高の状況。
ありがとうございます。天気の神様。気象神社にお参りした御利益かしら?
今年もいそいそと花見に出かけた。
桜の下で飲むビールはサイコー!
4月は花見で酒が飲めるぞ 酒が飲める飲めるぞ 酒が飲めるぞ(by 日本全国酒飲み音頭)
本当はノンアルビールを飲んで、崎陽軒のシュウマイをつつく、という、ピクニック花見だった。絵に描いたような酒盛りしたいな。
さらに 今年は妙な焦燥感が強く、夜桜も見物に出かけた。
宴会で賑わう人たちや、夜桜見物でそぞろ歩く人々で、かなりの人出だった。日本人はどうしても、桜が咲くと浮かれて出かけてしまうものなのだろう。もう、しょうがない。
私もスマホ片手に桜並木をぶらぶら歩く。
ぼんぼりの明かりを頼りに写真を撮っていると、突然、あたりは真っ暗に。
「わあ、停電!?」「ここだけ暗くなったぞ。屋台は明かりがついているのに」と周りの見物客の皆さんと、少しざわついたが、原因は時計をみてすぐに判明。
どうやら、9時半を過ぎると、何の予告もなく照明が落とされるらしい。
割と早い!
うう…もうちょっとぶらぶらしたかった…。
未練がましく、暗闇の中でフラッシュをたいて写真を撮ってみたりするが、桜が幽霊の様に映り込む不気味な写真になってしまい、即座に削除する。ちょっと怖い!
ここは、いさぎよく諦めよう…。
ついでに、春の花と言えば菜の花。
鮮やかな黄色が目にまぶしく突き刺さって、春の到来を教えてくれる。
なんとなく、こちらは庶民的で身近な暖かさを感じるのは私だけだろうか。桜が華族のお嬢様なら、菜の花は平民の女学生って感じ。
車を走らせていたら、土手が黄色に染まっている光景を目にして、たまらず車を脇に駐めて写真を撮ってしまった。
多分、車で通りがかった方には「なにやってんだろう、あいつ…」と不審に思われたに違いない。怪しい行動。
他にも春を告げる花は次々と咲いている。
気温も高くなり、ぽかぽか陽気で朝、起きるのが辛い。(朝起きられないのは春だけでは無いが)
山もおぼろに霞んでいる。
春になった。
春になって、暖かくなれば、また高い山にも行けるシーズンがやってくる。
今年、行きたい山のピックアップを始めよう。
やっぱり、春はうきうきする季節なのだ。わーい。