睡紫庵文庫

身辺雑記をまじえた読書雑記です。

「アドルフに告ぐ!」手塚治虫

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 文藝春秋ビジュアル文庫全5巻。各巻583円前後?他にも出てます。  

私は仕事で電話を取り次ぐことが多い。総務だから。  

しかし、一体誰が「総務=電話取り次ぎ」と決めたんだ!?電話ぐらい自分で出ろよ

まあ、今はそれはいい。  

先日もいつものように受話器を取ったところ  「ワタクシ、ラムゼイと申しますが、松波(仮名)さんいますか?」という電話がかかってきた。  

「ラ…ラムゼイさま…ですか……少々お待ち下さい」  

と、取り次いだところ、松波さん(仮名)は「はーい」とごくふつうに出ていた。ちゃんと仕事の電話だったみたい。  

私が思わず「ラムゼイ……」とつぶやいてしまったため、向かいに座っている「湯上博士(仮名)」が反応。  

「ラムゼイ……!それはラムセス2世と関係があるんですか!?」  

知らないよ、そんなこと!というか、ラムセス2世って誰だ?(後にエジプトのファラオと判明)  

湯上博士、いつも変なところだけこだわるよな……。電池マニアめ。けっ!  

しかし、「ラムゼイ」という名前はなんかひっかかるところがある。うーん、何だ、このおぞ~っとする感じは。のど元まで出かかっている感じなんだけどな~。気持ち悪い。  

「ラムセス2世はともかく、私はラムゼイという名前に聞き覚えがあるのですが……知りませんか?」と湯上博士に聞いたところ 「確かにどこかで聞いたような……」と湯上博士も考えこみ出した。  

うーん、どこで聞いたんだ!思い出せ、私!やれば出来る子や!  と、しばらく考えた後、思い出した。  

ソ連のスパイ、ゾルゲのコードネームだ!  

本当にこのコードネームが使われていたのかどうかは知らないが、手塚治虫の「アドルフに告ぐ」で出てきた時「ラムゼイ」と呼ばれていたよ!すっごいちょっとしか登場しなかったけど。  

私、最近読み返したので、覚えてるもんね!  

アドルフに告ぐ」は手塚治虫の大名作で、第二次世界大戦を背景に、同じ「アドルフ」という名前を持つ2人の少年の物語だ。そこに「アドルフ」ヒトラーが影をさしている。  

ナチス党員として成長するアドルフと、日本在住ユダヤ人として成長するアドルフの二人の友情と憎悪が、人間の複雑さを描き出す。  

こういう葛藤モノ、私の大好物!バッチ来い!  

マンガだし、本をあまり読まない人にもお勧めだ。  

作中には実際にあった「ゾルゲ事件」も複雑に絡んでくる。  

ちなみに、湯上博士もかつて「アドルフに告ぐ」を読んでいたため、うっすらと記憶に残っていたらしい。  

うーん、すっきり!こういう、どうでもいいことに関してだけ、私の記憶力はスバラシイなあ。自画自賛。  

しかし、先程の電話に戻るが「ラムゼイ」を名乗るなんて……。  

もしかしてロ●アのスパイなんじゃないのか!?K●Bとか?  

きゃー!危険よ~!  

一体なんの情報を探っているんだ!?うちの職場、あまり知られて困る情報とか無いけどね。  

いや、強いてあげれば、職員の年齢とか……。ロ●ア人はあまり興味ないかもね……。    

それにしても、何なんだろう「ラムゼイ」。  

おそらく会社名だと思われるが、会社の看板である社名にソ連スパイのコードネームを付けるなんて、探偵事務所相当の手塚マニアのどっちかしか考えられないわ!  そんな怪しげな会社と仕事をしているうちの職員……。  

松波さん(仮名)!何の仕事をしているんですか!  

うちのお仕事ではよく品物を運送するのだが、その中に紛れて、底が二重になった段ボールとかないですよね?で、白い粉とか入ってるの。  

ぎゃー、考えれば考えるほど恐ろしいぞ、ラムゼイ!  

誰か、私を安心させてくれ!  

それと、ラムゼイ、もう電話かけてこないでね!  

 

ラムゼイ御中  

おそらく、とてもまっとな会社であるのに、伏せ字にもしないで、ガンガン書いてしまって申し訳ありませんでした。  

関係者の方、本当にすみません。  

でも、本当に、何で「ラムゼイ」なんですか?