榛名山 掃部ヶ岳~鍋焼きうどんであちち~
今年はちっとも冬が来ない気がする。確かに朝晩は寒さを感じるけれど、まだ秋の延長戦上にいるような気持ちで、日中はのほほんと過ごしている。山も全然白くない。
まだまだ行けるな、という気持ちで榛名山の最高峰、掃部ヶ岳に行ってきた。
榛名山はG県民にこよなく愛されている上毛三山の1つであるが、「榛名山」という山は無い。噴火でできたカルデラ湖の榛名湖を中心に、榛名富士や掃部ヶ岳や相馬山などの数多くの峰の総称である。
下界から眺めると、どどーんとその雄姿がそびえ立ち「榛名、今日もカッコいいなあ…」とほれぼれする。私のイメージだと、赤城山がお母さん。榛名山はお父さん。
(じゃあ、妙義は…と聞かないで欲しい…)
6:30過ぎ、G県東部発。
近いので、もうちょっとゆっくり出発しても良かったのだが、余裕があったら、掃部ヶ岳と榛名富士の2つ制覇も狙っていたので、やや早めに出発した。
今回も同行は山の相棒ノムさん。
伊香保温泉を経由して、「静かな湖畔」のメロディーラインも堪能し、掃部ヶ岳登山口到着は9:00少々前。登山口の目印にしていた国民宿舎「榛名吾妻荘」は市の林間学校施設「榛名湖荘」に変わっていたので、しばらく見つからなかった。3~4年前に来た時はまだ吾妻荘だったと記憶しているけど…。時代は変わるなあ。
ちなみに、私も中学生の時の林間学校は榛名山だった。遠い昔の記憶だけど…。
準備をして、9:00過ぎに登山開始。
私は以前、1度だけ登った事があるが、そのときの細かい記憶はぼんやり。
「確か、笹だらけの直登で、辛かった」「道、間違えて違う山登っちゃった」という辛かった記憶だけが残っていて、あまり良くない印象なのだ…。今回は楽しい登山にして、その印象を払拭したい!
しばらくはクマザサは生えているけれど、しっかり登山道は整備されていて、割と歩きやすい道が続く。あれ?クマザサまみれゾーンはどこだったのかしら?
しばらく登山道をえっちらおっちら登って行くと、私の後ろから「せっせっせいやっ」というノムさんのつぶやきが聞こえてきた。
どうやら、登りを歩く自分を鼓舞しているらしい。
「おお!ノムさん!霜降り明星、せいやだね!」※この時点ではM-1の結果でてません
なかなか渋いネタついてくるな~!さすが、ノムさん!と後ろを振り返ると
「違うよ!BEBY METALの曲だよ!せいやって誰!?」と怒られてしまった…。
知らなかったけど、せいやのネタ元はBABY METALだったのかしら?全然関係無い?
くだらない会話を続けながら登り続けて約30分、硯岩との分岐に到着。案内看板には「硯岩0.1km」と書かれている。
事前学習によると、硯岩は絶景ポイントらしいので、勿論行く。好天の絶景ポイントを素通りする登山者なんて、きっといない。たとえ、その100mが急登だとしても!
なんとか登り詰めた硯岩は噂に違わぬ絶景ポイント!榛名湖と榛名富士がよく見える。
「カルデラ湖~!」「プリンだ!プリンだ!←榛名富士のこと」と喜ぶ私たち。
榛名富士は本当に綺麗な富士山型で見映えがいい。THE 山!でも、登ると日光男体山と同じで辛そう…。事前には榛名富士も登りたい、と思っていたが、この時点でその気持ちはかなり失われている…。
分岐に戻り、しばらく行くと、階段が現れる。
ずっと階段…。まだまだ階段…。疲れる…。
階段の途中で倒木が道をふさいでいた。最近、倒れたのかもしれない。
とりあえず、倒木でポーズを決め、モデルごっこをして、疲れを紛らわす。最近、私たちが写真を取り合う時の合い言葉は「ラ●ドネ風」だ。振り返りポーズとか、それっぽい!
10:30 長い階段終了後、少々歩くと頂上到着。1449m。だいたい1時間半で到着。
榛名湖が眼下にお出迎え。でも、硯岩からの眺めと比べると、かなり角度が違う。結構歩いたんだな~。
雪でうっすら白い浅間山や先日登ったギザギザ妙義山も見える。頂上から周りを見渡す時間は楽しい。
「あの山は何かな?」とノムさんや居合わせた登山者の方と話す。不思議だ。山に登らなかったころは、山を見ても名前なんて全然気にならなかったのに。
さて、今回、私は印象の悪かった掃部ヶ岳を最高の楽しい思い出にするための秘策を用意してきた。
それは、鍋焼きうどんである!
寒くなるのを待ってた!(この日は実はそんなに寒くなかったけど)
コンビニで売っているアルミの鍋に入っているヤツだ。これをそのままバーナーに載せ、ぐつぐつ煮て食す。最高じゃない?最高だよね!
このために私は前日コンビニを4軒ハシゴした。どうして探している時に限って無いものなのか。4軒目で発見した時は「えいどりあ~ん!」と心の中で勝利の雄叫びを上げたね。苦労したの。
お昼には少し早い時間だったが、かまわず鍋焼きうどん製作に取りかかる。
やってきた登山者の方に「おっ鍋焼きうどんかい?最高だね」と言っていただいたので「はい。最高です!」と堂々と答えてみた。
ちなみにノムさんはレトルトの鍋焼きうどん(スーパーで購入)と刻んだネギ(冷凍)を持参。こちらも気合いが入っている。
ぐつぐつ煮立った頃合いで、コンビニで購入した半熟たまごをトッピング。
できあがり!
うーまーいー!!(味皇様、降臨)
暖かいものは染みるねえ。本当に最高だ。
しかし、食べるときにアルミの鍋を持つと、ちょっと熱い。
「ノムさん、熱いねえ。大丈夫?」と聞いてみたら、ノムさんはアルミ皿を持つ方の手にしっかりと手袋をはめていた。さすが!ミトンの要領か!
手が熱い問題も早々に解決され、山頂でひたすらうどんをすする。
幸せだなぁ 僕は君といるときが一番幸せなんだ…(by君といつまでも)
ついつい加●雄三を口ずさんでしまうくらい、幸せを感じたよ、私は。
11:30 大満足のお昼を食べ終え、帰路に着く。
「行きとは違うルートがあるみたいなので、そっちで帰ろう」と「杏ヶ岳」方面のルートへ。
クマザサ クマザサ クマザサ
「笹だらけじゃないか~!足下も見えないぞ」
「ああ、前に登った時のクマザサまみれゾーンはここだったか!」
笹にまみれながら一気に下る。
しばらく下ったところで、ヤマレコのGPSログを確認して気づく。
「あ、道間違った…。このルートだと相当先(杖の神峠)まで行かないと帰れないや」
「……この笹まみれの急坂を登って戻るのか……」
「……。」
戻ったよ。笹にまみれて。
くっ…やはり、榛名は道を間違う山なのか。今回、ヤマレコのGPSログ使ってて良かったな~(でも、このブログへの貼り付け方法とかよくわからない…)
「ただいま~」と再び掃部ヶ岳山頂に戻ったのは12:00少し前。
予定外に30分ロスしてしまったが、「ラ●ドネ風」の笹まみれ写真が撮れたからよかったとしよう。ポジティブ。
山頂から10分弱歩くと、非常にわかりにくい分岐があった。(一応、看板があった)
「…こっちに道あるの…?」「かすかに見える。ある…!!」
せっかくだから違うルートで帰りたい、という単純な発想でこのルートを選択したけれど、決して人には勧めない。ときっぱり言えるくらいの道。
さっき間違えた杏ヶ岳方面への道ほどじゃないけど、笹だらけ!急な一直線の下り!落ち葉が滑る!(これは季節のせいだが)
ピストンで帰った方がよかったかもしれないい。他に人、全然いなかったし。(一人も出会わなかった)
途中からは、やけくそ気分になったのか、これはこれで楽しくなってきた。自分でも呆れるほどの前向きさ。
多分、下りが上手な人は、このルートの方がコースタイム的には早いのかもしれない。私もノムさんも下りが上手ではないので、全く早くならなかった。どうしたら、うまく下れるのかな~。
13:00 多分、人より相当時間をかけて、湖畔記念公園に到着。
いろいろ消耗したので、榛名富士には当然登らず、湖畔から眺めるだけにした。もう、達成した気分だったので、もう一回はじめから登る気持ちになれなかったの。ヘタレな私たち…。プリンちゃんはまた今度。
振り返ってみると、変化に富んでいて楽しい山だった。何より、鍋焼きうどん、おいしかった!
これで、私の榛名山の印象は良い方向に転換したぞ。
帰宅途中に、榛名湖温泉で露天風呂からのんびり榛名富士を眺めるという、最高の締めでこの日の山登りを終えた。
は~、温泉がいい時期になったな~。
<コースタイム>
9:00榛名湖畔駐車場…9:30硯岩…10:30掃部ヶ岳山頂(お昼1時間)…(道間違え)… 12:00山頂再び…12:10分岐…13:00湖畔記念公園