七輪ライフ~山の持ち物 番外編~
いろいろあった2020年。
5月に書く記事の冒頭ではないことは承知しているが、あえてこの書き出しで行く。まだ、2021年の前半なので、大丈夫だ。きっと。
2020年、私が購入した物の中で一番の「買って良かった」商品は「七輪」である。
家でのバーベキューが大人気、という話題を何かで聞いて、そうだ、私は七輪を買おう、と思いついたのだ。
学生の頃、学祭で焼き鳥屋をやった時に七輪を購入した記憶があり、手軽に購入できるものだという認識があった。
その記憶どおり、近所のホームセンターで普通に売られていた。値段は忘れたが、多分2500円くらい。割と恒常的に需要はあるらしい。
季節はちょうど秋。
七輪と言ったら、サンマである。ジュージュー炭火で焼いて、アツアツほおばるのだ。
やっぱり、七輪で焼いたサンマは最高である。
2~3回、サンマを焼いたが、とにかく美味しい。コンロとは違う、脂が落ちた焼け具合に独特の炭の香りが香ばしいのだ。
「やっぱり、サンマだね!」
秋の夕方、暗くなっていく空を眺めながら、ビールを片手にサンマをつつく。
なかなかに楽しい。
ちなみに、外で食べずに、焼き上がった魚をお皿に移して、普通に家の中で食べるパターンもあるが、それでもかなり美味しい。冷めても炭火焼きは何か違うのである。
すっかり味を占めて、暇を見てはいろいろ焼いていく。
ホッケ、ホタテ、イカなど、主に海産物系が多い。これは「七輪=サンマ」の印象が強く、七輪では魚を焼けば間違いない、と私が思い込んでいるからであろう。
海産物以外も焼いている。
学生時代の「焼き鳥屋」の記憶があったので、焼き鳥もやってみた。
焼く前の串に刺さった状態の焼き鳥(鶏肉)を求めて、近所のスーパーに行ってみたが、焼き上がったもの(もしくはボイル後冷凍したもの)しか売っていなくて、すごすごと帰宅し、自分で竹串に鶏肉とネギを差して焼いた。
めっちゃ美味!居酒屋の味!
それにしても、どうして、スーパーでは焼き上がったものしか売っていないのか。焼くのが面倒だからか。そうか…。
この年になっての新たな発見。自宅で焼き鳥を焼く人は少ない。
いや、もしかすると結構いるが、みんな自分で串に刺しているのかもしれない。
その証拠に(?)焼き鳥のたれは売っていた。
写真で何となくわかるかもしれないが、焼く場所はいつも家の縁側である。
外ではあるが、屋根があるのでいろいろ便利だ。
縁側は木材でできているので、冬くらいからバーナーシートを導入し、火の取り扱いには注意を払っている。(ちなみにそれ以前に下に敷いていたのは、せんべいが入っていた缶のフタ。せんべい缶はいろいろ重宝している)
その他の備品は概ね百円均一で購入した。
網も、火吹き棒も、食材をつかむトングも、火消しとして使っているオイルポットも、火の番をするときに座る椅子も、ついでにライターもみんな百均。炭すら百均で売っている。(サイズが小さいので七輪向き)
最近、仕入れた情報によると、バーナーシートも百均に登場したとか。
すごいぞ、キャンプブーム。すごいぞ、百均。
七輪を入れても多分3000円ちょっとで諸々揃うではないか。
いい世の中になったものだ。ますます、私の七輪ブームに拍車がかかる。
今後、焼きたい素材は沢山ある。
実は、私は痛恨のミスを犯してしまっているのだ。
正月に餅を焼かなかった!
年末には焼こう、と思っていた。
しかし、「元旦はかまどに火は入れないものだろう」と、どこかで読んだ知識を言い訳にして、普通にコンロで焼いた餅で雑煮を食べ(火を入れているではないか、バカめ…)、だらだらと寝正月を過ごすうちに、餅を焼く機会を逸してしまったのだ。
言い訳せずに言うと、朝から火をおこすのが面倒だった。
怠惰な自分と決別するために、来年こそは、必ず焼こうと思っている。
別に今、餅を焼いてもいい理屈だが、年中行事というものにとらわれる性分なので、来年の正月まで持ち越しする。
来年の三が日中には必ず。または、15日にお汁粉でもいいな。
それから、夏になったらトウモロコシを焼く。
キャンプをしたときに、アルミに包んで焚き火で焼いたが、とっても美味しかった記憶がある。
これを我が家の七輪でやりたい。
私は毎年、美味しいトウモロコシを手に入れるために、遠出をしたりしている。
今年は朝採りのぴちぴちトウモロコシを買いに行き、帰宅後、皮を剥いて、すぐに七輪で焼こうと思っている。
醤油をちょっと垂らして、豪快にかぶりつくのだ。歯に何かが挟まるけど、それは爪楊枝で取ればいい。
そして、気づいてはいたが、今まで焼いていないもの。
肉。
なんとなく、海産物方面に力を入れすぎていたので、手を出さずにいたジャンルである。
肉、焼いてもいいんだよなー。
そのうち、気が向いたら焼くかもしれない。あくまでも、気が向いたらだが。
百均メスティンの実力〜山の持ち物 その2〜
山へ行きたしと思へども 山はあまりにも遠し(気持ち的に)
我がG県の詩人、朔太郎は新しい背広できままな旅に出ることにしたらしいが、私は新しい山の道具できままなご飯を作ってみることにする。
新しい山の道具とは、話題の百均メスティンである。
私は今までメスティンを持っていなかった。
山でご飯を作る時はコッヘルか山フライパンを使っていて、十分満足していたからだ。特に山フライパンはパスタを茹でる時もギョーザを焼く時にもバッチリ対応できて、君さえいれば他には何もいらない、とありふれたJポップの歌詞のようなことを思っていた。(サイズが大きいのが難点)
しかし、世間のキャンプブームに後押しされて、百均各店がキャンプ道具を大量発売。
100円のものなんて、とはじめは侮っていたが、これがどうして、なかなかの品揃えである。
何より値段が手頃すぎるので、ま、使わなくても買っとけばいいか、とついつい購入してしまうのだ。
百均メスティン(百均だけど500円。商標に偽りあり)も、ついつい購入してはみたものの、未だ使ったことがなく、その実力は未知数である。
先日のキャンプでジェイ氏が使っていたので、ご飯を炊く手順はわかっているつもりだ。
この機会に一度試してみようではないか。これで、ええやん、と思えば、今後山道具のスタメンになるかもしれない。
まず、お米(目分量で0.7合くらい)を研いで、水に浸しておく。
その間、私はしっかり入浴。
今回は自宅で行ったので、普通にボールを使ったが、山に行くなら、ナルゲンボトルやジップ●ックなどに、水に入れた状態で持って行くといいらしい。
風呂上がりに、しっかり水を吸ったお米を百均メスティンに移す。通常のメスティンより小さいサイズなので、この量でちょうど良い感じだ。
白米でも良いのだが、今回は私のレモンサワー夜会(毎週金曜日に開催。一人で…)のおつまみにしたかったので、缶詰の焼き鳥とベビーチーズを一緒に炊き込むことにする。
二品ともつまみの王道である。多分、おいしくなるに違いない。
これをポケットストーブ(こちらもついついホームセンターで購入)にセットして、固形燃料の火で炊いていく。
ポケットストーブはガスバーナーよりも小型で軽いので、これでいろいろ事足りるなら、山に持って行くのもいいかもしれない。
室内で火を付けることにかなり抵抗はあったが、旅館の料理には定番で出てくるではないか、と自分に言い聞かせ、床に直置きで点火する。(板は敷いた)
ちなみに、この季節だが窓は全開にした。換気扇がない部屋なので。
固形燃料のオレンジの火が勢いよく百均メスティンの底に当たる様子を見つめながら、私は髪をドライヤーで乾かすことにする。ドライヤーの熱で窓全開の部屋でも暖かい。これは一石二鳥だ(?)
髪がしっかり乾いても、固形燃料の火は消える様子はない。
百均メスティンからは期待を高めるように、白い湯気と良い匂いが漂ってきている。多分、良い感じに炊けているに違いない。
わくわくしながら、百均メスティンを見つめ続けるが、火はずっと燃え続けているので、待ちきれず、レモンサワーをお先に頂くことにする。
酔っ払った状態で炊きあがったご飯を扱うと、何か粗相をするかもしれないので、ゆっくりペースでちびちび飲むことにする。
ご飯を食べていない空腹にアルコールが染みる。ゆっくりペースだけど、酔いが手足にまわり、火がついているものをうっかり倒したりして、火事になってしまったらどうしよう。
変なところだけ心配性なので、火がついている百均メスティンのそばには寄らないようにし、遠くからしっかり監視しながら、一人レモンサワーをちびちびやる。
そんなに心配なら、火が消えてから飲み始めればいいのに、と今は思うのだが、その時はもう待ちきれなかったのだ。猫まっしぐらのモ●プチ(今はちゅ~●かもしれない)みたいな感じだ。
火を付けてから、約30分。ようやく火が消えた。
中がどうなっているのかわからないが、多分、おいしく炊きあがったはずだ。
ここから、タオル(私は手ぬぐいを使った)にくるんで蒸らしに入る。
「はじめちょろちょろ 中パッパッ 赤子泣いてもふたとるな」は昔から言われているお米の炊き方である。
別に蓋をとったらおいしく炊けないわけではないことは知っているが、自分の中に「蓋を取らずにしっかり蒸らした方がおいしくなる」という刷り込みがあって、今回も蓋を取らずに、ひたすらじっと蒸らし終わるのを待つ。もちろん、その間、レモンサワーは進んでいる。
約15分の蒸らし時間を経て、ついに蓋をとる瞬間がやってきた。
どきどきする。多分、おいしくできていると思うが、ものすごく水状態だったらどうしよう、との不安もよぎる。そういえば、水加減は目分量のテキトーだった…。
祈るような気持ちで蓋を取る。
これは…!!
とても美味しそうに炊けている、と思う。
水加減は適当だったにもかかわらず、とても良い感じの炊きあがりだ。ふっくら、良いあんばい。
具を混ぜると、焼き鳥のたれがご飯に染みていて、うっすら茶色の混ぜご飯に出来上がっている。
お味も見た目どおり、美味しい。
これはイケる。
レモンサワーにもばっちり合う。この時点で1本目は飲み終わったので、自然と2本目のプルタブをプシュッといってしまった。
おいしいよー、と心の中で叫びながら、ご飯を黙々と食べる。
これを山で食べたら、多分もっと感動的に美味しいだろう。
だけど、結論から言って、私は百均メスティンを山へは持って行かないと思う。持って行ったとしても、ご飯は炊かない。
なぜならば、時間がかかるのだ。
最初のお米に水を吸わせる時間は省略できるとしても、火を付けてから消えるまで30分。蒸らしに15分。都合、食べるまでに45分もかかるのだ。
そんなに待ってられないよー。
待っている間に、一山登れちゃうよー(これは嘘)
日帰り登山だと、やはりバーナーでさっとお湯を沸かして煮込むラーメンとかが「うまい、安い、はやい」(by吉●屋)で最適である。
山ごはんの本もいろいろ出たりしているが、山でご飯を食べている人の7割くらい(私の主観)がラーメンを食べているのは、そういうことなんだと思う。ちなみに、残りの2割はおにぎり(またはパン)で、1割がパスタ他である。
百均メスティンはおいしくご飯が炊ける事がわかったので、テント泊の時とか、やっぱりキャンプの時とかに活躍してもらうことにする。
一人分のご飯を炊くにはちょうどいい量である。あと、目玉焼き(卵2個のホンモノの目玉焼き)を作るにもぴったりな大きさのような気がする。
目玉焼きは今後のレモンサワー夜会で作ってみようかと思う。
もしかすると、百均メスティンは、テント泊とかキャンプの時よりもレモンサワー夜会での活動がメインになってしまうのかもしれない。それもいいか。
オマケで、私の山道具(レギュラー)の中に百均商品がいくつかあったので紹介する。
不思議と食事関連のものばかりだった。
二重ステンレスになっていてお湯など冷めにくい。
私はザックにぶら下げて山に行っている。何かの本でシェラカップをぶら下げたザックの写真をみて「カッコいい」と思ったので、真似しているのだ。
取っ手がカラビナになっているので、ちょっとしたヒモ(登山用ザックにはちょっとしたヒモが割とある)に簡単に取り付けられる。
尾瀬の弥四郎小屋前の清水なんかを飲むときに、さっと使えたりして非常に重宝している。
折りたたみ式ナイフは常に持って行っている。
切れ味は悪いが、ちょっとした包装のビニールを切ったりする時などにも活躍する。
でも、本当のメインの使い方は、まな板とセットで、りんごを剥くときだ。
私はりんごが大好きなので、秋の登山時はかなりの頻度で山にりんごを持って行く。実はそのために買ったのだ。
たためると小さくなって、刃も安全なので非常に良い買い物をしたと思っている。
ちなみに、これを磨ぐための砥石も百均で購入した。
まな板はりんご用。
軽くて小さいまな板はむしろ百均でしか売っていないかも。
ザックの内側にあるハイドレーションの水を入れるところにぴったり入る。
ライターは何の気なしに購入したが、これ以上に山に最適な100円ライターはないと思っている。
火口がチャッ●マン式のものは他にもあるが、これは火の大きさを調整するレバー(+と-の間を動かすヤツ)がついているので、使うとき以外は「-」にしておけば、何かの拍子にうっかり火がついてしまうことがないのだ。
購入店以外の百均のライターコーナーで、レバー付きのものを見たことがないので、運がよかったなあ、と思っている。ビギナーズラック?
ちなみに、主な使用用途はバーナーの着火だ。イグナイターはついているが、調子が悪いとつかないので…。
他にもたまに持って行くスキレット(ものすごく重い)や、木の匙(今回作った混ぜご飯を食べるときにも使っている)や、クッキングシート、ファスナー付きビニール袋(ジップ●ックではない)とか、百均商品にはかなりお世話になっている。
多分、これからもずっとお世話になり続けると思う。本当にありがたいお店である。
願わくば、ちょっとごわっとした昔ながらのトイレットペーパーを売って欲しい。
汚れたコッヘルなどを拭く用に持って行くのだが、この場合、お尻に優しいふわふわやわらかペーパーより、ごわごわペーパーの方がしっかり拭けていいのだ。
百均でも勿論トイレットペーパーは売っているが、かなりお尻に優しい感じだ。公共施設のトイレとかにある、あの業務用っぽいものを是非、小売りして欲しいのだ。
わがままなお願いなのは承知している。是非、検討願いたい。
ちなみに、我が家の本来用途のトイレットペーパーはふわふわである。
冬キャンプ入門~薪ストーブでネギを焼く~
今年初のキャンプに行った。
10月くらいから話は出ていたのだが、メンバーの都合やら何やらで、初冬、というかもう冬の12月の頭にようやく行くことが出来たのだ。
メンバーはジェイ氏とでんさんと私の3人。
秋キャンプ予定だった時は、ジェイ氏のリサーチによる景色のいい山近くのキャンプ場を考えていたが、12月の夜は絶対に寒いに違いない、と3人ともが慎重になり、前箸(仮称)市内の都市公園内のキャンプ場に行くことにした。
さすがキャンパーであるジェイ氏のリサーチは完璧である。まさか、こんな街中でキャンプができるところがあるとは思わなかった。ちなみに料金は無料である。(許可は必要)
キャンパー、ジェイ氏によると、このキャンプ場は穴場的な人気で、昨今のキャンプブームに乗り、週末はかなりの賑わいであるらしい。
山近くのキャンプ場よりも、絶対に夜の気温は高いはずだし、無理だと思ったらすぐに離脱できる、冬のキャンプ入門にはぴったりである。いいとこ選んでくれて感謝感激雨アラシである。(今年活動停止する某グループに敬意を表して!お疲れ様!)
近くのスーパーで食材を購入し、キャンプ場に到着した時間は16:00近く。
いつもながら、スタートは遅い。周りにはソロと思われるキャンパー数名とファミリーキャンプと思われる、ものすごく立派なテントが3張ほど既に張られている。
テント張る場所もない、というほど混んでいなかったので、悠々と場所を確保し、それぞれのテントと真ん中にタープを張って、テーブルやら椅子やらを設置する。
3人で黙々と作業を進め、あたりが薄ぼんやり暗くなる5時前にはしっかりセッティングは完了し、タープの下に設置したテーブル周りにどっかりと腰を据えることができた。
我ながら、けっこう手際はいい。
久しぶりに集まった我々は、ごそごそとそれぞれの荷物をあさり、今回持ち寄った道具の自慢大会を開催する。
今回のキャンプ場もそうだが、キャンプの場合、車で道具を運べるので、重くてかさばる道具や今回使わないかもな、という道具もためらわずに持って行けるのだ。私が持って行った40Lのザックはいろいろ詰め込んでパンパンであった。
今回、私は登山には絶対に持って行かない道具を持って行った。
私が持ち込んだ道具。それは「七輪」である。
今年の秋に「サンマが焼きたい!」と一念発起して手に入れた逸品だ。私にとっては「今年買ってよかったもの」ナンバーワンである。
自宅でサンマやらホタテやらを焼きまくって悦に入っていたのだが、これはキャンプでも楽しめるだろう、と重さをいとわず持ち込んだのだ。どやっ!
しかしながら、私の鼻高々はあっという間にへし折られることになる。
なんと、ジェイ氏は堂々の薪ストーブを持ち込んできたのだ。
さすが、本気のキャンパー!ひれ伏すしかない。
七輪で自慢していた己が恥ずかしい。
「つい、買っちゃってさー。時間がある時は家の庭でも火を入れてるんだよね」と、うれしさを堪えきれないニヤニヤ顔で自慢するジェイ氏。
「すごいよージェイ氏ー。うらやましすぎるよー」と素直に声を揃える私とでんさん。
これはもう、感嘆の声をあげるしかない。やったな、ジェイ氏!
薪ストーブはヤカンを置いておけばお湯が沸くし、煮物も焼きモノも対応できるスグレモノだ。
今日のキャンプでは私たちもたっぷり恩恵にあずかることにして、晩ご飯のすき焼きは、このストーブの上でじっくり煮込ませてもらう。
冬の鍋、しかも野外での鍋。おいしいに決まっている。
ついでに、すき焼き用に購入した下仁田ネギをストーブで焼いて食べることにする。
ただシンプルに焼いたネギに、醤油をちょろっとたらしてそのままいただく。
めっちゃおいしい!
一緒に飲んでいたビールにジャストミート。
下仁田ネギ、最高である。
これは、ビールのCMで使えるレベルの食材ではないだろうか。絵力もある(と思う)
冬ならではの料理に「これは出会ったね」と3人で確かめ合いながら舌鼓を打つ。
実は、鍋に入れた余りの1本を焼いたので、それを3人で分け合って(縦に3つに割いた)食べたのだが、もっと1人1本くらい焼いても良かった。
鍋でも勿論最高だが、焼いても良い。
是非、みなさま、お歳暮用にお買い求めいただきたい。G県の自慢の名品である。
念のために言っておくが、下仁田地区以外で作っても「下仁田ネギ」である。たとえG県外で作っても「下仁田ネギ」である。
すき焼きの残り汁に入れておじやにするためのお米は、メスティンで炊く。
炊飯にはダイソー500円メスティンが登場だ。
でんさん購入のミニ焚き火台に私の固形燃料をセッティングし、ジェイ氏のダイソー500円メスティンを使用するという3人の道具の合わせ技で炊飯した。(ちなみに500円メスティンは私もこっそり所有している)
きれいな白飯に炊けたので、おじやにしてしまうのはちょっともったいなかったが、おじやはとてもおいしかった。
お米は日本人の胃袋を満足させる。今度、山でもお米炊いてみよう。
それにしても、やっぱり、キャンプ飯はとっても楽しい。そして、野外加算で何を作って食べても、とにかくおいしい。
今年はキャンプはできないかな、と思っていたのだが、ギリギリ滑り込みで出来て、本当によかった。
さて、この日は天気がよく暖かかったので、それほど寒さに震えることもなかったのだが、夜が更けるにつれ、さすがにぐっと気温が下がり冷え込んできた。
ご飯終了後はそれぞれの本日の寒さ対策について披露し合う。
いくら平地とはいえ、シュラフのみでは寒いと思い(ちなみに私のシュラフは3シーズン用)、みんなプラスワンの毛布を用意していた。でんさんにいたってはシュラフを2つ持ってきていた。
そして、ド定番のカイロと湯たんぽ。
私が用意したカイロは、「めっちゃ熱い」との売り文句にひかれて購入した、その名も「マグマ」である。
ものすごく熱そうである。そして、実際に使ってみたところ、めっちゃ熱い。そして長持ち。翌朝までずっとほかほかであった。すごいぞ、桐●!
これに加えてのダウンなどの防寒着。
この日はこの程度で大丈夫であった。
多分、雪が降るような場所とかではもっと高性能なものが必要なのだろうが、街中キャンプではこれでぬくぬかに眠ることができた。
シュラフの下に毛布を敷いて、さらに中に1枚入れると、そうとう暖かく眠ることができる。まあ、荷物に毛布を2枚もプラスして登山なんか決してできないが…。キャンプならではである。
ついでに、今回登場しなかったが、使用を検討していたものがある。
ハクキンカイロである。
使い捨てじゃないカイロ。形状はZIP●Oとかのライターを大きくした感じ。ベンジンを燃料にしたカイロでものすごく熱いらしい。懐かしのアイテムだ。
ア●ゾンのカートにいれるところまでは行ったけれど、使い捨てでいいか、と購入までは至らなかった。
日常使いもできるので、購入してもいいかなあ、とまだ未練がある。そのうち購入するかもしれない。
ちなみに、ジェイ氏も、今回持っては来なかったが「豆炭アンカ」を古道具屋で購入したそうだ。(若い世代は、名前を聞いてもピンとこないかもしれないが、中に入れた豆炭を燃やすアンカである)
それもいい。
話を聞くと、欲しくなってしまって困る。
翌朝はゆっくり起床。
昨日は出番のなかった私の七輪に炭を入れ、でんさんのホットサンドメーカーで肉まんを焼いて朝食にする。
おいしい、という評判を聞いていたので試してみたのだが、加減がよくわからずに片面真っ黒…。
でも、負け惜しみじゃなく、カリカリしておいしかった。本当だ。
失敗もまた楽しいのだ。
ホットサンドメーカー、重くて山に持って行きたくないので買っていなかったのだが、やっぱりいいなあ。欲しいなあ。
ギョウザとかも焼けて便利らしいし、買っちゃおうかな。低山とか尾瀬とかなら持って行けそうだし。
キャンプは物欲を刺激する。
これはちょっと危険な遊びなのかもしれない。
ワイナリー収穫祭2019
自分が自分だと思える根拠は、昨日も一昨日もそのずっと前も自分だったからだろう。
記憶だ。
自分であった、という記憶があるからこそ、初めましての自己紹介も出来るのだ。
そして、過去の記憶の積み重ねが、自分としての成長の基礎になっている。足し算引き算を覚えて、かけ算割り算へ進み、三角関数やら虚数の計算やらに進めるのも、過去に学んだ記憶があるからだ。
記憶は自らのアイデンティティの基。この記憶をなくすということは、自分であることすら、自分に証明できないという、不安定を超えて、ひどい恐怖を抱かせる事態なのだ。
記憶をなくした。ワインを飲み過ぎて。
某ワイナリーの収穫祭に出かけたのだ。
この収穫祭はワイナリーのブドウ棚の下で、その年製造されたワインをみんなで楽しく飲むお祭りだ。
大変楽しい。
しかし、楽しいだけではない、かなりな危険ポイントも内包した祭りなのだ。
危険ポイント その1 1人1本ワインが配布される。
入場料を払うと、1人1本ワインとグラスが配布されるのだ。
そもそも、1人1本というのは、普通に考えると、結構な量なのではないだろうか。ファミリー参加の方とかもいるし。みな、大丈夫なのだろうか?
いや、よく考えたら持って帰ってもいいのか…。
当日の私たちの頭には、まったくその選択肢は浮かばなかった。
それどころか「ワイン1本なんて、すぐ無くなっちゃうね。お代わり!」と、お代わりワイン(別料金)まで、頂いてしまった。しかも、一度ではなく、何度も…
危険ポイント その2 ブドウ棚の斜面は酔いがまわりやすい。
やはり、人類は野生を忘れてしまっているのだろうか。
地面が平らなところじゃないと、平衡感覚の方の酔いとの相乗効果なのか、どんどん酔う。
他のグループでも泥酔者続出。ブドウ棚の斜面を転がり落ちる人も続出。(足下がおぼつかないから)
今年は、その斜面を転がる泥酔者に私も名を連ねてしまった…。
翌日、お風呂に入っているときに、自分の手足のあちこちにアザやら切り傷やらが発見された。何回か転倒して、斜面を必死でよじ登った記憶がうっすらとある…。
酔った状態で登山しちゃいけないな、と今回学んだ…。
危険ポイント その3 朝から飲んでいる。
収穫祭のスタートは午前10:00からだが、受付は8:00からだ。
10:00スタートだからといって、それまでワインを前にじっと我慢しなければいけないわけではない。適宜初めて良し。そのため、実質的なスタートは8:00と言って良いだろう。
8:00というのは、普通に考えると結構朝だ。
友人達は「会社行く時よりも早い時間に起きたけど…」とぶつぶつ言っていたが、それでも遅かった。これは来年度以降への反省点だ。
私たちは駅に着いたのは8:00過ぎ。そこからシャトルバスの長蛇の列に並んだり、場所を確保したりで、実際に飲み出したのはだいたい10:00くらいである。
楽しく飲み続け、気づいたら、周りに人がいなくなっていた。終わりの17:00まで飲み続けてしまったのだ。
冷静にそろばんをはじくと、7時間飲み続けた計算になる。
嘘だろー。そんなに時間が経っていたはずないよー。
時間泥棒(by「モモ」)に時間を盗まれていたとしか思えない…。
そう。その飲み続けた7時間のうち、後半の記憶が一部綺麗に抜けているのだ。
「あれ、気づいたら周りに人が全然いないね。おかしいねー?」と陽気に語らい、ワイなりの人に「帰ってくださーい」と言われた記憶はある。
その後、私がトイレから出たら「Youも酔っ払うんだねー」と友人達に声をかけられたところから、唐突にまた私の記憶が始まる。
間に、お片付けをして、ブドウ棚を下りたのだと思われる。
その証拠に、荷物(ザック)は持っているし、手にはシートをしっかり抱えている。しかし、ザックに何が入っているのか、まったく記憶に無い。(なぜシートはザックにしまっていないのかもわからない)
帰宅してザックを開けてみたら、自分の荷物のみならず、食べ残しのチーズとか水とかがちゃんと入っていた。私が入れたのか、友人が持たせてくれたのか全く覚えていない…。
一体、その間、自分はどんな言動をとっていたのだろうか。なんか失礼かつブラックな発言とかしていたらどうしよう!
ここまで綺麗にすっぽり記憶が抜け落ちたことが無かったので、もう、怖くて仕方が無い。
後日、友人に聞いてみたら「割としっかりしてたと思うけど」と言われたが、それでは記憶がよみがえったときの「Youも酔っ払うんだねー」との整合性がとれないでは無いか!気を遣ってくれているのか!?気になるので、心を鬼にして、本当の私の行動を教えてくれー!
記憶喪失になった、マンガの登場人物達は、こういう不安でオソロシイ気持ちになっていたのね。
「はいからさんが通る」で記憶喪失になった少尉が謎のロシア美女とイイ関係になって帰ってきた姿をみて、「どないやねん、少尉」と思っていたけれど、今ならわかる。不安な気持ちであふれんばかりになっていたときに、寄り添ってくれる人がいたら、心が動くのは当然のことなのだ。
とりあえず、今後はワインの飲み過ぎに注意することにする。記憶がなくなるまでは飲まない。自分でセーブできるのかどうか、非常に心許ないが…。
そして、とても楽しかったので、来年も絶対に参加する。登山の早起き経験を活かして、もっと早い時間から行って、さらに長い時間楽しむのだ。
私の辞書に「反省」という文字はあるが、「懲りる」という文字は無い。
某ワイナリーはこちら ↓
太田金山〜山頂で鍋〜
昨年の秋から、私には1つの夢があった。
荒船山に登った時に目にした風景。強烈に憧れた。
それは、山頂で鍋!である。もちろん寒いシーズンに!
それも、シングルバーナーで野菜を煮込むだけ、といった簡単なものではない。
私が昨年荒船山の艫岩付近で見かけたものは、卓上ガスコンロに家庭科の授業で使ったような金色の鍋で白菜を大量にぐつぐつ煮込み、それをみんなでつつく本格的な鍋だ。
これを是非やりたい!
しかし、これを実現するためのハードルは結構高い。
まず、広い山頂。できればベンチのような平らなものがある場所が好ましい。
次に、コンロと鍋と食材を背負っていくので、簡単に登れる低山であること。また、寒い時期でも雪の無い低山であること。
(荒船山で鍋をしていた若者3人組は猛者だと思う。よくコンロと鍋を抱えて登ったなあ。さすが若者!)
この条件に合う山として、真っ先に浮かんだ場所はG県東部にある太田金山である。
太田金山はわずか236mという低山であるが、平野がひろがるG県東部では、ぽこんと際立つ山様で、ふもとのお寺大光院(呑龍さま)とともに、「ふるさとの山」として地元民に親しまれている。この地域を象徴する山なのだ。
また、戦国時代には金山城が建築されていて、当時の遺構が残っており、城好きにもたまらない場所だ。
ついでに、山頂に立つ新田神社の御祭神は鎌倉幕府攻撃で有名な新田義貞である。(地元民もみんな勘違いしているが、金山城は新田義貞の城ではない。城主としては由良成繁が一番有名か?)
私は高校生の頃、歴史好きの先輩(当時は「歴女」なんて言葉は存在しなかった)に「金山城大手道を攻略しよう!」と言葉巧みに誘われて、道無き道(藪)を登った記憶がある…。先輩、お元気ですか?
年末の忘年会という名前の飲み会で「金山で鍋がしたい!」との熱い思いを語ったところ、友人のでんさんが「行こう!私、カセットコンロあるから!」と激しく同意してくれたので、善は急げと、さっそく実行に移した。
当日の集合は10:00。
だが、のっけから私が集合時間を10:30と勘違いしたり、でんさんが忘れ物で途中引き返しがあったりして、顔を合わせたのは11:00。
登山を始める時間とは思えない遅さ…。低山だからとなめまくっている。
しかし、私は鍋と食材などをザックに詰め込んでいるので、北アルプスに行くのか!?と思えるような大荷物。(ちょっと誇張)ちなみにザックの容量は40Lだ。
「登山、久しぶり~」とご機嫌なでんさんは、小さいザックを背負っているため、カセットコンロの箱が見えている。ファスナーが閉まらなかったそうだ。箱から出せばよかったんじゃないかな…?
11:10 大光院駐車場からようやく出発。
西山ハイキングコースという、おそらく一番メインのコースを選択した。
まずは大光院の裏手の道を登っていく。最初は調子よくずんずん登っていたのだが、けっこうな斜度に途中から動悸息切れが激しくなる。
「でんさん、ペースが速いようです!私は救●が必要な感じです!!」
「私も、救●!!久しぶりだから、ペース配分間違えた!」
明らかにペースダウンして、よろよろと急坂を登り切る。低山だからって急な坂が無いわけじゃ無い、という当たり前の事実を身をもって知る…。
15分程度で急坂を登り切った後は、なだらかな道を行く。
途中、案内板もたくさんあり、休憩できる四阿もいくつか設置されていた。すれ違う人たちも多く、やはり地元民に親しまれている山だなあ、という実感が湧く。
「ところで、案内板にちょいちょい現れる「モータープール」って何かな…?」とでんさんが疑問を発する。
「駐車場だと思います。多分…」
私は宮本輝氏の「流転の海」シリーズを愛読しているので知っていたが、確かにあまり聞かない単語だ。(ちなみに「流転の海」シリーズでは、一時期、主人公松坂熊吾がモータープールの管理人をしている)
後で調べてみたところ、主に関西地方で使うらしい。
…G県、関東なのに…。
考古学的には、G県は東海地方との密接な関わりが指摘されているらしいけど…関係ないか。
謎な言葉のチョイスだ、G県東部。
木の階段を再び息を切らして登り切ると、噂のモータープールに到着。だいたい11:40。
ちょっとした見晴台もあり、市街地が一望できる。
本当に軽いハイキングなら、ここまで車で来て、山頂まで徒歩というコースもあり。このコースなら、頑張ればヒールのある靴でもOKだ。
ここからは登山と言うより、史跡めぐりといった感じ。
金山城の遺構がいくつか復元されているので、中世山城を探検する様な気持ちでゆっくり歩く。
私が先輩に連れられて大手道を登った時は、こんな復元建物全然無かったけどな~。ただの山道だったと記憶しているが…時代は変わるものだ。
早馬が「伝令!伝令!」と言って、駆けてきそうな雰囲気がちょっと楽しい。
12:00少し過ぎたくらいに山頂に到着。
ちょうどお昼に到着できたので、集合が遅れたのは結果的には良かったのかもしれない。
かつては名物だった藤棚の残骸を眺めたり、新田神社にお参りして御朱印をゲットしたり(書き置きあり。賽銭箱にお金を投入する形式)で山頂を30分ほどうろうろして楽しむ。
天気が良い日はスカイツリーとか富士山とか見えるのだろうが、この日は天気がイマイチだったため、全く見えず。まあ、いい。今日の目的は景色ではない。
山頂では、最大の目的である鍋の準備に取りかかる。
神社脇の石のベンチにカセットコンロを設置して、鍋にスープをどぼどぼ投入。続いて自宅で切ってきた白菜ほか、具材を次々投入だ。
今回は、ひんしゅく覚悟でキムチ鍋とした。(「もと」を持参した)
こでは、後ほど語るが、私の深い配慮による選択なのだ。まわりにものすごくキムチの匂いが漂ってしまったが…。
広い空の下、ということで勘弁していただきたい。
ほどよく煮詰まったところで、二人で取り分ける。
「でんさん!おたま忘れました!」
「仕方あるまい。スプーンですくおう」
ふは~っ!おいしい!!
この日はそんなに寒い日ではなかったが、暖かい汁物は体の隅々まで染みる!
そして、やっぱり鍋は白菜だね。どんどん食が進む。トマトも意外とイケる!
具をある程度食べ尽くした後、締めに伝家の宝刀「辛ラーメン」を投入だ!
昔、大学のゼミで韓国に行った際に、地元の学生にキムチ鍋をごちそうして貰ったことがあるのだが、その時、締めがインスタントラーメンだったのだ。めっちゃおいしくて、ゼミ生みんなで感動したのだった。
あの味よ、もう一度!
キムチ鍋といえば、締めラーメン。
ついでに、締めラーメンにすれば、鍋の残り汁も飲みやすいかな~という思惑もあった。最後の一滴まできちんとおいしくいただくのだ。山のルール。
はたして、キムチラーメン、おいしかったわ~!
山で食べるラーメンはなぜにこんなにおいしいのだろう?
今まで山のラーメンを否定する人には、ただの一人も出会ったことが無い。
幸せである。満腹である。
夢だった山頂鍋をたっぷり堪能した。楽しい。
山頂で鍋に相当の時間を費やし、13:30下山開始。
途中、見晴台で景色を楽しんだりして、のんびり下る。(でんさんが「ハンカチ落とした!」と言って、探しに戻るアクシデントあり。結局、上着の袖の中にあった…。どうやったら、そんなところに格納できるのだろか…?)
帰りは金龍寺を経由するルートを選択。お寺の裏に由良氏の供養塔?もあるので、ちょっと楽しい。
14:45頃、大光院駐車場着。
すごくゆっくり楽しんだ割に、早い時間に下りてこられた。低山の醍醐味だな。
でんさんは、久しぶりの山が楽しかったそうで「来年の夏は那須岳行って、三斗小屋温泉に行きたい!」と言っていた。もちろん、ワタクシ、お供します!
昨年来の夢が叶い、私も感無量である。
山で鍋!楽しかった。
本当はビールがあれば、なお良かった…!!
<コースタイム>
11:00大光院駐車場…11:40モータープール…12:10山頂(鍋1時間超)…13:30下山開始…14:00モータープール…14:45大光院駐車場
榛名山 掃部ヶ岳~鍋焼きうどんであちち~
今年はちっとも冬が来ない気がする。確かに朝晩は寒さを感じるけれど、まだ秋の延長戦上にいるような気持ちで、日中はのほほんと過ごしている。山も全然白くない。
まだまだ行けるな、という気持ちで榛名山の最高峰、掃部ヶ岳に行ってきた。
榛名山はG県民にこよなく愛されている上毛三山の1つであるが、「榛名山」という山は無い。噴火でできたカルデラ湖の榛名湖を中心に、榛名富士や掃部ヶ岳や相馬山などの数多くの峰の総称である。
下界から眺めると、どどーんとその雄姿がそびえ立ち「榛名、今日もカッコいいなあ…」とほれぼれする。私のイメージだと、赤城山がお母さん。榛名山はお父さん。
(じゃあ、妙義は…と聞かないで欲しい…)
6:30過ぎ、G県東部発。
近いので、もうちょっとゆっくり出発しても良かったのだが、余裕があったら、掃部ヶ岳と榛名富士の2つ制覇も狙っていたので、やや早めに出発した。
今回も同行は山の相棒ノムさん。
伊香保温泉を経由して、「静かな湖畔」のメロディーラインも堪能し、掃部ヶ岳登山口到着は9:00少々前。登山口の目印にしていた国民宿舎「榛名吾妻荘」は市の林間学校施設「榛名湖荘」に変わっていたので、しばらく見つからなかった。3~4年前に来た時はまだ吾妻荘だったと記憶しているけど…。時代は変わるなあ。
ちなみに、私も中学生の時の林間学校は榛名山だった。遠い昔の記憶だけど…。
準備をして、9:00過ぎに登山開始。
私は以前、1度だけ登った事があるが、そのときの細かい記憶はぼんやり。
「確か、笹だらけの直登で、辛かった」「道、間違えて違う山登っちゃった」という辛かった記憶だけが残っていて、あまり良くない印象なのだ…。今回は楽しい登山にして、その印象を払拭したい!
しばらくはクマザサは生えているけれど、しっかり登山道は整備されていて、割と歩きやすい道が続く。あれ?クマザサまみれゾーンはどこだったのかしら?
しばらく登山道をえっちらおっちら登って行くと、私の後ろから「せっせっせいやっ」というノムさんのつぶやきが聞こえてきた。
どうやら、登りを歩く自分を鼓舞しているらしい。
「おお!ノムさん!霜降り明星、せいやだね!」※この時点ではM-1の結果でてません
なかなか渋いネタついてくるな~!さすが、ノムさん!と後ろを振り返ると
「違うよ!BEBY METALの曲だよ!せいやって誰!?」と怒られてしまった…。
知らなかったけど、せいやのネタ元はBABY METALだったのかしら?全然関係無い?
くだらない会話を続けながら登り続けて約30分、硯岩との分岐に到着。案内看板には「硯岩0.1km」と書かれている。
事前学習によると、硯岩は絶景ポイントらしいので、勿論行く。好天の絶景ポイントを素通りする登山者なんて、きっといない。たとえ、その100mが急登だとしても!
なんとか登り詰めた硯岩は噂に違わぬ絶景ポイント!榛名湖と榛名富士がよく見える。
「カルデラ湖~!」「プリンだ!プリンだ!←榛名富士のこと」と喜ぶ私たち。
榛名富士は本当に綺麗な富士山型で見映えがいい。THE 山!でも、登ると日光男体山と同じで辛そう…。事前には榛名富士も登りたい、と思っていたが、この時点でその気持ちはかなり失われている…。
分岐に戻り、しばらく行くと、階段が現れる。
ずっと階段…。まだまだ階段…。疲れる…。
階段の途中で倒木が道をふさいでいた。最近、倒れたのかもしれない。
とりあえず、倒木でポーズを決め、モデルごっこをして、疲れを紛らわす。最近、私たちが写真を取り合う時の合い言葉は「ラ●ドネ風」だ。振り返りポーズとか、それっぽい!
10:30 長い階段終了後、少々歩くと頂上到着。1449m。だいたい1時間半で到着。
榛名湖が眼下にお出迎え。でも、硯岩からの眺めと比べると、かなり角度が違う。結構歩いたんだな~。
雪でうっすら白い浅間山や先日登ったギザギザ妙義山も見える。頂上から周りを見渡す時間は楽しい。
「あの山は何かな?」とノムさんや居合わせた登山者の方と話す。不思議だ。山に登らなかったころは、山を見ても名前なんて全然気にならなかったのに。
さて、今回、私は印象の悪かった掃部ヶ岳を最高の楽しい思い出にするための秘策を用意してきた。
それは、鍋焼きうどんである!
寒くなるのを待ってた!(この日は実はそんなに寒くなかったけど)
コンビニで売っているアルミの鍋に入っているヤツだ。これをそのままバーナーに載せ、ぐつぐつ煮て食す。最高じゃない?最高だよね!
このために私は前日コンビニを4軒ハシゴした。どうして探している時に限って無いものなのか。4軒目で発見した時は「えいどりあ~ん!」と心の中で勝利の雄叫びを上げたね。苦労したの。
お昼には少し早い時間だったが、かまわず鍋焼きうどん製作に取りかかる。
やってきた登山者の方に「おっ鍋焼きうどんかい?最高だね」と言っていただいたので「はい。最高です!」と堂々と答えてみた。
ちなみにノムさんはレトルトの鍋焼きうどん(スーパーで購入)と刻んだネギ(冷凍)を持参。こちらも気合いが入っている。
ぐつぐつ煮立った頃合いで、コンビニで購入した半熟たまごをトッピング。
できあがり!
うーまーいー!!(味皇様、降臨)
暖かいものは染みるねえ。本当に最高だ。
しかし、食べるときにアルミの鍋を持つと、ちょっと熱い。
「ノムさん、熱いねえ。大丈夫?」と聞いてみたら、ノムさんはアルミ皿を持つ方の手にしっかりと手袋をはめていた。さすが!ミトンの要領か!
手が熱い問題も早々に解決され、山頂でひたすらうどんをすする。
幸せだなぁ 僕は君といるときが一番幸せなんだ…(by君といつまでも)
ついつい加●雄三を口ずさんでしまうくらい、幸せを感じたよ、私は。
11:30 大満足のお昼を食べ終え、帰路に着く。
「行きとは違うルートがあるみたいなので、そっちで帰ろう」と「杏ヶ岳」方面のルートへ。
クマザサ クマザサ クマザサ
「笹だらけじゃないか~!足下も見えないぞ」
「ああ、前に登った時のクマザサまみれゾーンはここだったか!」
笹にまみれながら一気に下る。
しばらく下ったところで、ヤマレコのGPSログを確認して気づく。
「あ、道間違った…。このルートだと相当先(杖の神峠)まで行かないと帰れないや」
「……この笹まみれの急坂を登って戻るのか……」
「……。」
戻ったよ。笹にまみれて。
くっ…やはり、榛名は道を間違う山なのか。今回、ヤマレコのGPSログ使ってて良かったな~(でも、このブログへの貼り付け方法とかよくわからない…)
「ただいま~」と再び掃部ヶ岳山頂に戻ったのは12:00少し前。
予定外に30分ロスしてしまったが、「ラ●ドネ風」の笹まみれ写真が撮れたからよかったとしよう。ポジティブ。
山頂から10分弱歩くと、非常にわかりにくい分岐があった。(一応、看板があった)
「…こっちに道あるの…?」「かすかに見える。ある…!!」
せっかくだから違うルートで帰りたい、という単純な発想でこのルートを選択したけれど、決して人には勧めない。ときっぱり言えるくらいの道。
さっき間違えた杏ヶ岳方面への道ほどじゃないけど、笹だらけ!急な一直線の下り!落ち葉が滑る!(これは季節のせいだが)
ピストンで帰った方がよかったかもしれないい。他に人、全然いなかったし。(一人も出会わなかった)
途中からは、やけくそ気分になったのか、これはこれで楽しくなってきた。自分でも呆れるほどの前向きさ。
多分、下りが上手な人は、このルートの方がコースタイム的には早いのかもしれない。私もノムさんも下りが上手ではないので、全く早くならなかった。どうしたら、うまく下れるのかな~。
13:00 多分、人より相当時間をかけて、湖畔記念公園に到着。
いろいろ消耗したので、榛名富士には当然登らず、湖畔から眺めるだけにした。もう、達成した気分だったので、もう一回はじめから登る気持ちになれなかったの。ヘタレな私たち…。プリンちゃんはまた今度。
振り返ってみると、変化に富んでいて楽しい山だった。何より、鍋焼きうどん、おいしかった!
これで、私の榛名山の印象は良い方向に転換したぞ。
帰宅途中に、榛名湖温泉で露天風呂からのんびり榛名富士を眺めるという、最高の締めでこの日の山登りを終えた。
は~、温泉がいい時期になったな~。
<コースタイム>
9:00榛名湖畔駐車場…9:30硯岩…10:30掃部ヶ岳山頂(お昼1時間)…(道間違え)… 12:00山頂再び…12:10分岐…13:00湖畔記念公園
りんごと湯葉だらけ
私は秋になるとりんごハンターになる。
とにかく、りんごが好きなのだ。
毎年、G県イチオシのりんご「ぐんま名月」を求めて奔走するのだが、今年は大人の余裕をみせて、農家さんから直接送ってもらった。
ふふ。昨年、買いに行った農家さんに案内ハガキの送付をお願いしておいたのだ。常連さんへの第一歩…!!嬉しい。
ぐんま名月、最高においしいぞ~!!
しかし、見た目が…。
私には、初恋にほほを染める乙女のように見えて、「きゃっ、かわいいわん、名月ちゃん」と思えるけど、「りんご=赤」という先入観の前には、どうしても弱いのだ。
あ~か~い りんごに くちび~るよせて~♪
全国を席巻する爆発的ヒット品種になるだけのポテンシャルは持っていると思うんだけどねえ…。
「幻のりんご」として、知る人ぞ知る!絶品品種として愛されるのも1つの戦略かな。
「知っているかね?このリンゴを。おや、知っているのかい。君もなかなか隅に置けないね。わっはっは」←「知る人」のイメージ
ちなみに、品種名は「ぐんま名月」が正しいとのこと。「名月」だけしか表示していない場合も多いけど、G県の名前を冠した品種なのだ!…G県の農家さんから買っているのに、写真も「名月」と表示してるね…。おぉ…。
ということで、今年は産地に買いに行かずともぐんま名月をゲットできたのだが、やはり産地まで買いに行ってしまった。
だって、陽光とか新世界とはふじとかの赤いりんごも食べたいんだもん。
今年は台風が2回も来たため、かなり収穫量が少ないとのこと。また、猛暑のせいか、全体的に例年より早く実が熟したらしい。
でも、リンゴ畑を見渡すとたわわに実ったりんごたち。「私たち、最高においしいわよ」と言っているりんごの声が聞こえるようだ。(幻聴ではない!きっと)
ふじと陽光を買い込んで、満足。しばらくリンゴ三昧の日々だ~。
りんご園を後にし、ついでに前から気になっていた豆腐屋「町田屋」に行ってみる。
なんでも、500円払うと湯葉食べ放題だというのだ。
ネットで調べてみると「事前予約が必要」とのことだったので、当日だったが、電話してみた。
「あ、来てくれればできます。団体さんが4組来る予定なので、その隙間を縫う感じで」と、割と気さくにできる感じ。
私と友人二人がお店にたどり着いたと同時くらいに、黄色い見覚えのあるバスが到着。
は●バス…!!
遠路はるばる、は●バスが来てるぞ~!!
「すごい!は●バスが来るくらい、有名なのか!」
なんとなく圧倒されたが(田舎者なので)、とりあえず店に足を踏み入れる。
店奥で、は●バスご一行様が一心不乱に湯葉を掬っては食べを繰り返している。そんなに広いスペースではないので、かなりの混雑模様。
は●バスご一行様のパワーに押され、しばし店内でうろうろさまよったが、勇気を振り絞って「私も湯葉掬いがしたいのです!」と店の人に参加を表明。
針金?(湯葉を掬うもの)とプラ皿をもらい、は●バスご一行様で賑わう湯葉掬いゾーンに突入した。
30cm四方くらいの升目がずらっと並んでおり、そこで暖められた豆乳が膜を張ったところをすかさず掬って食べる。
この光景はどこかに似ている…。
そう、G県が誇る日本一の名湯、草津温泉の湯畑!
どっちも良いとこ、一度はおいで!は~どっこいしょ♪
は●バスご一行様をかいくぐって、感動の湯葉掬い初体験。
掬いたての湯葉、おいしい!
どれだけ食べても500円!
周りに目を移すと、おぼろ豆腐や白和え、あげ湯葉や玉こんにゃく 他のメニューも食べ放題。お茶やジュースに加え焼酎なんかもサービスとして提供されていた。
すごいぞ、町田屋!
湯葉だけだとすぐに飽きて、たいした量食べられないだろうけど、他のメニューで味を変えれば、湯葉もさらに掬えるって寸法だ。
客として、大変ありがたい!すごいサービス精神!
友人二人と黙々と湯葉を掬いまくる。
だんだんと、は●バスツアーご一行様はいなくなり、最終的には私たち3人だけになる。それでも、私たちは湯葉を掬うことを止めない。
だって、おいしいし、面白いんだもん!
「もうダメだ。今、今私のお腹を押したら豆乳がマーライオンだ!」
「大分、食らってやったからね。ここらで勘弁してやらあ」
限界まで湯葉を食べたのは人生初だ。
でも、豆乳だからね。ノーカロリーなはず!すごい食べ物だなあ。
おぼろ豆腐やら油揚げを購入し、充実感にひたって店を後にしようとしたところ、駐車場整理をしていたおじさまに声を掛けられた。
「おから、貰った?」
「はい。頂きました!(買い物すると無料でくれる。2包みくらい)」
「ちょっとしか貰ってないだろう!もっと持っていきな!」
とおじさまに連れられ店内に逆戻り。
保冷バック(これもサービスでくれる)にどんどこおからを詰められる。10包みくらい!
「こ、こんなに頂いていいんですか!!」
「いいってことよ、タダなんだから!」
おじさまの笑顔がまぶしい…!!
たくさん買い物した訳じゃ無いのに、ありがたすぎる!
いろいろありがとうございいます!
友人二人と涙が出そうになるくらい感動して、今度こそ店を後にする。
りんごもたんまり買えたし、湯葉も食べまくれたし、なんて充実した一日であったのだろうか。
G県沼太市(仮)、大好きだ~!イイ山もいっぱいあるしね。
この日購入した「雪ほたか」の新米もおいしかった!
おいしい町、沼太(仮)
次はイチゴ狩りだな…。ふふ、楽しみ。
昨年もりんごについて書いてた。