睡紫庵文庫

身辺雑記をまじえた読書雑記です。

冬キャンプ入門~薪ストーブでネギを焼く~

今年初のキャンプに行った。

10月くらいから話は出ていたのだが、メンバーの都合やら何やらで、初冬、というかもう冬の12月の頭にようやく行くことが出来たのだ。

メンバーはジェイ氏とでんさんと私の3人。

秋キャンプ予定だった時は、ジェイ氏のリサーチによる景色のいい山近くのキャンプ場を考えていたが、12月の夜は絶対に寒いに違いない、と3人ともが慎重になり、前箸(仮称)市内の都市公園内のキャンプ場に行くことにした。

さすがキャンパーであるジェイ氏のリサーチは完璧である。まさか、こんな街中でキャンプができるところがあるとは思わなかった。ちなみに料金は無料である。(許可は必要)

キャンパー、ジェイ氏によると、このキャンプ場は穴場的な人気で、昨今のキャンプブームに乗り、週末はかなりの賑わいであるらしい。

山近くのキャンプ場よりも、絶対に夜の気温は高いはずだし、無理だと思ったらすぐに離脱できる、冬のキャンプ入門にはぴったりである。いいとこ選んでくれて感謝感激雨アラシである。(今年活動停止する某グループに敬意を表して!お疲れ様!)

 

近くのスーパーで食材を購入し、キャンプ場に到着した時間は16:00近く。

いつもながら、スタートは遅い。周りにはソロと思われるキャンパー数名とファミリーキャンプと思われる、ものすごく立派なテントが3張ほど既に張られている。

テント張る場所もない、というほど混んでいなかったので、悠々と場所を確保し、それぞれのテントと真ん中にタープを張って、テーブルやら椅子やらを設置する。

3人で黙々と作業を進め、あたりが薄ぼんやり暗くなる5時前にはしっかりセッティングは完了し、タープの下に設置したテーブル周りにどっかりと腰を据えることができた。

我ながら、けっこう手際はいい。

 

久しぶりに集まった我々は、ごそごそとそれぞれの荷物をあさり、今回持ち寄った道具の自慢大会を開催する。

今回のキャンプ場もそうだが、キャンプの場合、車で道具を運べるので、重くてかさばる道具や今回使わないかもな、という道具もためらわずに持って行けるのだ。私が持って行った40Lのザックはいろいろ詰め込んでパンパンであった。

今回、私は登山には絶対に持って行かない道具を持って行った。

私が持ち込んだ道具。それは「七輪」である。

 

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七輪。重量級。

今年の秋に「サンマが焼きたい!」と一念発起して手に入れた逸品だ。私にとっては今年買ってよかったもの」ナンバーワンである。

自宅でサンマやらホタテやらを焼きまくって悦に入っていたのだが、これはキャンプでも楽しめるだろう、と重さをいとわず持ち込んだのだ。どやっ!

 

しかしながら、私の鼻高々はあっという間にへし折られることになる。

なんと、ジェイ氏は堂々の薪ストーブを持ち込んできたのだ。

さすが、本気のキャンパー!ひれ伏すしかない。

七輪で自慢していた己が恥ずかしい。

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薪ストーブ登場。G県おもてなし料理のすき焼き、煮込み中。

「つい、買っちゃってさー。時間がある時は家の庭でも火を入れてるんだよね」と、うれしさを堪えきれないニヤニヤ顔で自慢するジェイ氏。

「すごいよージェイ氏ー。うらやましすぎるよー」と素直に声を揃える私とでんさん。

これはもう、感嘆の声をあげるしかない。やったな、ジェイ氏!

 

薪ストーブはヤカンを置いておけばお湯が沸くし、煮物も焼きモノも対応できるスグレモノだ。

今日のキャンプでは私たちもたっぷり恩恵にあずかることにして、晩ご飯のすき焼きは、このストーブの上でじっくり煮込ませてもらう。

冬の鍋、しかも野外での鍋おいしいに決まっている。

 

ついでに、すき焼き用に購入した下仁田ネギをストーブで焼いて食べることにする。

ただシンプルに焼いたネギに、醤油をちょろっとたらしてそのままいただく。

めっちゃおいしい!

一緒に飲んでいたビールにジャストミート。

下仁田ネギ、最高である。

これは、ビールのCMで使えるレベルの食材ではないだろうか。絵力もある(と思う)

冬ならではの料理に「これは出会ったね」と3人で確かめ合いながら舌鼓を打つ。

実は、鍋に入れた余りの1本を焼いたので、それを3人で分け合って(縦に3つに割いた)食べたのだが、もっと1人1本くらい焼いても良かった。

鍋でも勿論最高だが、焼いても良い。

是非、みなさま、お歳暮用にお買い求めいただきたい。G県の自慢の名品である。

念のために言っておくが、下仁田地区以外で作っても「下仁田ネギ」である。たとえG県外で作っても「下仁田ネギ」である。

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下仁田ネギをシンプルに焼く。

すき焼きの残り汁に入れておじやにするためのお米は、メスティンで炊く。

炊飯にはダイソー500円メスティンが登場だ。

でんさん購入のミニ焚き火台に私の固形燃料をセッティングし、ジェイ氏のダイソー500円メスティンを使用するという3人の道具の合わせ技で炊飯した。(ちなみに500円メスティンは私もこっそり所有している)

きれいな白飯に炊けたので、おじやにしてしまうのはちょっともったいなかったが、おじやはとてもおいしかった。

お米は日本人の胃袋を満足させる。今度、山でもお米炊いてみよう。

 

それにしても、やっぱり、キャンプ飯はとっても楽しい。そして、野外加算で何を作って食べても、とにかくおいしい。

今年はキャンプはできないかな、と思っていたのだが、ギリギリ滑り込みで出来て、本当によかった。

 

さて、この日は天気がよく暖かかったので、それほど寒さに震えることもなかったのだが、夜が更けるにつれ、さすがにぐっと気温が下がり冷え込んできた。

ご飯終了後はそれぞれの本日の寒さ対策について披露し合う。

いくら平地とはいえ、シュラフのみでは寒いと思い(ちなみに私のシュラフは3シーズン用)、みんなプラスワンの毛布を用意していた。でんさんにいたってはシュラフを2つ持ってきていた。

そして、ド定番のカイロ湯たんぽ。

私が用意したカイロは、「めっちゃ熱い」との売り文句にひかれて購入した、その名も「マグマ」である。

ものすごく熱そうである。そして、実際に使ってみたところ、めっちゃ熱い。そして長持ち。翌朝までずっとほかほかであった。すごいぞ、桐●!

これに加えてのダウンなどの防寒着。

この日はこの程度で大丈夫であった。

多分、雪が降るような場所とかではもっと高性能なものが必要なのだろうが、街中キャンプではこれでぬくぬかに眠ることができた。

シュラフの下に毛布を敷いて、さらに中に1枚入れると、そうとう暖かく眠ることができる。まあ、荷物に毛布を2枚もプラスして登山なんか決してできないが…。キャンプならではである。

 

ついでに、今回登場しなかったが、使用を検討していたものがある。

ハクキンカイロである。

使い捨てじゃないカイロ。形状はZIP●Oとかのライターを大きくした感じ。ベンジンを燃料にしたカイロでものすごく熱いらしい。懐かしのアイテムだ。

ア●ゾンのカートにいれるところまでは行ったけれど、使い捨てでいいか、と購入までは至らなかった。

日常使いもできるので、購入してもいいかなあ、とまだ未練がある。そのうち購入するかもしれない。

ちなみに、ジェイ氏も、今回持っては来なかったが「豆炭アンカ」を古道具屋で購入したそうだ。(若い世代は、名前を聞いてもピンとこないかもしれないが、中に入れた豆炭を燃やすアンカである)

それもいい。

話を聞くと、欲しくなってしまって困る。

 

翌朝はゆっくり起床。

昨日は出番のなかった私の七輪に炭を入れ、でんさんのホットサンドメーカー肉まんを焼いて朝食にする。

おいしい、という評判を聞いていたので試してみたのだが、加減がよくわからずに片面真っ黒…。

でも、負け惜しみじゃなく、カリカリしておいしかった。本当だ。

失敗もまた楽しいのだ。

ホットサンドメーカー、重くて山に持って行きたくないので買っていなかったのだが、やっぱりいいなあ。欲しいなあ。

ギョウザとかも焼けて便利らしいし、買っちゃおうかな。低山とか尾瀬とかなら持って行けそうだし。

キャンプは物欲を刺激する。

これはちょっと危険な遊びなのかもしれない。

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片面黒焦げ。それも愛嬌。