睡紫庵文庫

身辺雑記をまじえた読書雑記です。

「空中飲茶飯店」かまたきみこ

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 朝日ソノラマ 上下巻 各巻756円  

本を読んで、その世界に無性にひたりたくなることがしょっちゅうだ。  

敬愛する三浦しをんさんのブログで、面白い!と紹介されていたので、早速購入したこの本は、中国茶を題材としたファンタジー。  

中には中国茶のうんちくが詰まっている。  

中国茶が飲みたい!  

それも、この話の中に出てくるような龍井とか、武夷山とかのなんか由緒がありそうなヤツ。  

東方美人とかもいいね。前に台湾行ったとき、買って帰った気がするよ。と思って、夜中に戸棚をごそごそあさってみたが、もう残ってなかった……。  

うむ、当たり前か。台湾行ったのって数年前だから、それが残っていたとしても、飲んで満足が得られるのか、私!?香り飛んでるよな。  

あー、今すぐ、中国茶を飲んでみたいんだよ~!どうしてうちには霊芝入り紅茶とかしかないんだ!?これはこれで美味しいけどね。  

この忸怩たる気持ちを抱いたまま、一日仕事をし、帰り道に紅茶専門店へ直行だ。  

ここのお店は紅茶専門店だが、中国茶もけっこう扱っているのを知っていたのだ。  

私の走り出した欲望は誰にも止められない。こういう時の行動力は余人の追随を許さないぜ!  

おお!けっこうあるではないか!  

どれにしようかしら。うふ。フレーバーをつけた白桃烏龍茶とかもあって、心が動く。龍井とかの銘茶が欲しかったくせに……。  

が、店内は妙に慌ただしい。店員はマンツーマンで客対応をしており、中国茶ゾーンでうろうろしている私に見向きもしない。  

このお店は「この凍頂烏龍茶50gください」と店員さんに言わないと買えない対面方式のお店なのだ。  

店員のお姉さ~ん、私、中国茶買いたいです。誰か、私に気づいて~!    

と、一人の店員さんが客対応を終えた。  

おお!今だ!今、声を掛けるのよ、私!  

「このアールグレイください!」  

と言うのは、私のセリフではない。おそらく同じ気持ちで待機していた見知らぬお姉さんのセリフだ。  

出し抜かれたぜ!くそう!  

だが、このお姉さんの対応が終わるのを待って、声を掛ければいいのである。  

お姉さんの対応はさくさくっと終わった。  

よっしゃ!ばっちこーい!  

「あ……あの」  

という私の声が小さすぎたのか?それとも店員さんのシフト終了時間だったのか?

店員さんはさくさくっと店の奥に入っていってしまい、出てきやしねー。  

のお~!シェーン、カンバーック!(by 「シェーン」 古くてスミマセン)  

すがりつくように他の店員を探してみるが、他の店員さんはまだマンツーマン対応が続いている。ずっと同じ客だ。  

おい!何時間話してるつもりやねん!私は東方美人をちょっくら買いたいだけなのよ~!3分かかんないと思うの、私のお買い物。

が、店員さんがあく様子はない。どうやら、年始の贈答品としてセットを購入したいらしいのだ。  

大口か……。だから、店員も丁寧に対応してんのか……。  

その場でじりじり待つ私。  

ノン!この後、私はピアノに行かなくちゃならんのだ!時間に制限があるのよ~!  

さっきひっこんだもう一人の店員が出てこないか!?と期待して店の奥の方をにらんでみるも、まったく気配すらない。  

あの大口客の間を割って入って、「東方美人くんなはれ!」と言う勇気が私にはない。

♪ティガ!勇気が!今、足りな~い!♪(by ウルトラマンティガ またまた古くてスミマセン)  

もうダメだ~!今、店を出ないとピアノに遅刻だ。  

すごすごと店を後にする私。完敗です。  

いい年なのに、お買い物一つ満足に出来ません。ガキの使い以下です。私はダメ人間です……。うう。  

という訳で未だに中国茶を飲めていません。  

茗ちゃん(「空中飲茶飯店」の茶藝師)が入れてくれるみたいなお茶が飲みたいのに~!  

私、本当は出来る子や!と自分を励まし、あのお店にはまたトライしてみようと思ってます。

今度こそ、ちゃんとお茶を買うぞ~!