「あたらしい登山案内」ホシガラス山岳会
先日、人間ドックに行って来た。
朝からいくつもの検査をぐるぐる回って、最後の方はへろへろ。行く度に思うの。どうして自分で高いお金を払って、こんな辛いことしてるのかなぁ…。
そんなことを思いつつも、一応、病気は怖いので、だいたい毎年人間ドックを受けている。
そして、人間ドックは検査がいくつもいくつもあるので、私は毎回、待ち時間に読む本を持って行く。
今年、選んだ本は、ホシガラス山岳会の「あたらしい登山案内」。
このとき、長編小説も読んでいたのだが(和田竜「村上海賊の娘」)、検査にちょいちょい呼ばれる度に、中断しなくてはならなくなるので、こういう章立て(というのか何なのか…?)が細かくて、写真が多い本の方が良いかな~?と思ってチョイス。
そういえば、昨年の人間ドックの時にもホシガラス山岳会の「一生ものの山道具」を読んでいたな~。
「あたらしい登山案内」は、ホシガラス山岳会のメンバーそれぞれが「こういう山が好き!」という山を紹介している登山ガイドだ。
「山小屋の山」や「岩の山」、または「花の山」といった視点でまとめられている。
ふーん、私はどんな山が好きかな~なんて思って読み進める。
「尾根の山」で紹介されている雲取山、是非登りたいな~。富士山、見えるのか~。
とすぐに「●●番さ~ん」と検査に呼ばれる。
おっ、山の本に夢中になっていると、検査の合間の待ち時間が全然苦にならないな~。
下手したら、呼ばれたことに気づかないくらいだよ。
…視力検査。過去最低記録を更新したぜ…。
「右目 0.●(自主規制)」ですね~と言われて、思わず「おお~っ!!」とよくわからない歓声(?)を上げてしまった…
私、まだ裸眼で生活してるけど、そろそろ無理なのか!?
傷心を抱えてふたたび「あたらしい登山案内」に戻る。
「山小屋の山」もいいな~。私、結構、雑なので、「人が使った枕が嫌」とかあんまり思わないな~。でも、できればお風呂があるといいな、などと読み進める。
那須岳の三斗小屋温泉、泊まりたい!徒歩でしか行けない温泉宿!
わくわくして読んでいると「●●番さ~ん」とまたもやお呼び。
身長体重を計られる。
すると、看護師さん「あ、太りましたね~」。
…!!そうだけど!そうだけど、事実は人を傷つけるんですよ!
おそらく昨年の数値と今年の数値を比較しての素直な感想なんだろうけれど、どうして黙っていられなかったの!
…山だ。山に行って痩せよう…。←たぶん、無理。
こうなったら、ちょっとハードに「岩の山」か!?
赤岳様とか燕岳様とか、私にはあこがれの山々!行きたいな~!
そういえば、先日マッサージに行ったら「西穂独標で膝痛めちゃって…。どうしたら、痛くならないですかね…」と言われたな…。マッサージ師に相談されても…。どっちかというと、私が相談したい…。
気持ちはすっかり山に行っているが、検査は着実に進んで行く。
呼吸器の検査(?息を思いっきり吐くやつ)を2回リテイク。体力を奪われ、ふらふら…。ふうぅ…。
この検査、とても苦手。毎回「息を思いっきり吐くと、こういう図形を描くはずなんです。こうなるように、頑張ってもう一回!」とリテイクが入る…。1回で終わったことないよ。
体力を回復するべく「花の山」の写真を眺める。
尾瀬!
尾瀬、好きだ~!
今年は行けなかったな~。来年はアヤメ平に絶対に行こう!
この「あたらしい登山案内」と検査のラリーをしばし繰り返すと、恐れていたことが起こってしまった。
「あたらしい登山案内」、読み終わった…!!
くっ…!本の容量が足りなかったか…。
しばし、写真を眺めたり。巻末の「山でよく使われている言葉だけど 今さら聞けない…。 だからこっそり教えます 事典」(わかりやすいタイトル…)を再度読み返してみたりしたが、読み終わったものは読み終わった!
仕方が無いので、和田竜「村上海賊の娘」を手提げから取り出す私。こんなこともあろうかと、一応、読みかけの長編ももってきていたのだ。備えあれば憂いなし。
検査も終盤。
残りは胃カメラのみ。
実は今回胃カメラ初体験。
友人や同僚からなんとなく話は聞いているけれど、何されるんだかわからなくて怖い。職場では「鼻からカメラ入れても、よだれがだらだら出る」という人と「いや、別に出ないよ」という二派に分かれて大論争。私、どっちなんだろう…。
高まる緊張!
とりあえず、それから逃避するために「村上海賊の娘」を読む。
…失敗!
ちょうど読んでいたのが文庫本4巻の終盤。木津川合戦の激闘シーン。
えげつないくらい、血しぶきが飛び交っている。甲板が血で塗れると滑るらしい…。
海賊は海に逃れた敵をつり上げて、首をはねるとか…。えぐい。
これから胃カメラの私には、ちょっとあわなかったかも…。
でも、双方に流れが行き来する戦の描写は迫力があって面白いので、ぐいぐい読む。それに、本を読んでないと、不安で緊張するので!
ほどなく呼ばれ、人生初胃カメラを体験。
「ふんぬ~っ」という感じだった…。(鼻からだったので)
「とりあえずカメラ画像を見ててください。気が紛れるので」と医者は言っていたけれど、なんかもう、いっぱいいっぱいでそれどころじゃなかったので、とりあえず山の空を思い浮かべてやりすごす…。逃避。
(最初の方に読んだ)雲取山に行きたい!とひたすら念じていたら、なんとか終了。
はあぁ…。来年はレントゲンでいいいかな…。
ちなみに、私はよだれだらだら派であることが判明。
とりあえず、今年もなんとか無事終わりました。
後は、結果がよいことを祈るだけ。
来年は読み切らない容量の本を持って行こうっと。
お疲れ様、私…。
文中で書きそびれましたが、京都の大文字山も行きたいですね!(「街の中の山」)大文字焼きの写真が見つからなかったので、代打、金閣寺。(京都っぽいかな~と)