睡紫庵文庫

身辺雑記をまじえた読書雑記です。

初日の出 2020

あけましておめでとうございます。

無事に年を越せました。

今年もよろしくお願いいたします。

 

さて、今年は初日の出見物に行ってきた。人生初の試みである。

今までの私の頭の中には「初日の出」なんて代物はまったくなかったのだが、昨年、富士山の御来光を拝んで、「ありがたや!」と突然開眼したのである。

以来、近場の初日の出スポットをちまちま調べ、見物場所を刀水橋(G県と飛んで県(仮)の県境)に決定した。隠れた穴場らしい。

折りよくも、天気予報によると、今年は太平洋側は絶好の初日の出日よりらしい。

G県と飛んで県(仮)の県境が太平洋側なのかは、若干疑義があるところであるが、多分大丈夫だ。なにしろ、元旦の晴れ出現ランキングではG県の県庁所在地は93%で堂々の第3位なのだ。ちなみに飛んで県(仮)の県庁所在地は86%で第4位。(ウェザーニュースの調査による。ちなみに1位は静岡と徳島で驚異の100%だ)

その県境の刀水橋が今年晴れないわけがない。

 

勢い込んで、朝、6時。初日の出見物に出かける。ちなみに、日の出時刻は6:55だ。

真っ暗かと思ったが、外はすでに薄明るかった。

一緒に見物に出かけた父(山男)は「実はヘッドランプ持ってきたけど、いらなかったな」と、すこしはにかんで私に見せてきたので「いらないよ。街には街灯もあるんだよ」と答えたが、実は私もポケットにヘットランプを忍ばせていた…。ついつい登山気分になってしまって…。

見栄を張って、スカしたこと言ってしまって申し訳ない、父よ。

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通りがかりの貯水塔。

到着した橋の上には、かなりの人数が震えながら日の出を待っている。

こんなに沢山の人が初日の出見物に行くものなのか。私は今まで●●年生きてきて、ただの一度も来たことがなかったのに…。

いくつになっても日々は新しい発見に満ちている。

 

橋の真ん中あたり(ややG県側)に位置どり、日の出を待ちかまえる。

空は快晴。…であるが、何故か、肝心要の東側だけ、低い雲に覆われている。

他の方角はすべて雲一つない暗闇(?青空ではない…)だというのに。

なんか、練習では世界新記録を出しているのに、本番でメダルが取れないスポーツ選手みたいじゃないか…とオリンピック開催の年始めに思ってしまった…。

いやいやいや。大丈夫だ。雲の位置が低いので、その雲の上に日が昇るところが見られそうである。世界新は出せなくても、金メダルは取れそうだ。

 

東の雲のあたりは、だんだんオレンジの輝きが強まっていく。

今か、今出るのか、と寒さに耐えながらじりじり待ち続け、午前7時をまわった頃、金色の光の塊がゆっくりと姿を見せる。

太陽って凄い。金の光がぎらぎら迸る。野蛮なまでに明るい。

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初日の出2020

父は「太陽の周りに紫の光が!なんだ、この現象は!」と一人で騒いでいたが、まぶしすぎるだけだと思う…。「来年はサングラス持ってこよう」と静かに諭してみた。

太陽を眺めたり、写真を撮ったりでばたばたと忙しい。

あっという間に太陽は昇りきり、あたりは暗闇から朝の光景に様変わりだ。

東の空に雲なんてたいした問題ではなかった。95%、いやほぼ100%バッチリな初日の出であった。

 

時間にすると約5分。

満足しきった私を含めた見物客は橋を後にする。

この短い時間のために、朝もはよから、寒さもいとわず大勢が集まるのだ。

そして、多分、みな「今年はいい初日の出が見られた。来年も来るぞ」と思っていると思う。

短いけれど、充実した時間であった。いい年明けになった。

初日の出見物に心をわしづかみされた私は、また来年もこの場所に立つことになるだろう。

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朝がまた来た。

いつもと同じように朝日が昇ると、雪化粧の赤城山真っ白な浅間山がよく見えた。

今年は浅間に登りたい、と新年の抱負を胸に帰路に着いた。

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元旦の赤城山