睡紫庵文庫

身辺雑記をまじえた読書雑記です。

谷川岳へ~近くてよい山~

先日、G県が誇る「近くてよい山谷川岳へ登ってきました。

今回は5人のグループ登山。職場の山好き仲間にまぜてもらいました。

普段は県内の低山を登っているのですが、「たまには高めの山もいいよね」「ロープウェイあるしね」と谷川岳をチョイス。

天気はてるてる坊主様にお願いしなくても、晴れ!!

わーい。谷川岳、大好き!

何しろ、近くてよい山!

高速のインターから30分弱というアクセスの良さ。私、G県民なので、本当に近いです。

頂上付近の景色の美しさ!空の青とクマザサの緑が絶妙。

(行く前から)やっほー!!

 

それにしても、地元みなかみ町が押しているキャッチフレーズ「近くてよい山」は、1929年に大島亮吉氏が慶応山岳部報に報告した記述によるものらしいのですが、その頃は結構遠かったんじゃないかなあ…?

上越線が水上まで開通していたので(水上駅開業が1928年)結構、楽に行けたのかな?深Qは1933年にはじめて登っているそうな。

ちなみに谷川登山の玄関口、土合駅は1936年開業らしいです。

これから登る山のことを考えながら、大荷物でごとごと電車に揺られて行くのか~。わくわくしてたんだろうな~。

現在は高速で車を走らせながら、登る山のことをあれこれ考えてわくわくしてます。きっと同じ。

 

当日は前箸(仮)7:00集合。

集合前に、今回都合で参加できなかったタケさんから「行ってらっしゃい」とのメッセージと共に、昨年タケさんが谷川に登ったときの写真がメンバーに送られてきました。

なんかすごい崖を登ってる写真…

「こ…こんなところなのか、谷川は!?」とおののく松太郎部長。

「いつも低山なのに、大丈夫なのかしら…」と若干の不安を隠せない雪絵さん。

「大丈夫!これは、ロープウェイ使わない方の道だから!」とすかさずフォローする月子姉さん。(元ワンゲル部)

タケさん!直前に不安になる写真送ってくんな~!!

でも、天神平ルート(ロープウェイ利用)でも、後半は結構きつい坂なんだよね…。私も去年登ったので知っているけど、とりあえずここでは黙っておきました。

ちなみに今日のメンバーで谷川に登ったことがあるのは月子姉さんと私だけ…

ふふふ。大丈夫なのかしら?

一抹の不安がよぎります…。

 

8時半くらいに駐車場着。今回は楽ををして、ロープウェイとリフト利用。

9時すぎくらいから歩き出しました。

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目の前にどーん!これからあの山頂までのぼるのだ!

 

熊穴沢避難小屋までは比較的なだらかな道のり。

一同も「割と歩きやすいね~」と余裕の表情。

「ここまでは前菜ですよ!オードブル!ここからがメインですから!」と一応警告する私。

そして、避難小屋を過ぎるとすぐに現れる急登!!

これ…登れるの?」とおびえる雪絵さん。

なるほど」と静かにうなずくハナちゃん。(最年少)

私も去年登った時に立ちはだかる岩の坂に「ぬぅ…無理かも」と思ったなあ…。

周りを見ると、急登にめげている人がちらほら。

 

小学生くらいの子ども「あと何メートル行けば終わりなの?」

父「…あと200m登れは頂上だよ…」

子ども(ふくれっ面)「じゃあ200m行けば着くの!?」

父「うーん…200m歩くんじゃなくて、上に200m…」

子どもは前半一生懸命登るから、後半バテちゃうのよね…。頑張れ!

 

または、時々見かける犬連れ登山で(パグ犬だった)、坂の途中で登らなくなる犬!

飼い主がリードを引っ張っても「いややねん。もう、こんな坂登れへんわ!」とその場に踏ん張って動かないパグちゃん。

結局、抱っこされてちょっと平らなところに下ろされた後、しぶしぶ登ってました…。

犬もめげる!

 

登山ガイドとかを読むと「魔の山」の異名をとったのは一ノ倉沢の岩壁登りで危険!、ロープウェイを使わない西黒尾根ルートは上級者向き、ロープウェイを使う天神尾根ルートは危険箇所のない人気ルート、などと書かれていることが多い気がします。私が持っている「入門山」にも掲載されてるし。

でも、初心者が「よし、スキルアップに谷川だ!」という気持ちで行くと、かなり急な坂にめげるのよね…。

目の前にそびえ立つ感じだからね…。

それでも、一歩一歩登って行くと、ちゃんと頂上にたどり着けるの。まわりの登山者のみなさんが意外とひょいひょい登っているのを見て、「私も行けるかも…」と勇気をもらえるし。

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延々と続く登山者の列。みんな健脚だなあ。

 

ちょいちょい休憩を挟みながら一歩一歩頂上へ向けて登って行きます。

「人の姿が大きいから、実はそんなに遠くない!近くなってるよ!」

「周りを見て!すっごい登ってきたよ!ラブ。森林限界!」

出てくる台詞はすべてポジティブ。とにかく励まし合う。

一番登りが辛そうな雪絵さんは、時折「あそこが頂上かしら…?」とつぶやくので「たぶんそう!いや、もうちょっと先かな?」などと騙くらかす私と月子姉さん。

 

そんなこんなでだいたい12:30頃肩の小屋着!

かなりゆっくりペースですが、着きました~。わーい!

おにぎりを食べて、月子姉さんにもらったカップラーメンをいただきました。

ちょっとガスが出てきていて、かなり寒かったので、暖かいものは染みます~。月子姉さんありがとう!

 

休憩後、トマの耳へGO!

「ここからどれくらいなの?」という雪絵さんに「すぐですよ!坂も今までほど、急じゃ無いから楽ですよ~」と言ったところ「…本当に急じゃ無いのね?」念押しされました…。

すみません。散々、「もうちょっとで着く」と騙くらかして…。なんか、私、信用なくしてるのかしら?

でも、本当に10分くらいでトマの耳着。

やりました~!!天神峠を出発した時は、あんなに先だった場所に、ちゃんと自分で歩いてきました!

「すごい!私すごい!」と雪絵さんも満足気。

ガスがちょっと出てきていましたが、景色もサイコー!

空と山の間に私がいるよ~!

「ヤッホー」とハナちゃんが叫んだので、隣で「ヤッホー」とこだまを返してあげました。セルフヤッホー。(←最近のマイブーム)

登山道に連なる人影をみて、「見ろ!人間がゴミのようだ!」(byムスカ)のお決まりの台詞も言えましたよ~♪

 

当然、オキの耳にもGO!

ちなみに「トマ」は「手前」という意味で、「オキ」は「奥」という意味だそうです。

双耳峰に行ったなら、ちゃんと両耳行きたいよね!

そして、私は耳の間の稜線歩きが大好き!

月子姉さんも「今度は縦走いっちゃうか~」とご機嫌。

だいたい20分くらいで到着!両耳制覇!

頂上着いたぞ!という達成感が2回味わえるなんて、双耳峰はいいね~。

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トマの耳。オキの耳への道から。

 

オキの耳着が1:30すぎ。ロープウェイの最終は5:00。

あら、結構、急いで降りないと、間に合わないかしら?

ちょっとペースアップして降りるぞ!との松太郎部長の言葉に従い、苦労して登った坂を降りることに。

振り返ると、山がきりっとそこに立っていました。

ハナちゃんが「山が主役なんですね~」とさりげなくつぶやく。

 おお!そうかも!

私たちは、今日、ちょっとお邪魔させてもらったんだね~。また、お邪魔させてもらいたいな~。

 

4:15くらいの天神平着!ロープウェイ間に合いました!

頑張りました!すごい、満足感。楽しかった~。

帰りのロープウェイの中で、全員で自分自身の健闘をたたえ合いました。

これからは低山だけじゃなくて、たまには高い山も登ろうね!

ロープウェイを下りたところで、コーラで乾杯!(車なのでビールが飲めない…)

みんなで登るのは楽しいね!

谷川岳は本当に「近くてよい山」です!

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 オキの耳!このときは周りはガスってました。 

天狗岳登山~好きな四字熟語は森林限界~

八ヶ岳2日目。

8時から熟睡していた私はすっきり4時起床。小屋の朝ご飯は5時から。

晴れてる…!!

f:id:suishian:20170903150415j:plain朝の空に白い月。

 

夜中に目が覚めたというノムさんによると、夜中は雨が降っていたそうですが、朝はすっきり。

嬉しい~!!

朝食を隣で食べていたご夫婦も「いや~晴れましたね~」とご機嫌。

ご夫婦も前日硫黄岳に登り、真っ白け地獄に「赤岳が見えない!これじゃ疲れるために登ってるだけじゃないか~!!」とご不満だったそうです。

ね~♪

せっかくだから、良い景色が見たいですよね~。

天気予報によると、午前中は晴れで、午後から雨とのこと。小屋のテレビ(データ放送?)でみた予報では3時から傘マーク。

よっしゃ~。今日は午後は帰るだけだぜ!無問題だぜ!

 

朝食後、不要な荷物を小屋に預けて6:00くらいに天狗岳へ出発。

お世話になりました!

オーレン小屋、とっても快適でした。また泊まりたい!

箕冠山に向かう道はコケがこんもり茂った森の中。

コケ大好きなので、すごく楽しい。

キノコ好きのノムさんも「ここにキノコが3ニョッキ!!(3本生えていることを私たちはこのように表現します)」などとはしゃいで写真を撮りまくり。

朝の森は気持ちいいな~。

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しらびその森。朝日が差してます。

 

森を歩いているうちに、大きなミスをしたことに気づきました。

「…日焼け止め塗ってくんの忘れた…」

そして、日焼け止めを、今日使わない荷物として小屋においてきてしまったことにも気づきました。

大失態!

ノムさんに、日焼け止めちょーだい、と言ってみたところ「私も小屋においてきた…」とのこと。

仕方ない。今日の私は完全なるすっぴんだぜ!

帽子かぶってるから大丈夫であろう。

それにしても、二人そろって日焼け止めを、使わない荷物に分類するあたり、女子失格なのではないだろうか…。

 

森歩きをはじめて、およそ1時間で箕冠山着。

ここからちょっと下ると根石山荘。根石山荘は箕冠山根石岳の間の谷間にあって、周りが女王コマクサ様の群生地。

ちょうど女王コマクサ様の時期だったので、写真を撮らせて貰ったりしてご満悦~

先がくるんと反った薄紫の花がかわいい~。葉っぱもくちゃくちゃで好き。

私は高山植物について、不勉強で全然知識が無いのですが、さすがに女王様はちゃんと知ってました。これからちゃんと勉強しようっと。

登山は学ぶべきことが多くて楽しいですね~。

 

根石山荘から少し登ると根石岳山頂。

サイコーです。サイコーです。(2回言った)

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根石岳からの天狗岳東西ダブル天狗!

 

昨日見られなかった南八ヶ岳オールスターズお目見え!

硫黄岳の爆裂火口もがっつり。

主峰赤岳様も阿弥陀岳も横岳も見られました~。

ひゃっほーー!!

やはり、てるてる坊主の御利益はすごいなあ。ありがたや!帰ったら感謝を申し上げなくては!

テンションがあがったノムさんからは「私の好きな四字熟語は森林限界!」との名言も!

おお!私も好き!

森林限界最高!

これからはこの言葉を合言葉にしよう!

森林限界は四字熟語じゃない、というツッコミは不要です…)

ダブル天狗を左右に従えた写真もばっちり撮影。これ、お気に入り!

楽しい!楽しすぎる!

 

鼻歌でも歌いそうな気分でメインの天狗岳へ。まずは東天狗。

稜線歩きは楽しいな~。

1時間はかからなかったと思いますが、けっこう急な道を頑張って登って登頂~!

ちょっとガスが出てきました。もや~ん。ま、そんなもんだよね。山の天気ですから。

でも、時折ガスがはれると、自分が登ってきた道がはっきり見えて「ここを登ってきたんだな~」と良い気分で眺められました。

下界から山を眺めると遙か彼方の頂上に、自分で歩いてたどり着いたっていうのはなんか感慨深いな~。

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 西天狗への道(だと思う…)

 

西天狗にも当然GO!

30分くらいで登頂。

やったー!両耳登ったぞー。

ノムさん頂上の看板を挟んで二人でwithB風に写真を撮ろうよ!」と提案してみましたが、「誰に撮ってもらうんだ、そのポーズで!」と却下されました…。

いいじゃん…。しくしく。

とりあえず一人でポージングして、ノムさんに写真を撮ってもらいました。わーい。

 

西天狗の頂上は結構広いので、またもや父(山男)から借りてきたバーナーでコーヒーを沸かし一休み。

そろそろ自分でもバーナー買おうかなあ。

このときは、時々、雲間から青空と山並みが時折見える感じ。

霧が晴れると、周りの登山者の皆さんのテンションが一気に上がり「今撮らないでいつ撮るんだ!」「このときを待っていた!」と、一斉にカメラを構えるので、みんなこの景色を楽しみにしてるんだな~と共感。

本当、いい景色!

 

今日はこのまま元来た道をピストンで帰ります。

中山峠を越えてしらびそ小屋に行くなんてコースも魅力的だったんですが、雨になるらしいし、スローペースなのでちょっと無理かな~と。

そのうち、北八ヶ岳も絶対行くぞ~!

 

根石山荘を過ぎると森林限界ゾーンは終わり。森に戻ります。

ああ、森林限界ゾーン楽しかった~。でも、森も好き。

ゆっくり森を下っていると遠くで雷鳴が…。雷怖い。

時折、雨がぱらぱら…。天気、崩れてきました。

てるてる坊主効果もそろそろ終了かしら?

 

寄り道したり休憩を多めにとっていたりしたので、オーレン小屋着が2時くらい。

預けていた荷物を受け取って、駐車場に向けて最後の下りを歩きます。

途中、夏沢鉱泉で寄り道して硫黄岳靴下を買っていたら、外が突然の大雨!

すごい!天気予報通りの雨!ぴったり当たってる!

しばらくしたら、小雨になったので、その時を狙って下山再開。

そうしたら、すぐに猛烈な雨!!

最後の最後に!

私、全身びしょ濡れ…。

バカな私は、駐車場までもう少しだから(30分くらい)カッパ着なくていいや~、とウィンドシェルだけ着ていた状態。(ザックカバーはつけてた)

横着な自分を呪いましたよ…。

(ちなみにノムさんはちゃんとカッパを着ていた。バカなのは私だけ)

靴も屋久島以来のぐっちょぐちょです。夏沢鉱泉で硫黄岳靴下買ったのは、何かの予感だったのかしら…?

幸いにもしばらく歩いていたら、雨上がりました。

よかった~。

駐車場着は4時過ぎくらいだったかもしれません。ゆっくり。

悪路を最徐行でのたりのたり運転し、「音無の湯」で汗を流して、下界に戻りました。

 

最後の雨で、私、強力な雨女だったな、と気づかされましたが、てるてる坊主様のおかげでいい景色見られて楽しかった~。

帰宅後、てるてる坊主様にお礼を言って、解体しました。(白いハンカチで作ったので)

次も頼みます!

 

後日談ですが日焼け止めを塗り忘れたため、翌日の私の顔はひどいもんでした…。

焦げてた。ひりひり。

日焼け止めは忘れちゃいけないですね…。

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お昼に食べた、オーレン小屋のパンセット。パンがぱんぱん。

硫黄岳登頂~地獄再び~

夏山に行きたい!という想いが募り、八ヶ岳に行ってきました。

今年は甲武信ヶ岳立山も登頂に失敗しているので、なんとしても頂上に立つぞ!という並々ならぬ決意を込めて、前日に念の入った晴れ祈願をしました。

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伝統の晴れ祈願。てるてる坊主。もう、これ以外何も思いつかなかった…。

 

当日朝。

…悪天候。またもや雨…。くっ…(涙)

てるてる坊主でもだめだったか…。

 

それでもめげずに高速をぶっ飛ばして登山口へ。

するとどうしたことでしょう。県境の八風山トンネルを出たら、雨やんでる…!!

晴れとは決していえないが、まあまあの曇り。

てるてる坊主の御利益あった~!!

雲は山で遮られるので、山前後で天気が全く違う、というのを実感。

とにかく、このまま降らずにいて!

 

登山口は桜平口から。

この登山口までの未舗装の道は悪路です。本当に…。

通常の砂利敷きなので、大丈夫かな~と思って進んで行くと、結構ばうんばうん車体が揺れます。パンクするかと思った…。怖かったよう。

後から来たお姉さんも「運転技術が試されたわ…」と言ってました。

帰りは最徐行で帰ろう…。

 

駐車場到着がだいたい8:30くらい。登山口から少し下の駐車場に停めたので、登山口着は9時過ぎていたと思います。

夏休み中だったので、駐車場がものすごく混んでいたらどうしよう、と不安でしたが、割とすいてました。天気がイマイチだったからかな?

 

そこから夏沢鉱泉を経由して、地味な登りを地道にえっちらおっちらオーレン小屋まで。

本日はオーレン小屋泊なので、小屋で荷物を減らしてしばし休憩。

足取りも軽く(?)硫黄岳目指して再出発。だいたい11時くらいだったかな~?

夏沢峠でお弁当を食べていよいよ硫黄岳へ。

天気はずっとまあまあの曇り状態でしたが、森林限界を超えたくらいのところでは、青空も…!!

てるてる坊主ありがとう!!ひゃっほー!f:id:suishian:20170828144323j:plain

 夏沢峠の小屋を臨んで。ちょっとだけ青空。

 

しかしながら、青空が見えたのはこの時のみ。

私が硫黄岳を登るにつれて、だんだんと天気は下り坂。…こういうの、反比例と言うんでしたっけね…。

周りに立ちこめてくるガス。もや~ん。

うすら白くなっていくこの光景は、先月も見たような気が…。

立山だ。立山で地獄を見た時の白さだよこれは…!!

しかも、硫黄岳は周りがガレ場で、無数の石がゴロゴロ。なんだか石積みの強制労働を連想させる雰囲気!

さらにガスの向こうにぼや~んと見えるケルンがそれに拍車をかける。

ついつい「一つ積んでは母のため…」とつぶやく私。

うわ~ん、鬼が来るよ~!!

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石積みが雰囲気満点!(この写真は本当は山頂の写真)

 

「っく……!!まさか、またもや地獄に遭遇するとは…!」

今回の同行者ノムさん「これが地獄…!」と感慨深げ。いや、地獄じゃないけどさ。

とりあえず、二人で石積みの強制労働風の写真を撮りあいました。意外と楽しい。

 

そんな遊びをしつつ、とにかく、地獄のガレ場を山頂目指してざくざく登る。

あたりがガスで真っ白になると、先が見えないので、あとどのくらいなのか、よくわからないのがちょっと辛いですね…。

「どこまでこの地獄が続くんだ~!!無間地獄か!」

「あの先のケルン!きっとあそこよ!」

と励まし合って登っていると、ザックの脇に長傘を差した普段着っぽい人々に遭遇。

登山始めたばかりの頃の私と同レベルの低装備!

話を聞いてみると、今夜硫黄岳山荘でコンサートをするアカペラグループなんだそうです。

…!!大変ですね!

山小屋のコンサートだと、自分の足で登って行くしかないもんね!

きっと、今日の仕事を受けたことを後悔しているに違いない…。

 

そんなこんなで無間地獄(?)を登ることだいたい1時間くらい?

ようやく登頂しました~!!やった~!!

今年は登頂失敗続きだったので、すごく嬉しい!

先ほど出会ったアカペラグループが、登頂の喜び(?)を素敵なハーモニーで歌っていて、極楽感が…!!(動画撮ってました)

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極楽?あたりは真っ白ですが…。

 

極楽(頂上)に着いたけど、なんもみえねえ!(北○康介風でお願いします)

真っ白だったので、硫黄岳の爆裂火口見えず…。

もちろん主峰赤岳も見えず…。

かなり残念なり。

でも、頂上まで登れたし、雨が降らなかったので満足。朝の天気から思えば上出来です。地獄ごっこもできたし♪

これもやはりてるてる坊主のおかげかと…!!

昔からの風習っていうのは馬鹿にしちゃいけないね!

 

下りは赤岩ノ頭を通るルートでオーレン小屋まで帰りました。

ずっと地獄…。ザレ場だったので、これまた地獄感が…。

小屋着がだいたい16:30。遅くなってごめんなさい。

お風呂をいただいた後、夕食の時に飲んだビール、おいしかった…!!

明日は天狗岳に登ります。

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小屋の夕食。馬肉のすき焼き。おいしい~!!

「山登りはじめました」鈴木ともこ

前述の立山行きの時のことである。

一緒に行ったのは学生時代からの友人キキちゃん。(関西在住)

彼女は旅行に行くと、とにかく荷物が多い。一体何が入っているのか、と疑うくらいの大荷物で現れる。

今回の立山旅行でも、ザック(たぶん30L?)を背負い、片側には小型のスーツケースを携えて現れた。(ついでに財布とかを入れたサコッシュ的なショルダーバッグもあり)

山登るときは、スーツケースはコインロッカーに預けようね~。

実は、旅行に行く前の打ち合わせの電話で「あたし、荷物多いから2泊目の旅館に荷物送ろうかと思うねん」と相談されて「キキちゃん、冷静になって!たかだか2泊3日なのよ!」と説得した経緯がある。

ちなみに私はザック(25L)のみである。荷物はできるだけ少なくすることを心がけているので。

そんなキキちゃんが立山登山の前の晩(立山荘宿泊)にザックの中からあるものを取り出した。

「じゃーん」

と効果音付きで出てきたものは

亀田のカレーせん(18枚入り)!!

ばかでかい!

f:id:suishian:20170825220733j:plain 18枚入り。近所のスーパーで売ってなかったので、わざわざインターネットで取り寄せました。

「ええやろ~♪」と私に嬉しそうに振って見せる。

「…キキちゃん、そんなかさばるもの持ってくるから荷物多くなるんだよ!!」との私の突っ込みに、キキちゃんは満面の笑みで答える。

「頂上で食べたらめっちゃおいしいんやって!鈴木ともこさんのマンガに書いてあったんやから!」

だからと言って、わざわざ関西から持ってくるようなものか…!!

半ば呆れる私を尻目に、キキちゃんはいそいそと自分のザックにカレーせんを詰め込んだ。

翌日、立山登山に挑戦したのだが、前述のとおり、天候不良により途中下山。

結局、山ではカレーせんを食べることはなかった…。

関西から持ってきたのに…。

それでもめげないキキちゃんは、立山登山の翌日、富山観光中にカレーせんを持ち歩く。(レンタカー借りたので、車に入れていただけだけど)

雨晴海岸でそのチャンスは巡ってきた!

義経ごっこ(岩場から雨が晴れるのを祈っているふりをして写真を撮るだけ)終了後、岩場でおにぎり(立山で食べようと思っていたものの残り)を食べ終わった私の前に、カレーせんが…!!

…おいしかった!!とても。

スパイシーな濃い味が染み渡る…。

「わざわざ持ってきたんだから、立山で食べたかったねえ」

「そうやねぇ…」

と二人で雨晴海岸から幻の立山連峰(晴れてたけどさすがに見えなかった)を眺めながらカレーせんを味わったのだった。

次こそ、絶対に晴れの日に来るぞ~!

f:id:suishian:20170819161737j:plain 雨晴海岸。良い天気。

帰宅後、キキちゃんが言っていた鈴木ともこさんの本(「山登りはじめました」)を読んでみた。

そう、私はこの山登りエッセイコミックの金字塔(と帯に書いてあった)を読んでいなかったのだ。

私としたことがぬかった…!!

なるほど、確かに富士ノ折立を眺めながら、カレーせんを「世界一おいしいおやつ」として、やめられない止まらない、という感じで食べている!

これは、確かにまねしたくなる!

私も立山の頂上でカレーせん食べたい!

しかし、キキちゃん。読んでみてわかったけど、鈴木ともこさんは、このカレーせんをみくりが池温泉で購入しているよ…。下界からわざわざ持って行ってないよ…。 まあ、私たちはみくりが池温泉に寄る予定じゃなかったので、万全を期すなら持って行くしかないんだけど…。

ちなみに私が持参したおやつは名古屋名物、しるこサンド

甘さも兼ね備えたひとくちサイズのビスケット。これほど行動食に適したお菓子が他にあるだろうか?(いや無い)

私の行動食の定番。

なんと、このしるこサンドも「山登りはじめました」に出てくることが判明。やっぱりね~。

丹沢・塔ノ岳で一緒に登った、たかぎなおこさん(たかぎさんのエッセイコミックは何冊か読んでいる)に鈴木ともこさんが故郷のお菓子としてしるこサンドを渡しているのだ。

おお!

そうだよね。いいよね、しるこサンドf:id:suishian:20170819174116j:plain しるこサンドとレモンゼリー。旨し!

ちなみにその他に持って行ったおやつ。

ひとくち栗ようかん(小布施堂)松本駅で購入。ちょっと高級品。

レモンゼリー。スーパーで売ってた。いつもはPureグミのレモン味が多い。

明治ミルクチョコレート。スティックタイプ。溶けちゃうけど、チョコレートは外せない。

今回は持って行かなかったが、ベビーチーズ(カマンベール)もよく持って行く。おいしいの。

「山登りはじめました」では、他に「着いたら食べるぞ~」と楽しみにする、ご褒美おやつとしてアルフォートも登場する。

これも良いね!!

チョコとビスケットのコンビネーション最強!

今度山に行くときはアルフォートを持って行くのもいいな~。

山のおやつもいろいろ考えると楽しい♪

山登りはじめました めざせ!富士山編

山登りはじめました めざせ!富士山編

  • 作者:鈴木ともこ
  • 発売日: 2009/06/17
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)

 

「一生ものの、山道具」ホシガラス山岳会

前述の立山行きの際に、サンダルを新調した。

Tevaのオリジナルユニバーサル。
これ、「一生ものの、山道具」を読んで以来、ずっと欲しいと思っていたもの。
今回の立山行きが契機となって、ため込んでいた欲望が爆発。夜中にぽちっとしてしまったのである

嬉しい~!!良い買い物したぜ。

山への行き帰りに履くぞ~。薄くて軽いので、荷物にならないところが決め手。

薄いけれど、底のクッションがいい感じで、長時間履いてもあまり疲れない。

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ちょっとおしゃれにカンポブラック/ホワイトにしました。

 

私は山登りらしきものをはじめて3年くらいになるが、当初の装備はひどかった。

登山の三種の神器といわれる装備はこんな感じ。

靴:コンバース オールスターズ。もともと履いてた。

ザック:ユニクロで購入した適当なもの。うちにあった。(値段1,900円也)

合羽:コンビニで数年前に購入したと思われるもの。セパレートじゃない。うちにあった。

 

…ひどい、ひどすぎる。

山をなめちゃいけない!という批判は耳にたこができるほど聞いたので、もういらない。

基本的に、形から入らず、初期投資をしたくないので、とにかくうちにあるものではじめてみたのだ。

だって、これからどのくらい使うかわからないようなものに、いきなり大金かけるなんてもったいなくて!このへんは小市民的、というか単にケチな私。

このお粗末な装備で我が「ふるさとの山」赤城山とかを登っていたけど、結構問題なく登れたよ。周りの登山者(ベテラン?)の視線が痛かったが…。

特に、コンビニ合羽 in 尾瀬 の時の周囲の冷ややかさときたら、突き刺さるようだったぜ。(しかもこのときは山小屋泊。朝、小屋を出るときの山小屋の方のもの言いたげな様子ときたら…!)

 

しかしながら、こんな私でもいくつか山を登るうちに、山の楽しさに目覚めはじめ、ちゃんとした道具が必要だな、と思い出してきた。(というか、コンビニ合羽はさすがにまずいな、と思い出してきた。だって、濡れたら全然乾かないんだもん…。ものすごく蒸れるし…)

そんな時に出会ったのが「一生ものの、山道具」である。

ホシガラス山岳会のメンバーである小林百合子さんが、朝日新聞のWeb版で連載していた「山道具日記」(連載終了)を見つけたことがきっかけだ。

すごい!素敵で便利な山道具がいっぱいあるじゃないか~!

ちょっとゴツい山道具(男性向け?)は本格的すぎる気がしていて、山ガール向けのカラフルなものもなんだか気恥ずかしさを感じていた私にジャストミートな道具が満載。

山の座布団(掲載品はサーマレスト Zシート 2,200円)いいな~と思って、似た商品購入!(近所のホームセンターで500円くらいだったかな?)

「森に映える赤」の傘(掲載品はモンベル トレッキングアンブレラ 4,000円)、かわいい~!!と思って、赤い折りたたみ傘購入!(アウトドアとまったく関係ないメーカーの傘。でも、コンパクトでモンベルと遜色ないと思う。3,000円くらい?)

他にも、and wonderの服かわいいな~、とかスントの時計、いつか欲しいな~とか、もう私の頭は物欲でいっぱい。

罪作りな本だよ…。

 

そんなこんなで、当初からははるかに装備が充実した私。

レベルアップ!(ドラクエの効果音を足してください)

現在の私の三種の神器はこんな感じ。

靴:ミドルカットのトレッキング用!アウトレットで安くなってた。

ザック:アウトドア用?25L。ザックカバーもあるよ!アウトレットで安くなってた。

合羽:セパレートタイプ。アウトレットで安くなってた。

…ちょっと自分で書いてて驚いたよ。

当初と比較すればレベルアップしたけど、すべてアウトレット品じゃないか~!!

他に購入したものも「一生ものの、山道具」掲載品に似たもの(廉価版(?))ばかりだし…私、相当レベルにケチなのかもしれない…。

 

でもいいの。一つ一つ買い足したり、買い直したりしていって、だんだんそろえていくのが私の楽しみなの。

山に登るごとに充実していく装備、というのが私の理想だ。

次は何をそろえようかな~?

 シングルバーナーに手を出すか、もうちょっと大きいザックを買い足すか…靴下も買いたいな~

「一生ものの、山道具」を読みながら、次に買うものに想いを馳せる私なのだ。

うふふ。楽しい~♪

 

一生ものの、山道具

一生ものの、山道具

 

 

 

立山登山…またもや失敗

立山に行ってきました。

たぶん、今年の登山の最高峰!初の3,000m越え!

ものすごく楽しみにしていました。

写真とか見ると、とにかくスバラシイ!!

あの景色の中に自分を置いてみたい!

やっっほー!!(高鳴る気持ちを表現してみました

 

同行の学生時代の友人キキちゃん(関西在住)と松本で合流。

信濃大町経由で扇沢から立山黒部アルペンルートへ。

立山黒部アルペンルートって面白いね~。

トロリーバスやらケーブルカーやらロープウェイやら。

とりあえず1日目のメインは黒部ダム

ダムも少々かじっているので、美しいアーチ型ダムに大興奮の私!

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アーチ面からの放水圧巻!

 

今年は破砕帯突破60周年記念とのことで、ちょっとした展示とかもやってました。

ダムカレー食べたり、(ハサイダーは飲まなかった…!!ちょっと心残り)展望台で立山を眺めたり、ダム近くで写真を撮ったり、ダムカードをゲットしたりで2時間近くうろつきました。

もっといてもよかったな~。とにかくいろいろ楽しめます!

私、行くまで知らなかったのですが、このダム、発電目的なんですね!治水・利水目的じゃないんだ!電力会社管理なのね~。

地元の利根川水系のダムしか知らなかったので、ちょっと意外でした。

 

室堂経由して、本日の宿泊場所、国民宿舎立山荘へ。

建物がおしゃれでかわいい!(吉坂隆正設計だそうです!)

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弥陀ヶ原を散策したり、食後にナチュラリスト(最近はしゃれた物言いをするのう…)の立山レクチャーを受けたりして、翌日の立山登山への期待はうなぎ登り!

雷鳥さんにはたぶん会えないけど、楽しみだな~♪

夜中にはナチュラリストの方と一緒に星空を眺めたりもしました。

夏の大三角と天の川がしっかり見えて、「銀河鉄道の夜」を思い出したりも。

天の川は星々の集まりだね~!カンパネルラ!

 

起床。

…おかしいな、昨日星空まで見たのに、なんかどよーんとしている…。

宿の人に聞いてみると「午後は雨ですね」ときっぱり。

…まさか…!!

私とキキちゃんは今までに尾瀬やら屋久島やらに出かけているが、つねに雨に降られている縁起の悪い雨女コンビ…。

今回は天気予報では晴れだったので油断した…。

それでも、めげずに室堂へ。

登山届出した時に「雨も降るけど、風がすごいよ~。山頂付近では風速15m!稜線歩きは這わないと無理だね~。ま、行ってみて考えて」とおじさんに言われました。

…か、風も…!!

15mって…台風?

 

歩き出すと、急に雨!

カッパ装着でとりあえず上を目指すことに。

キキちゃんは「私の山の写真はいつも同じ格好だよ…。ゴアテックス」とぼやく。

雨女だからね…。

 

7月の立山は残雪あり、とガイドブックにあったので、そこそこあるのかな~と思っていましたが、かなり残ってました、雪!

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登りはいいけど、下りは大変かもね~などと言いながら上っていくと、すれちがう下りの人が大渋滞!

その先頭には「もうだめ、あたし、一歩も出せない!ああ、ごめんなさい。ほんとごめんなさい」と半狂乱になって叫ぶ女性が…。

ど、どうした!?

雪の傾斜地を下る恐怖にパニックになってしまったらしい。

ええっ!!そんなに下るの大変か!?他の人は割と普通に下ってけど!

ストックにしがみついて、今にも泣き出さんばかりの女性を見て、キキちゃんもパニック伝染!

「こんな下り怖いんやったら、私も無理やわ!」と言い出す。

いや、他の人見て!みんな普通に下りてるから!

まだ、歩き出して30分もたってないよ!

「大丈夫、行ける行ける」

とキキちゃんをだまくらかして?進む私…。

ちなみにこの辺では雨が小やみになってました。

 

歩いているとだんだんガスが立ちこめてきて、風もどんどん強くなり、危険な天気に…。

うーむ。やばいかもしれない。

1時間半くらいかけて、一ノ越小屋到着。

ものすごい強風!!

帽子、すぐに飛ばされた!(あごひもあったので無問題!このために帽子新調してよかったです!)

そして、真っ白で何も見えん!

小屋は様子見をする人たちで激混み。

キキちゃんは先ほどのパニックから抜けていないせいか「ここから上は私は無い!」ときっぱり。

確かに、天気が悪すぎるので、頂上を目指さずに下ることに…。

先月の甲武信ヶ岳と言い、頂上まで行けなくて下るの悔しいよう…。うう…。

 

天気はどんどん悪くなり、真っ白で周りがほとんど見えず。

ホワイトアウトってこんな感じかな…」とつぶやいてしまうほど。

雪は降ってません。7月です。

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写真に写っているのはまったく知らない人。

 

途中、何度か滑りましたが、下りでも特に危険!という感じでは無かったです。

室堂に到着して、キキちゃんに「あのパニックになった人と出会ったところはどこだったのかね?」と聞いてみると「…わからん。そんな危ないとこ無かったな…」とのこと。

心理的なものだね~。

一度、恐怖を思えると、なんでも怖くなっちゃうんだね~。

 

頂上まで行かなかったので余裕ができ、みくりが池温泉でゆっくりできました。

わーい!不幸中の幸い。

平安時代立山都に最も近い地獄、とされていたそうです。(室堂山荘の展示より)

みくりが池温泉に向かう途中、とにかく真っ白で何も見えず「キキちゃん、これが地獄かねえ…」「そうだねえ…」と二人で確かめ合いましたよ。

とにかく、白かった…!!

 

その日はアルペンルートを富山側から出て、氷見温泉一泊。

魚づくしの宿で舌つづみ。

ちょうど白魚のシーズンで、刺身旨し!

カマスの塩焼きも旨し!

帰りの富山駅周辺でもお寿司を堪能しました。こちらも旨し!

立山楽しかった…。でも、頂上まで登れなかった…。しくしく。

雨女コンビはそれでもめげずにまた、次の山に行こうと誓い合って分かれたのでした。

次こそ晴れだ!てるてる坊主を作ろう…。

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雨晴海岸から。立山連峰を望めるほどではないですが、最終日、晴れました…。

「日本百名山」深田久弥

 かなり前のことになるが、仕事で前箸市(仮名)に出張した時のことである。

その日は上司Hと同僚M氏と一緒に車で出張先に向かっていた。

よく晴れた日で、快調に車を走らせていたところ、目の前にきれいな富士山型の山がどーんと現れた。

 

それを見て、上司HがS県民であるM氏に「あの山なんだかわかる?」と唐突に質問した。

その時のM氏の回答 「…赤城山ですかね?」

  ……!?

車内に私の叫びが響き渡った。

「…M!(呼び捨て)その発言を前箸市民(仮名)が聞いたら、袋叩きにあうぞ!今すぐ訂正するんだ~!!」

赤城の形があんな富士山型の訳がなかろう。浅間だ!あれは浅間山だ!

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浅間山。夏なので、もや〜んとしていますがなんとか写真撮れました!

 

G県民にとっては常識中の常識であるが、隣県であるS県ではまったく知られていないらしい。

 

日本百名山を著した深田久弥(今後、敬愛の念を込めて深Qと呼ばせていただきます)は、「日本人は大ていふるさとの山を持っている。山の大小遠近はあっても、ふるさとの守護神のような山を持っている。そしてその山を眺めながら育ち、成人してふるさとを離れても、その山の姿は心に残っている」と書いている。

G県民である私の「ふるさとの山」は赤城山である。

G県内でも、地域にって榛名や妙義や武尊などの他の山が「ふるさとの山」であるが、G県を代表する山が赤城であることは、まず異論は無いと思う。

G県民のソウルカルチャー(?)上毛かるた「裾の尾長し 赤城山」とうたわれる赤城の姿は、前箸市民(仮名。もう仮名にする意味が全くないが…)をはじめとした平野部の県民には「ふるさとの守護神」として心に残っているのだ。

(話はそれますが、G県民は上毛かるたが染みついているため、県内の名所をすべてかるたで表現する癖があります。妙義は「紅葉に映え」て、谷川は「スキーと登山」です。染みついております…)

 

  深Qも、我らが赤城山百名山に加えていて、「見事なのは、のびのびと裾野へ引いた稜線であって、おそらくこれほど大きな根張りは、他に例が少なかろう。しかも、それが少しのわだかまりも渋滞もなく、ゆったりと優美な線で伸びているさまは、胸がすくようである」と絶賛。

えっへん。 「ふるさとの山」をほめられると、とっても嬉しい。

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長い裾野。

 

おそらくM氏は、G県の山=赤城山と思って、件の回答をしたのだと思う。

そういう意味では、G県民の「ふるさとの山」を知っていてくれた、ということだ。ありがたい。

叱りつけて悪かった!

だけど、今後はG県民の前で赤城を間違うような下手をしでかしてはいけないぜ!

下手をしでかすと、血を見るぜ!

 

ちなみに、この話を前箸市民にしたところ、絶句…。

浅間と間違えるなど、やはり前箸市民には考えられないらしい。(榛名ならまだしも…とつぶやいていた)

ちなみに、前箸市民は赤城の方向で自分の位置を判断する、という習性が身についているらしく、G県東部出身の私に向かって「東部の方では、どの山で方角を判断するんですか…?」と聞いてきた…。

…山じゃなくても方角分かるから…。

嗚呼、知らないうちに刻み込まれた「ふるさとの山」への依存は深い…。

実はM氏も私の知らない「ふるさとの山」を持っているのかもしれない。 

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黒檜山(赤城山最高峰)山頂にて。雲、雲、雲!

 

 

日本百名山 (新潮文庫)

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